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第1節 

6 砂漠化

 砂漠化は、土地の持つ生物生産力の減退ないし破壊により、終局的には砂漠のような状態をもたらす現象である。
 砂漠化は、世界的に大きな問題となっており、特に1968年のサハラ南縁のサヘル地帯の干ばつによってクローズアップされた。1977年に第1回の国連砂漠化防止会議が開催され、1984年の第2回会議では、年間600万ha(九州と四国の合計の面積に相当)の土地が砂漠化ないし砂漠のように荒廃し続けているなどの状況が報告された(第1-1-11図)。
 砂漠化は自然的要因と人為的要因が複雑に絡み合って進行している。家畜の数の増加が植物の再生産能力を超えていたり、薪炭材の過剰な採取により、裸地化し、砂漠化が進行する。
 世界の砂漠化の進行・深刻化の現状には未だ不明な点も多く、UNEPでは、1992年に向けて、評価手法をまとめ、砂漠化の進行状況をとりまとめるべく作業を行っている。

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