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第1節 

5 野生生物の保護

 現在、人間活動による生息地の破壊や乱獲のため、地球の歴史が始まって以来のスピードで、野生生物の種の減少が進んでおり、西暦2000年までに、毎年約4万種もの種が絶滅しつつあるといわれている。
 野生生物は、地球の生態系を形づくる基本的な構成要素であり、人類にとって有用な資源として、また、生活に潤いや安らぎをもたらす存在として、不可欠なものである。種の絶滅の防止は世界的にも緊急の課題となっている。
 現在、環境庁による国際的な野生生物保護への取組としては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)等の多国間条約及び渡り鳥の保護等を目的とした二国間条約を通じた保護への取組、地球サミットでの署名を目指した生物多様性条約(仮称)の交渉会議への参加等があげられる。さらに開発途上国における野生生物保護を援助するための協力事業等があり、この他にも日中間のトキ保護協力事業やJICAによる野生生物保護プロジェクトが実施されている。

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