前のページ 次のページ

第11節 

3 砂漠化への対処

 (1)問題の概要
砂漠化とは、乾燥地域、半乾燥地域等における土地の劣化のことです。これには、土地の乾燥化のみならず、土壌の浸食や塩性化、植生の種類の減少等も含まれます。
砂漠化の影響を受けている土地は、世界の陸地の4分の1に当たる36億haに達します。そして、世界人口の6分の1に当たる9億人が砂漠化の影響を受けています(図6-11-2)。



砂漠化の原因として、干ばつ等の自然現象のほか、過放牧、過度の耕作、過度の薪炭材採取、不適切な灌漑による農地への塩分集積等が挙げられます。その背景には、開発途上国における貧困、人口増加、対外債務の増加等の社会的・経済的要因が絡んでいます。

(2)対策
平成17年10月、「砂漠化対処条約(UNCCD)」の第7回締約国会議(COP7)が開催され、砂漠化・干ばつの早期警戒体制の開発支援、基準と指標に関する作業を優先事項として取り組み、最終レポートがCOP8に提出されること等が決定されました。
日本は、同条約により設けられている科学技術委員会へ貢献するため、砂漠化の評価と早期警戒の方法や、砂漠化対処のための伝統的知識の活用方法等について検討しています。
また、同条約に基づくアジア地域行動計画の一環として、テーマごとに情報交換等を目的としたネットワーク作り(TPN)が進められています。日本は、「砂漠化のモニタリングと評価」をテーマするTPN1及び「干ばつの影響緩和と砂漠化の制御のための能力強化」をテーマとするTPN5に参加しています。
このほか、二国間協力として、JICA等を通じ、農業農村開発、森林保全・造成、水資源保全等のプロジェクト等を実施しました。例えば、ブルキナファソやマリにおいて砂漠化に対処するための農村開発の調査を実施しました。民間部門の活動に関しては、砂漠化対処活動を行っている民間団体に対し、(独)環境再生保全機構の地球環境基金等により支援が行われました。

前のページ 次のページ