4 湿地の保全
(1)野生生物の生息地等として重要な湿地の保全
湿地保全を求める国内外の気運の高まりを受け、基礎調査のデータや多数の専門家の知見により、平成13年12月に公表した500か所の重要湿地について、保全に係る検討を進めるとともに、重要湿地及びその周辺地域の開発計画等に際して保全上の配慮を促すため、普及啓発を行います。
また、日本のシギ・チドリ類にとって重要な渡来湿地について、平成9年に作成した「シギ・チドリ類渡来湿地目録」の改訂を行うため、重要な渡来地におけるシギ・チドリ類の個体数データの収集解析等を引き続き実施します。
渡り鳥の集団渡来地となっている湿地については、鳥獣保護区の設定を進めるとともに、国際的にも重要な湿地については、ラムサール条約への登録に向けた調整等を行います。また、釧路湿原等をはじめとして、乾燥化傾向のある湿地の冠水頻度を増加させるなど、湿地の保全・再生に取り組みます。
(2)沿岸海域
国立公園の海中公園地区のサンゴ礁景観を保護するため、オニヒトデ及びシロレイシガイダマシ類の駆除事業を引き続き実施します。
また、石西礁湖等の沖縄県石垣島及び西表島の周辺海域を中心に、サンゴ礁生態系のモニタリング調査を継続して実施し、サンゴ礁の保全方策を検討します。
さらに、自然と共生し、海域及び内水面において生態系に配慮した漁場、海岸等の環境の維持・修復及び創造を進めるための基本構想(「マリン・エコトピア21」構想)に基づき、地域を選定し関連対策事業を計画的かつ総合的に実施するための全体計画を策定します。