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第5節 

2 オゾン層の保護

 国際的に協力してオゾン層の保護を図るため、昭和60年(1985年)には「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が、また、昭和62年(1987年)にはオゾン層破壊物質の生産削減等の規制措置を盛り込んだ「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。なお、モントリオール議定書は、当初の予想以上にオゾン層破壊が進行していることが観測されたこと等を背景として、平成2年(1990年)、平成4年(1992年)、平成7年(1995年)、平成9年(1997年)及び平成11年(1999年)の5度にわたって見直され、規制対象物質の追加や、既存規制物質の規制スケジュールの前倒し等、段階的に規制強化が行われてきた。
 我が国では、昭和63年にウィーン条約及びモントリオール議定書を締結するとともに、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(以下「オゾン層保護法」という。)を制定した。その後、モントリオール議定書の改正等に基づき、順次、同法の改正等を行ってきており、近年においては、平成9年のモントリオール議定書の調整を踏まえ、平成10年6月に同法に基づく告示の一部改正を行った。
 また、平成4年のモントリオール議定書第4回締約国会合において、オゾン層破壊物質の回収・再利用・破壊を推進すべきことが決議されたことを受け、環境庁では「フロン回収等システム構築モデル事業」や「フロン破壊モデル事業」を実施すること等により、フロンの回収・再利用・破壊の促進を図っている。
 国内対策にあわせ、国際的に協力してオゾン層保護に取り組む観点から、開発途上国による議定書の早期締結とその的確な実施を支援することを目的に、途上国のオゾン層保護対策担当者に対する研修等を行っている。
 また、オゾン層破壊に関する科学的知見の充実のため、オゾンゾンデ、オゾン分光光度計による観測、人工衛星搭載用のオゾン層観測機器の開発、オゾンレーザーレーダー等を用いた成層圏オゾンのモニタリング、オゾン層、オゾン層破壊物質及び有害紫外線の観測・監視等を実施している。

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