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第4節 

4 「人と環境の共生する都市−−エコポリス」の形成を目指して

 本章の冒頭にも述べたように、国民の大半にとって「ふるさと」とは、とりもなおさず都市あるいは都市的環境を指すこととなる日が来るのも間近い。その際、誰しもが誇りをもって「わがふるさと」と呼べるような、健全で個性と魅力ある快適な環境を築くため、生産年齢人口も比較的多く、我が国経済・社会に活力のある現在のうちから、生態系循環型の都市システムの形成に向けて最大限の努力と社会資本の投資を行っていく必要がある。
 また、都市であれ農山村であれ、豊かな自然の保全と活用なくしては「ふるさと創生」もあり得ない。地域の環境資源を活用しながら、安全、健康で快適な生活環境を築いてこそはじめて、人口や産業を地域に引き付け、地域を活性化させることができる。
 都市規模の大小を問わず、全国各地における「ふるさと創生」の推進という見地からは、上に述べてきたような都市の生態系循環再生のための諸施策を総合的に実施していくことが重要である。生態系循環型の都市システムを有し、豊かな自然が保たれ、市民も企業も環境保全と快適な環境の創造に努力するまち、それこそがふるさとと呼ばれるにふさわしい「人と環境の共生する都市−−エコポリス」の姿であろう。

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