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第2節 

2 水質汚濁事犯の取締り

 警察では、昭和63年中、河川等の公共用水域等を汚染する水質汚濁事犯を「水質汚濁防止法」、「下水道法」、「廃棄物処理法」等を適用して150件検挙した。
 このうち、工場等が「水質汚濁防止法」、「下水道法」、「鉱山保安法」及び「公害防止条例」に定められた排水(排除)基準に違反して汚水を排出(排除)した排水(排除)基準違反は、72件である。
 排水(排除)基準違反の内容をみると、必要な汚水処理施設を設置していないもの、増産により排水量が増加したにもかかわらず処理能力の小さい既存の汚水処理施設を使用して処理の不十分なまま汚水を排出していたもの、取締り等から逃れるため隠し排水口を設けて汚水を未処理のまま排出していたもの、夜間や早朝に人目を避けて未処理の汚水を排出していたもの、再三の行政指導を無視して違反行為を継続していたものなど、悪質かつ巧妙な事犯が目立ち、また、そのほとんどが故意によるものであった。
 事例 養豚業者らは、行政当局の再三にわたる指導や自然保護団体等の苦情を無視し、ラムサール条約に基づき環境庁告示で水鳥の生息地として指定された湿地である「伊豆沼」に隠し排水口を設け、基準値を大幅に超える汚水を未処理のまま排出していた。「水質汚濁防止法」違反で2名を検挙した(宮城)。

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