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第4節 

2 魚介類対策

 ア 仕切網の設置
昭和49年、熊本県は水俣湾口を仕切って水俣湾内に汚染魚を封じ込める仕切網を設置しました(図3-4-1)。平成9年には、3年連続して7魚種で暫定的規制値(魚介類に含まれる総水銀の平均が0.4ppm、メチル水銀の平均が0.3ppm)を下回ったことが確認されたため、仕切網が撤去されました。



イ 漁獲規制等
水俣湾周辺地域では、魚介類の摂食が水俣病の原因であるらしいということが昭和31年頃から分かり始めました。このため、熊本県は水俣湾産魚介類の摂食自粛指導を行うとともに、水俣市漁協に対して水俣湾内での漁獲の自粛を指導しました。このような漁獲の自粛(自主規制)や操業の禁止、捕獲した魚介類の買取りの取組は、途中中断があったものの水俣湾の仕切網が完全に撤去された平成9年10月まで順次行われました。また、チッソ等により断続的に漁業補償が行われました。
阿賀野川では、新潟県により関係漁業協同組合に対する魚介類の採捕規制や、住民への食用抑制の指導等が行われました。また、昭和電工等により漁業補償が行われました。

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