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第6節 

3 持続可能な未来に向けて

 今日環境問題は地球的規模に広がっており、しかも大量生産・大量消費・大量廃棄型の我々の経済社会システムや生活様式はいまだ続いている。加えて開発途上地域の環境の保全の問題や人口の加速度的増大という状況をみると、このままでは来世紀中には人類の生存基盤である地球環境が損なわれるおそれがある。このような事態を避けるために、我々は必要な対策を総合的かつ計画的に講じることによって早期に高い環境保全効果を獲得し、持続的発展が可能な社会を構築する必要がある。
 環境基本計画は、上に見てきたように環境を保全する持続的発展が可能な社会の構築を目指したより効果の高い環境保全対策を推進するための施策の大綱、各主体の役割、政策手段のあり方等を定めたものという性格を持っている。同計画に示された幅広い分野にわたる取組の方向に沿って、関係するあらゆる主体と協力するとともに、政府一体となって、環境保全の効果を高めるよう対策を進めなければならない。これによって、人類の生存基盤である地球環境が損なわれるおそれが現実のものとなる前に、持続的発展が可能な社会を構築していかなければならない。
 それによって、我々の生活を、人類共有の生存基盤である有限な地球環境を省みない物質的豊かさのみを追求する生活から、地球環境の大きな恵みに支えられて、真の豊かさを高める生活に変えていくことができるであろう。

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