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第6節 

2 地方公共団体における環境の人づくり

 地域における環境の人づくりは、地域にある自然的・社会的資源を学習素材として積極的に活用し、子どもから大人まで、いつでもどこでも人づくりに参加できるようにすることが望ましいと考えられます。また、地域における環境保全活動の担い手に加えて、環境教育や環境保全活動のリーダーを養成することも重要です。

(1)環境教育・環境保全活動のリーダーの養成
 静岡県では、環境教育・環境保全活動のリーダーを養成する「環境道場師範養成講座」を開講しています。この講座は、地域で積極的に環境保全活動や環境教育を行っているNPO、学識研究者等と行政が協力して企画運営しています。学習内容は、地球温暖化、廃棄物リサイクル、自然環境、環境調査、五感教育等広範なものです。また、単なる知識の習得ではなく、富士山麓にてNPOが運営する自然学校での体験学習や、里山における管理実習等の多様な現場活動の中で、学習者が実物に触れ自ら体験して感じ取る体験型プログラムが用いられています。この講座を通じ、自発的な環境教育・環境保全活動を促進するとともに、受講生のネットワークを作り活動の活性化を目指しています。



(2)条例による環境教育の推進
 石川県では、「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」(以下「条例」という。)を制定し、平成16年4月から施行しました。この条例は、自然とのふれあいの推進のため、「市町村、事業者及び民間団体との協働によるふれあいの機会の増進」「県、市町村、事業者及び民間団体が連携し自然体験活動の促進に取り組むために必要な体制の整備」等、県が4項目に関する措置について講ずるよう努めることを規定しています。



 こうした協働による自然とのふれあいの推進を条例に規定した背景には、平成13年度に開校した「いしかわ自然学校」の取組があります。「いしかわ自然学校」は、県、市町村、NPO等の民間団体、旅行業や宿泊業等の事業者が連携して、県内各地の多様な自然を「まなび舎」とし、幼児から大人までの対象ごとに、さまざまな主体の特色を生かした多彩な自然体験プログラムを提供しています。
 条例に環境教育を位置付け、地域の多様な主体の参画と協働により良好なパートナーシップを構築し、自然体験を通した環境教育を推進するしくみづくりを行っています。

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