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第4節 

2 鳥獣の保護管理対策の強化

(1) 鳥獣保護区の設定等鳥獣保護事業の推進
 第7次鳥獣保護事業計画に基づき都道府県設鳥獣保護区等の設定(第7-4-1表)、有害鳥獣の駆除、傷病鳥獣保護等各種の鳥獣保護事業を推進した。


(2) 渡り鳥保護対策の推進
 国設鳥獣保護区であり、ラムサール条約の登録湿地にも指定されている石川県の片野鴨池において、マガンをはじめとした水鳥類の生息環境を保全するため、水路の整備、植栽等による環境整備事業を実施した。
 北海道の厚岸湖及びクッチャロ湖においては、水鳥・湿地の保全及び普及啓発のために、水鳥・湿地センターを整備した。
 また、平成6年11月には日豪渡り鳥等保護条約に基づく協力事業として、東アジアからオーストラリアにかけての渡りのルート沿いの国17ヶ国、関係国際機関及び国内NGO等の関係者92名が北海道釧路市に集まり、環境庁等を主催者とする渡り鳥と湿地の保全のためのワークショップが開催された。会議の成果として、渡りのルート沿いの保護区のネットワークの構築、水鳥保護の行動計画の作成などを含む声明が発表された。
 その他、渡りや移動の経路等渡り鳥の生態を把握するため、全国60箇所の鳥類観測ステーション(1級10カ所、2級50カ所)を中心に、標識調査を実施した。また、ガン・カモ類及びシギ・チドリ類の渡来状況の基礎データを把握するため、ガン・カモ科鳥類の生息調査及び定点調査を実施した。
(3) 鳥獣保護及び被害防止対策
 野生鳥獣の保護と人間生活の共存を図る指針づくりを目的に「特定地域野生鳥獣保護管理マニュアル策定事業」を平成4年度から実施し、6年度にはイノシシを対象種とした。また、ニホンザル及びツキノワグマについて、農林業被害防止などを目的とした個体群管理手法及び防止技術の確立のための研究等を実施した。さらに、水鳥類渡来地集中化について害性対策調査を実施した。
 なお、カモシカについては林業等への被害を防止するため、環境庁、文化庁及び林野庁の三庁での合意に基づき、保護と被害防止のための措置を講じているが、その一環として被害の著しい岐阜、長野、愛知、山形の各県において個体数の調整を実施した。

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