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第4節 

2 地方公共団体の国際環境協力

 地方公共団体が行う国際環境協力には、姉妹都市関係などにより直接海外の自治体に対して行うものや、日本が各国から要請を受け、ODA事業として援助をすることを確定した案件について、実施機関である国際協力機構(JICA)が実施するODA事業に参加する形で行うものなどがあります。環境省が平成14年度に行った調査によれば、都道府県の87%、政令指定都市の100%、中核市の21%が国際環境協力を行っています。地方公共団体が行っている153の国際環境協力の事業内容としては、最も多いのが「水環境保全」(30事業)、次いで「人材育成」(27事業)となっています。
 例えば、兵庫県は、モンゴル国の森林火災を契機として、技術者の派遣等により同国の緑化の支援を行っています。同時に、緑化によるCDM事業の実施の可能性について先導的な民間企業や団体とともに取りまとめることを通じて、県内企業等に同国の緑化事業への参加を促す試みを実施しています。
 北九州市は、公害克服の経験を通じて培われた技術・人材などを活用し、市民などとの協力の下、研修員受入れ、専門家派遣をはじめとした国際環境協力に取り組んでいます。特に、国際協力機構との協力のもと行われている中国大連市への環境協力事業は、日本の地方公共団体が他国の一工業都市の環境保全計画の策定に携わった例として、国内外から高い評価を受けています。

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