6 地盤沈下
公害としての地盤沈下は、主として地下水の過剰採取を原因として生じるものであり、これにより多くの地域で建造物、治水施設、港湾施設、農地及び農業用施設等に被害が生じている。
地盤沈下面積の推移をみると、年間2cm以上沈下した地域の面積は昭和55〜59年度の5か年の平均が636km
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だったのに対し、昭和60〜平成元年度の5か年の平均が459km
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であり、全体として鎮静化傾向にある。なかでも、平成元年度は年間2cm以上の地盤沈下地域の面積が285km
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(昭和63年度617km
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)、そのうち年間4cm以上の地盤沈下地域は7km
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(同63km
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)となっており、特に大きな減少を示した。
地域別にみると、関東平野北部地域や筑後・佐賀平野で依然として著しい地盤沈下が認められている。かつて著しい地盤沈下を示した東京都区部や大阪市等では、地下水の採取規制等の対策の結果、現在のところ、地盤沈下の進行は鈍化あるいはほとんど停止している。