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第2節 

5 手続的手法の開発と普及

 環境配慮を徹底するためには、環境配慮が各主体の意思決定の各段階において環境への配慮が盛り込まれることが重要です。このための効果的な手法である手続的手法の一層の開発と普及を進めていきます。

(1)環境マネジメントシステム
 環境マネジメントシステムの導入を幅広い事業者に広げていくため、ISO14001について、引き続き情報提供、研修等の支援を行い、取得の促進に努めます。
 また、中小規模の事業者などが環境マネジメントシステムの導入に向けた取組を始めることを促す手段として、低利融資、研修をはじめとする取得促進のための支援、簡易な手法である環境活動評価プログラム(エコアクション21)の普及を引き続き進めます。

(2)環境適合設計
 製品の設計段階において、製品の製造から廃棄に至るまでを見通して環境負荷の低減を図るとともに、製品の長寿命化なども視野に置いた対応を図ろうとする環境適合設計について、わが国企業のこれまでの経験を活かしながら、ISOにおける検討に参加し、貢献するとともに、その幅広い普及を図っていきます。

(3)戦略的環境アセスメント
 環境基本法第19条にあるとおり、個別の事業の計画、実施に枠組みを与えることとなる計画(上位計画)や政策についても環境の保全に配慮することが必要です。
 上位計画や政策における環境配慮のあり方について、ガイドラインの作成に向けて、現状での課題を整理した上で、内容、手法等の具体的な検討を行うとともに、国や地方公共団体における取組の実例を積み重ねます。
 上位計画や政策に対する環境配慮として、内容や制度に差異はありますが、諸外国で「戦略的環境アセスメント」と呼ばれる仕組みや、わが国の一部地方公共団体において上位計画等における環境配慮の取組が開始されており、これらも参考にして検討を行います。

(4)環境影響評価
 「環境影響評価法」により新たに導入された方法書手続や環境保全措置*についての複数案の比較検討等を通じて、開発行為への環境配慮の統合を一層進めるとともに、同法に対応した技術手法について、調査検討を推進します。また、一般住民、地方公共団体等に対する情報の提供、技術的支援を充実させるとともに、専門家の技術の向上を促すための措置を講じます。

*環境保全措置
環境保全措置とは、事業者が環境影響を回避又は低減するための対策を講じ、回避、低減が困難な場合は、損なわれる環境要素と同種の環境要素を創出するなどの代償措置を検討することをいう。

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