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第3節 

2 地域における環境教育の新たな展開

 都市・生活型公害、地球環境問題への対応や快適でうるおいのある生活環境や身近な自然とのふれあいを求める国民のニーズへの対応といった現下の広範な課題に対する取組が実効を上げるためには、国民一人ひとりの自覚と行動が重要な鍵となっている。このため、全国各地における地域の環境保全に関する知識の普及・啓発事業など地域環境保全活動を継続的かつ着実に推進するため、平成元年度補正予算により58都道府県・政令指定都市に「地域環境保全基金」が設置され、その運用益により平成2年度から、地域における環境保全のための多様な事業が展開されている。
ア. 環境保全に関する知識の普及・啓発
 地域における環境教育等を推進するため、学校教育用副読本の作成(20団体)、環境教育モデル校の指定(11団体、123校)、シンポジウム等(27団体計36回)等が行われている。
イ. 環境保全実践活動への支援
 住民団体等による地域の環境保全実践活動への支援を29団体が行っている。例えば、平成4年度には、東京都では、民間団体が行う酸性雨の測定や自然観察会の開催などの61件の環境保全活動に対し、また、横浜市では、26件の環境保全活動に対しそれぞれ助成が行われた。
ウ. 環境保全活動のための基盤整備
 地域住民の環境保全活動の拠点となるセンター、情報コーナー、ライブラリーの整備等を23団体が行っており、例えば、宮崎県環境情報センターは、年間1万7千人に利用されている。また、人材バンクを7団体が整備しており、例えば、富山県ではリサイクル運動団体や環境美化運動団体500団体が登録されている。
エ. アドバイザーの委嘱等
 地域の環境保全活動の推進役としてアドバイザー等を10団体が委嘱している。また、地域団体等の代表に対するリーダー研修会を、15団体が行っている。
オ. 地域環境保全活動等に関する基本方針等の策定
 地域環境保全活動や環境教育等の推進に関する中長期的な基本方針や事業計画等を策定・検討している団体が37団体となっている。例えば、大阪市では、環境教育基本方針を平成3年に策定し、平成4年には環境教育のための拠点施設基本構想を策定している。

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