3 指定化学物質等環境残留性検討調査の概要
昭和48年に制定された「化学物質審査規制法」は、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンによる地下水汚染問題等を契機に、61年に改正され、新たに「第2種特定化学物質」及び「指定化学物質」の規定が設けられ、製造・輸入予定数量や実績の届出など事前・事後管理制度が設けられた。
このうち、指定化学物質については、環境中の残留状況によって有害性の調査の指示がなされ、その結果により有害性が認められれば、第2種特定化学物質に指定される。また、第2種特定化学物質は製造・輸入予定数量の事前届出のほか、必要に応じ製造・輸入量の制限等が行われる。
このため、環境庁では指定化学物質等について、一般環境中の残留状況を把握することを目的として、「指定化学物質等環境残留性検討調査」を63年度から開始した。
平成元年度は、指定化学物質等12物質について、水質、底質は、26地区、大気は13地区で調査を実施した。(第1-6-6表)
その結果、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,4-ジオキサン、トリブチルスズ化合物及びトリフェニルスズ化合物の計9物質は環境中に広範囲に残留していると認められた。従って、これら9物質については引き続き監視していく必要がある。