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第4節 

2 消費段階における取組

 今日では、日常生活に起因する環境への負荷が増大しており、経済社会システムにおける物質の循環を図るためには、大量消費・大量廃棄型のライフスタイルを改善していくことが不可欠である。このため、消費段階において、環境への負荷の少ない製品やサービスの選択、過剰包装の辞退、環境への負荷の少ない建築物等の発注等に努めるとともに、その使用に際して、環境への負荷が低減されるような適正な方法で使用するよう努めることが求められよう。
 こうした取組のうち、環境への負荷が少ない製品等の利用については、国、地方公共団体、事業者、国民のすべての主体が積極的に取り組んでいくことが重要である。また、このような環境保全型製品の市場形成を進めることも必要である。再生資源やリサイクル製品等は、初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであるが、これらの製品の市場が育成されることによって、より普及していくという効果が期待される。例えば、前出の「省エネルギー・新エネルギーに関する世論調査」の結果を見てみると、リサイクル製品について、「他の製品に比べて価格が多少高くとも、購入している」と答えた者の割合が15.8%であるのに加え、「他の製品に比べて価格が高くなければ、購入するようにしている」と答えた者の割合も51.2%に上っており(第2-4-1図)、リサイクル製品の潜在的な需要者は多いと考えられる。
 このような環境保全型製品の利用や市場の育成等を促進する取組としては、環境保全型製品を推奨する「エコマーク事業」、環境保全型製品の市場形成を図る「グリーン購入ネットワーク」、政府が物品等を調達する際に、生産・使用・廃棄の各段階において、可能な限り環境に与える負荷の少ない製品の選択を極力図る「グリーン調達」が進められている。
(1) エコマーク事業
 エコマーク事業は、環境にやさしいと認められる商品に「エコマーク」をつけることにより環境保全型製品の普及促進を図るため、環境庁の指導・助言の下、財団法人日本環境協会が平成元年2月から実施している事業であり、平成8年12月現在で69類型2032商品が認定されている。
 エコマーク制度は、従来は一面的な環境への負荷を考慮した基準が設定されていたが、エコマークにより環境保全型製品の推奨を行う際には、ある面で環境への負荷の低減が図られても他の面で環境への負荷が増大してかえって逆効果となるようなことがないよう、製品の原料採取・製造段階から流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体にわたっての環境への負荷を考慮することが必要である。こうした考え方は、国際標準化機構(ISO)において現在検討されている環境ラベルについての規格案においても示されている。
 このため、平成8年3月にエコマーク事業実施要領が改定され、エコマーク認定基準の作成の際に「製品ライフステージ環境負荷項目選定表」を用いた製品のすべてのサイクルにわたる環境への負荷のチェック・評価の方法が盛り込まれ、全類型の認定基準の見直し作業が始められている。


(2) グリーン購入ネットワーク
 環境保全型製品、原材料、サービス等の市場形成を促進するため、グリーン購入(環境への負荷ができるだけ少ない商品やサービスを優先的に購入すること)ネットワークが、平成8年2月に、民間団体、企業、地方公共団体、環境庁、学識経験者等によって設立された。
 グリーン購入ネットワークでは、製品の購入に当たって環境面で配慮すべき事項を、製品カテゴリーごとに購入者・消費者向けのガイドラインとしてまとめることとしており、これまでOA用紙、コピー機・レーザープリンター・レーザーファクシミリについてガイドラインを作成している。今後は、ネットワークを拡大し、更なる市場形成を図ることとしている。
(3) グリーン調達
 政府が行う消費活動は我が国の経済の中で大きな位置を占めており、政府が物品等を調達する際に、生産・使用・廃棄の各段階において可能な限り環境に与える負荷の少ない製品の選択を極力図ることは、環境保全型製品の普及に大きな効果があると考えられる。
 このため、政府においては、平成7年6月に閣議決定された「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画」に基づき、物品等の環境への負荷の少ない仕様、材質等に関する推奨リストを作成することとしており、平成9年3月には推奨リストの在り方と基本原則を決定した。今後は、紙類、文具、機器、家電製品、OA機器、公用車等について、環境への配慮の方針を示した製品分野別のガイドラインを策定し、これに基づき製品の環境配慮情報を示した個別製品リストを策定することとしている。

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