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第1節 

2 開発途上地域の環境の保全

 地球環境問題は、人類の生存自体にも関わる課題であり、国際社会全体での取組が不可欠であるため、引き続き重点的に環境分野の政府開発援助(環境ODA)を実施していきます。わが国の経済成長と環境保全を同時に達成した経験や技術を活かしつつ、途上国の環境分野における主体的な取組強化と対処能力向上を促し、持続可能な開発を支援していきます。また、ODAの環境配慮に当たっては、戦略的環境アセスメントの考え方に基づいて上位計画段階から代替案の検討を進めることなどにより、開発計画自体が開発と環境保全の両立を図る持続可能な内容となるような支援に努めます。さらに、環境保全に関するODA事業における事前・中間・事後の一貫した評価を適切に行うとともに、環境改善効果を含めた評価のための客観的な手法を開発します。
 また、わが国の官民の技術、資本などを積極的に活用しながら、開発途上国におけるエコビジネスの育成を図るため、セミナーの開催等を行うとともに、国際シンポジウムの開催、青年海外協力隊員の派遣などにより開発途上国の環境教育・環境学習の支援を推進していきます。
 さらに、温暖化対策、酸性雨対策、オゾン層保護対策、砂漠化対策、国際河川流域環境管理、生物多様性保全、化学物質管理など、地球規模及び広域的問題の解決に対して、積極的な貢献を行います。その際、ODAの活用を進めるとともに、二国間協力と多国間協力の連携を強化し、環境モニタリング及びアセスメントの成果を活用しながら、プロジェクト形成機能の強化を図ります。
 このほか、開発途上地域の持続可能な開発を政策、技術、資金面から支援するため、世界銀行、UNDP、UNEPなどの国際機関を通じた協力、さらにはOECD開発援助委員会、各途上国などのドナー会合などでの政策調整、技術協力、資金援助等を通じて連携を進めます。

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