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第2節 

2 野生動植物の捕獲・譲渡の規制、生息・生育環境の整備等

 種の保存法に基づき、国内希少野生動植物種の指定、個体の捕獲・譲渡等の規制、器官・加工品の譲渡等の規制を引き続き実施していくとともに、国内希少野生動植物種については、生息地等保護区の指定を推進し、生息・生育環境の保護管理を行う。
 また、保護増殖事業については、種の保存法に基づく保護増殖事業計画に従い、ツシマヤマネコ、アホウドリ、タンチョウ、ミヤコタナゴ等の生息環境の改善・整備や繁殖の促進のための事業を推進するとともに、国内希少野生動植物種に指定された種で、事業を行おうとするものについて、順次新たに保護増殖事業計画を策定する。さらに、絶滅のおそれのある野生生物の保護増殖事業等を推進するための拠点施設である野生生物保護センターについては、鹿児島県奄美大島及び山形県八幡町で引き続き整備を進める。
 奥地脊梁山地に広く所在している国有林野は、優れた景観を有し、貴重な野生動植物が生息・生育するなど豊富な森林生態系を維持している森林も多く、地球環境保全や生物多様性の確保の観点からも、その維持・保存はますます重要になってきている。
 このため、国有林野の管理経営を公益的機能の維持増進を旨とするものへ転換することに伴い、自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存等を図る上で重要な役割を果たしている森林については、「森林と人との共生林」に区分し、自然環境の保全を第一とした管理経営を行うとともに、特に原生的な天然林や貴重な動植物の生息・生育地等特別な保全・管理が必要な森林については、保護林として積極的に指定するなどその拡充を図ることとする。
 また、入林者の影響等による植生の荒廃の防止、回復のための措置が必要な箇所については適切に対処するとともに、立入が可能な区域においては、歩道の整備等に努め、学習の場等として多くの国民が利用できるよう努めるものとする。
 さらに、国民の意見を反映した保護林のあり方やその保全・管理についてNGO等の協力を得るなどして幅広く検討する。

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