第2節 地域の生活環境に係る問題への対策

1 騒音・振動対策

 ア 騒音に係る監視体制の強化等

 地方公共団体と連携しながら、騒音に係る監視体制を充実させます。また、騒音・振動に関するより適切な評価や規制のあり方及び沿道沿線対策についての検討、低周波音に関する実態把握及び知見の収集を行います。

 イ 工場・事業場及び建設作業騒音・振動対策

 低騒音社会を目指し、低騒音型の機械・機器の普及を目指した制度について検討していきます。さらに、振動については、近年苦情が高い割合を占めている建設作業の振動に対応するためのガイドラインの作成を目指して検討を行います。

 ウ 自動車交通騒音・振動対策

 自動車単体から発生する騒音の低減対策について、平成20年12月18日の中央環境審議会中間答申「今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について」を受けて、自動車の走行実態及び騒音の実態、タイヤ単体から発生する騒音の実態を調査し、その結果及び国際的な基準の動向を踏まえ、自動車騒音の大きさの許容限度及び試験方法の見直しについて引き続き検討を行います。

 エ 航空機騒音対策

 環境基準等の達成に向けて対策を推進するため、航空機騒音の適切な実態把握に努めます。また、「航空機騒音に係る環境基準について」の一部改正(平成19年12月17日環境省告示第114号)に関して、平成25年4月1日の施行に向けて円滑な対応が図られるよう準備を進めていきます。

 低騒音型機の導入、騒音軽減運航方式の実施等を促進します。また、住宅防音工事、移転補償事業、緩衝緑地帯の整備等の空港周辺環境対策事業を推進します。

 自衛隊等の使用する飛行場周辺の航空機騒音に係る環境基準の早期達成に向けて、消音装置の設置・使用、飛行方法への配慮等の音源対策、運航対策に努めるとともに、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和49年法律第101号)等に基づき、周辺対策を推進します。

 オ 鉄道騒音・振動対策

 新幹線鉄道の騒音・振動については、環境基準等の達成に向けて対策を推進するため、新幹線鉄道騒音測定・評価マニュアルを用い、統一的な手法により測定・評価を行うなど適切な実態把握に努めるとともに、引き続き発生源対策や技術開発等が計画的に推進されるように関係機関に要請していきます。また、新幹線鉄道騒音問題の未然防止の観点から、沿線土地利用の適正化を推進していきます。

 在来鉄道の騒音・振動問題については、関係機関と連携し適切に対処します。新線又は大規模改良の計画に際しては、「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針」に基づき騒音問題の発生を未然に防止するための対策を実施するよう鉄道事業者に要請していきます。また、在来鉄道騒音測定マニュアルを用い、現状の把握に努めていきます。

 カ 近隣騒音対策(良好な音環境の保全)

 各人のマナーやモラルを向上させ、近隣騒音対策を推進するため、「近隣騒音防止ポスターデザイン」を一般公募し、引き続き普及啓発活動を行います。

 キ その他の対策

 風力発電施設等からの騒音・低周波音について調査・研究を行い、その測定・予測・評価方法の確立を目指すとともに、低周波音の人への影響評価について検討します。また、地方公共団体職員を対象として、低周波音問題に対応するための知識・技術の習得を目的とした低周波音測定評価方法講習を引き続き行います。

2 悪臭対策

 臭気指数規制の円滑な導入を行うため、悪臭防止法(昭和46年法律第91号)の事務を担当する地方公共団体職員を対象に、嗅覚測定法の信頼性の確保や嗅覚測定法の技術に関する情報提供を行い、臭気指数規制の導入促進に引き続き取り組みます。

 また、国内での現場対応に加え、アジア諸国での悪臭対策にも資するための簡単な現場対応型の嗅覚測定・評価手法の開発を行います。

3 ヒートアイランド対策

 ヒートアイランド対策大綱に基づき、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、ライフスタイルの改善の4つを柱とするヒートアイランド対策の推進を引き続き図ります。

 具体的には、ヒートアイランド現象に関する調査や、適応策の検討、熱中症の予防情報の提供とWBGT(暑さ指数:湿球黒球温度)のモニタリング、水・緑・風を活かしたヒートアイランド対策地域ビジョン策定に向けての検討、地下水・地中熱の利用等環境技術を活用したヒートアイランド対策の検証等クールシティ実現に向けての調査・検討を引き続き実施します。

4 光害(ひかりがい)対策等

 光害対策ガイドライン、地域照明環境計画策定マニュアル及び光害防止制度に係るガイドブック等を活用して、地方公共団体における良好な照明環境の実現を図る取組を支援します。



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