5 慢性砒素中毒症
(1) 沿革
宮崎県土呂久地区における慢性砒素中毒症は、昭和47年7月に宮崎県の調査に基づき慢性砒素中毒症患者と思われる者が認められた旨の報告がなされ、48年2月に救済法による地域指定がなされた。
島根県笹ヶ谷地区における慢性砒素中毒症は、昭和48年8月に島根県の調査に基づき慢性砒素中毒症患者と思われる者が認められた旨の報告がなされ、49年7月に救済法による地域指定がなされた。
その後、両地区とも49年9月に救済法を引き継いだ補償法により第二種地域に指定された。
(2) 現状
昭和63年12月末現在の被認定者数は、土呂久地区で87人(救済法又は補償法により認定された者の総数139人)、笹ヶ谷地区で7人(救済法又は補償法により認定された者の総数21人)である。
また、補償法に係る処分につき公害健康被害補償不服審査会に対し審査請求を行った者は、昭和63年12月末現在67件あり、これまで取消し5件、棄却38件の裁決を行ったほか、取下げが12件あった。