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第2節 調査研究、監視・観測等に係る国際的な連携の確保等

 地球環境保全に関する調査研究については、「地球環境保全調査研究等総合推進計画」を踏まえ、政府一体となって、地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP*)、世界気候研究計画(WCRP*)、地球環境変化の人間社会的側面国際研究計画(IHDP*)等の国際的な研究計画に参加・連携しつつ、地球環境研究総合推進費等により積極的に推進します。

*IGBP
International Geosphere-Biosphere Programme

*WCRP
World Climate Research Programme

*IHDP
International Human Dimensions Programme on Global Environmental Change

 また、衛星データ等を活用したアジア・太平洋地域における統合的モニタリング・評価体制を構築するとともに、その成果を活用した革新的な環境戦略オプションの評価と、各国との共働プロセスを通じた政策立案のための基盤を整備します。
 さらに、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の枠組みを活用し、平成14年3月にマニラ(フィリピン)で開催された第7回政府間会合における決定に基づき、平成11年に神戸市内に開設したAPNセンターを中核として、地域内の研究活動等の支援を積極的に行います。
 また、アジア地域の国家地図作成機関と協力し、引き続きアジア地域の地球地図を整備・提供するとともに、地球地図更新のための技術開発を行います。
 世界気象機構(WMO)における全世界的な気候変動等の観測・監視・予測情報提供体制の強化計画に基づき、「アジア太平洋気候センター」として、アジア太平洋地域の観測・解析機能を強化し、異常気象等の気候変動や地球温暖化等の地球環境問題に対して信頼性の高い気候監視・長期予報等の情報提供を実施します。
 一方、監視・観測については、国連環境計画(UNEP)における地球環境モニタリングシステム(GEMS)等の国際的モニタリング計画に参加・連携して実施します。特に、温室効果ガス、オゾン層破壊物質等については、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画等に基づいて引き続き定常的な観測を実施します。また、人工衛星による地球観測については、地球観測衛星委員会(CEOS)等の活動と整合性を図りつつ、平成14年度に打ち上げ予定の環境観測技術衛星(ADEOS-II)に搭載するオゾン層等観測機器の最終試験及び打ち上げ後の機能確認、温室効果ガスの観測を主目的とする新たな観測機器(SOFIS)の開発等を実施します。
 また、WMO温室効果ガス世界資料センターとして、全世界の温室効果ガスのデータ収集・管理・提供、及び、WMO品質保証科学センターとしてアジア・南西太平洋地域における観測データの品質向上に関する業務を実施するとともに、メタン等の観測方法などについて国際的な統一を図るWMO全球大気監視較正センター(WCC)業務を実施します。
 また、全球気候観測システム(GCOS)等が推進する気候変動の検出、影響監視等のための総合観測システム構築に積極的に参加するほか、世界の地上気候データ(CLIMAT)のリアルタイム収集やその品質などを監視するCLIMATリードセンター(GSNMC)の業務をドイツ気象局と共同で実施します。
 さらに、超長基線電波干渉法(VLBI)や、汎地球測位システム(GPS)による国際共同事業に参画し、グローバルな地殻変動等を観測するほか、これと験潮・絶対重力観測等を組み合わせて地球規模の海面変動の観測等を推進します。

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