2 野生生物種の現状
(1)絶滅の危機にさらされている野生動植物
絶滅のおそれのある野生生物の種を「哺乳類」「鳥類」等の分類群ごとに取りまとめたレッドリストでは、種の絶滅の危機の高い順に「絶滅危惧IA類」、「絶滅危惧IB類」、「絶滅危惧II類」、「準絶滅危惧」のカテゴリーに分類しています(表6-1-2)。日本に生息する哺乳類、両生類、汽水・淡水魚類、維管束植物の2割強、爬虫類の2割弱、鳥類の1割強に当たる種が、絶滅のおそれのある種に分類されています。
(2)鳥獣の保護管理
西中国山地のツキノワグマ等のように生息域の分断などにより地域的に絶滅のおそれがある鳥獣や、ニホンジカなどのように地域的に増加又は分布域を拡大して、農林業被害や自然生態系のかく乱など人とのあつれきをおこしている鳥獣もいます。
(3)水産資源
水産物の海面漁業生産量は平成元年以降減少傾向で推移しています。水産資源が減少した原因としては、水温等の海洋環境の影響に加え、藻場・干潟の埋立て等の沿岸域の開発や漁獲能力の向上等が大きく関与していると考えられます。