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第9節 

2 国際協力の実施等に当たっての環境配慮

(1)ODA及び輸出信用等における環境配慮
 技術協力等を担当する国際協力機構(JICA)では、現行の環境配慮ガイドラインを改定するため平成14年度より「JICA環境社会配慮ガイドラインに関する改定委員会」を設置し検討を行い、15年9月に同委員会より提言が出されました。同年10月にJICAが独立行政法人化されましたが、JICA中期目標及び中期計画に基づき、JICAは同委員会提言をも踏まえる形で、新ガイドラインを策定しました。
 国際協力銀行(JBIC)においては、円借款事業と輸出信用等で別に作成していた環境ガイドラインを一本化し、より強化するために「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を策定し、平成15年10月より全面的に適用しています。また、「新環境ガイドラインに基づく異議申立て手続きに係るパブリック・コンサルテーション」を開催し、JBICのガイドライン不遵守に係る異議申立て制度の検討を行い、15年5月に「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドラインに基づく異議申立手続要綱」を制定・公表し、15年10月より施行しています。
 輸出信用機関である日本貿易保険(NEXI)では、平成14年4月に改正した「貿易保険における環境社会配慮のためのガイドライン」を、15年10月から全面的に実施するとともに、15年9月には「貿易保険における環境社会配慮のためのガイドライン異議申立手続等について」と題する手続要綱を制定し、同年10月から実施しています。
 また、OECD開発援助委員会(DAC)では、開発援助と環境に関するネットワークにおいて、途上国が開発政策に環境を統合して持続可能な国家戦略を作成する上での支援方策、及び途上国が地球環境関係の諸条約に対応する上での支援方策に関するガイドラインが策定されており、これらの普及に向けた検討が行われています。

(2)民間の海外事業に対する環境配慮
(社)経済団体連合会(現・(社)日本経済団体連合会)が「経団連環境アピール」(平成8年)をまとめ、「経団連環境自主行動計画」(平成9年)を発表したり、海外の日本人商工会議所が、現地の環境の情報をまとめたりするなど経済団体が自主的な取組を行っています。
 環境省においては、平成8年度から在外日系企業の環境配慮活動の取組や経験に関する具体的な事例を国別に調査し提供しています。15年度は中国を対象に現地調査を含めた関連調査を実施しました。

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