2 増加する余暇時間の活用
(1)余暇時間の増加
近年、労働時間や家事時間が総じて減少していることから、国民の自由時間は増加する傾向にあります。また、団塊の世代が退職することも一因となり、余暇時間を豊富に持ち、かつ、さまざまな活動に参加することが期待されるアクティブ・シニア(元気な50歳代〜60歳代)が増加します。
「日本21世紀ビジョン」(平成17年4月内閣府編)では、生活と健康の質も重要視した健康寿命(活動的平均余命)が80歳となる社会を目指しており、2030(平成32)年の労働者の生涯全可処分時間は、健康寿命の延長などにより、2002(平成14)年に比べて約12%増加すると見込まれています。
さらに、退職者の自由時間は定年までの40年間に総労働時間に等しいおよそ10万時間になるといわれています。
(2)環境保全活動への参加率
環境保全活動に関する世論調査によると、環境保全活動に参加したことがあると答えた人の割合が、50歳代では51%と、他の年代に比べて高くなっています。また、今後環境保全のための市民活動や行事に参加したいかとの問いについても、50代、60代で参加したいと答えた人の割合が高くなっており、高齢者は若年層に比べ、環境保全活動への参加率が高い傾向にあります(図2-1-4)。
(3)余暇時間の活用
豊富な余暇時間を持つアクティブ・シニアの増加は、環境保全を目的とした活動が進展するきっかけとなります。このような活動を支えるためには、地方公共団体が事業者等と連携して環境教育の場を設定することをはじめ、環境保全活動の場が確保・提供されることはもちろん、さまざまな世代が環境保全活動に参加できる仕組みづくりを進められることが重要です。これにより、一層効果的な活動が期待されます。