2 産業廃棄物対策
産業廃棄物の処理は排出事業者責任において行うことが原則であり、排出事業者責任の徹底を図っています。これと同時に排出事業者が優良な処理業者を選択できる条件を整備するため、産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を行うとともに、不適正処理事案に迅速に対応するため、電子マニフェストの普及・促進に計画的・総合的に取り組んでいます。また、平成15年、16年及び17年の廃棄物処理法の改正により、不法投棄の罰則や監視の強化を図りました(詳細は本節3参照)。
全国の産業廃棄物の不法投棄の状況については、平成16年度の投棄件数は673件で前年度に引き続き減少しました。一方、投棄量は、15年度以前から行われていたと考えられる静岡県沼津市における約20.4万tの事案を含め全体で約41.1万tとなりました(図4-4-1)。このように産業廃棄物の不法投棄の状況が依然として厳しいことを踏まえ、5年間で大規模事案(5,000tを超えるもの)を撲滅することを当面の目標とした「不法投棄撲滅アクションプラン」(平成16年)により産業廃棄物の不法投棄対策を進めています。
不法投棄の早期発見・拡大防止のためには、監視体制の強化を図ることが重要であることから、平成17年10月、地方環境事務所の組織改編に当たり廃棄物・リサイクル対策担当職員を増強し、立入検査へ同行するなど都道府県等との連携を強化しています。また、現場調査等に精通した専門家チームを、地方公共団体が行う立入検査等の現場に派遣し、地方公共団体職員のスキルアップを図る不法投棄事案対応支援事業を行いました。
不法投棄等された産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障の除去等については、廃棄物処理法に基づき、産業界の自主的な拠出や国の補助金により造成した基金(産業廃棄物適正処理推進センターの基金)から、支障の除去等を行う都道府県等に対して財政支援を行っています。
また、PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進するため、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号。以下「PCB特別措置法」という。)に定める「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」により、北九州市、愛知県豊田市、東京都、大阪市及び北海道室蘭市において拠点的広域処理施設の整備を進め、北九州市、愛知県豊田市及び東京都での処理が開始されました。