3 酸性雨対策
酸性雨は、北米やヨーロッパにおいて、湖沼や森林等の生態系に深刻な影響を与え、国境を越えた国際的な問題となっている。
一方、我が国においては、環境庁が酸性雨の現状を把握するための第1次酸性雨対策調査(昭和58〜62年)を実施し、その結果、全国的に年平均値でpH4台の酸性雨が降っていること等が明らかになった。また、生態系に対する影響については、現時点では顕在化していないものの、このような酸性雨が今後も降り続けるとすれば、生態系への影響が発現する可能性があることが懸念されている。
このため、環境庁では63年度から引き続き、大気、陸水や土壌の各モニタリング及び総合パイロットモニタリングのほか、酸性雨発生予測手法の開発並びに陸水・土壌影響予測調査等を内容とする第2次酸性雨対策調査を実施しているところである。
また、我が国のバックグランドにおける長期的なモニタリングを実施する目的で平成2年度には新潟県佐渡、北海道利尻の各離島に酸性雨測定所を設置している。
さらに、通商産業省、気象庁等においても所要の調査研究を進めている。