災害に備える

阿蘇では、マグマが火口底近くまで上昇して数年間活動を継続するような噴火が、10~20年に1回程度 発生しています。
また、活断層を起因とする地震も多発し、さらには阿蘇ならではの地形や高冷多雨型の気象条件から、豪雨による土砂災害や水害も多く発生するという特徴があります。

イラスト:阿蘇の地形と地質の模式図

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阿蘇では豪雨によって、外輪山や中央火口丘の火山灰が堆積してできた地層が急激にもろくなって崩落することがよくあります。さらに崩落した土砂が南郷谷の白川や阿蘇谷の黒川に流れ込み、洪水被害を起こすこともあります。また、規模の大きな地震が発生したときも、表層の火山灰層が崩れて土砂災害が起こります。
阿蘇の景観を形成する「地形」や「地層」が、災害の大きな要因となっているとともに、災害を繰り返してきた結果として現在の景観があるとも言えます。

あなたの住む地域にはどんな特徴がありますか?
地形や地質を知り、そこにひそむ災害の危険性を知っておきましょう。

阿蘇を安全に楽しむために

いきなり噴火する危険はないの?

活火山は気象庁が常に活動状況を監視しています。火山活動が活発になると「噴火警戒レベル」を上昇させ、レベルに応じて「阿蘇火山防災会議協議会」が警戒範囲を立入り禁止にしたり、防災対応を実施したりします。
★現在の「噴火警報レベル」は気象庁のホームページで確認できます。

阿蘇山の噴火警戒レベル

種別 名称 対象範囲 レベル(キーワード) 火山活動の状況 住民等の行動および
登山者・入山者等への対応
想定される現象等
特別警報 噴火警報
(居住地域)
または
噴火警報
居住地域
および
それより
火口側
5(避難) 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、
あるいは切迫している状態にある。
危険な居住地域からの避難等が必要。 ●溶岩流が居住地域に到達、あるいは切迫している。
4(避難準備) 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される
(可能性が高まっている)。
警戒が必要な居住地域での避難の準備、
要配慮者の避難等が必要。
●溶岩流が発生し、さらに噴火が拡大した場合には居住地域まで到達すると予想される。
警報 噴火警報
(火口周辺)
または
火口周辺警報
火口から
居住地域
近くまで
3(入山規制) 居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)
噴火が発生、あるいは発生すると予想される。
住民は通常の生活。
状況に応じて要配慮者の避難準備等。
登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。
●火砕流が発生し火口から概ね4km以内に到達、あるいは噴火活動の高まり等により到達が予想される。
●火口から概ね2km以内に噴石飛散、あるいは噴火活動中の火孔閉塞等により噴石飛散が予想される。
2(火口周辺規制) 火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)
噴火が発生、あるいは発生すると予想される。
住民は通常の生活。
火口周辺への立入規制等。
●小噴火が発生し火口から概ね1km以内に噴石飛散。
●小噴火の発生が予想される。
予報 噴火予報 火口内等 1(活火山であることに留意) 火山活動は静穏。
火山活動の状態によって、火口内での火山灰の噴出等が見られる
(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)。
状況に応じて火口内への立入規制等。 ●火山活動は静穏、状況により火口内にとどまる程度の土砂噴出等の発生の可能性あり。
注1)ここでいう噴石とは、主として風の影響を受けずに飛散する大きさのものとする。
注2)レベル1~3は中岳第一から第七火口及び砂千里ヶ浜で発生する噴火を想定している。
注3)噴火警戒レベルは、火山ガスに関する規制とは異なる。

火山ガスに注意しよう

火山ガスは“腐った卵のにおい”がします。このにおいは「二酸化硫黄」と「硫化水素」で、特に阿蘇(中岳)の場合は二酸化硫黄が多く発生しています。火口周辺はガス濃度が濃くなると大変危険なため、立ち入り規制が敷かれます。
★モニターでは火山ガス自動測定装置による現在の火山ガスの状況を表示しています。

写真:火山ガスのモニタリング

雷に気をつけよう

阿蘇では濃霧の中では雷が横に走る雲放電が起こりやすく、落雷の危険が高まります。そのため悪天候のときには、中岳火口周辺への立ち入り禁止などの濃霧規制が敷かれます。移動中に濃霧に包まれたときは、車やバスの中、コンクリートの建物などに速やかに避難してください。

写真:山上で発生する雷のイメージ

画像:九州地方環境事務所ロゴマーク

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