4 イタイイタイ病
(1) 沿革
富山県神通川流域におけるイタイイタイ病は、昭和30年10月に原因不明の奇病として学会に報告され、43年5月に厚生省は、イタイイタイ病はカドミウムの慢性中毒により腎臓障害を生じ、次いで骨軟化症を来し、これに妊娠、授乳、内分泌の変調、老化及び栄養としてのカルシウム等の不足等が誘因となって生じたもので、その原因としては三井金属株式会社神岡鉱業所の排水以外には見当たらないとする見解を発表した。44年12月、救済法の施行とともに、神通川流域は指定地域として指定され、49年9月に救済法を引き継いだ補償法により第二種地域に指定された。
(2) 現状
昭和63年12月末現在の被認定者数は17人(救済法又は補償法により認定された者の総数124人)となっている。また、富山県は指定地域における要観察者18人(63年12月末現在)について管理検診を行って経過を観察している。
また、補償法に係る処分につき公害健康被害補償不服審査会に対し審査請求を行っている者は、昭和63年12月末現在7件である。