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第1節 

4 廃棄物

 日常の消費生活に伴う環境への負荷としては、廃棄物もまた重要である。家庭から発生するごみは市町村により収集され、処理されるが、この過程で焼却による二酸化炭素、窒素酸化物等の発生、埋め立てによる自然の損失、最終処分場からの排水など様々な環境負荷が発生することになる。
 一人一日当たりのごみの排出量は1120g(平成2年度)であり、近年、増加を続けている。そのうちリサイクルに回されるのは37gにすぎず、残りは、焼却等の中間処理を経た後に、埋め立て処分や焼却時の排煙といった形で、結局は自然環境の中に出されている。最終処分として埋め立てに回される量は一人一日当たり373gにのぼっており、ごみとして出された量の約33%は埋め立てられていることになる。
 以上の値は、オフィスなどから出される事業系のごみも含んだものであるが、家庭からのごみに絞って排出状況を見るために、東京都を例に取り上げてみよう。東京都では、家庭から、一人一日当たり515gのごみが排出されている。この組成を見ると、台所からの生ごみである厨芥が最大で半分近くを占め、次いで紙類が4分のl弱となっており、この2種類で全体の7割を占めている(第2-1-11図)。ただし、環境への負荷という観点からは、ガラス、陶磁器等の不燃物やプラスチック等の燃焼不適物は、そのまま埋め立てられるものが多いため、組成比率は小さくとも大きな比重を占めている。

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