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国際的な森林保全対策

環境省の取組

国際的な議論への参画

「第48回国際熱帯木材理事会」の結果について

「第47回国際熱帯木材理事会」の結果について

国際熱帯木材理事会は、横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO:International Tropical Timber Organization)の最高の意思決定機関です。年1回開催され、ITTO加盟国の間で、ITTOの活動目的である世界の熱帯木材貿易や熱帯林の持続可能な経営の促進に関する事項のほか、ITTOの運営や予算に関する事項についても議論を行うものです。第47回国際熱帯木材理事会の概要は、以下のとおりです。

日程・場所

日程:平成23年11月14日(月曜日)~11月19日(土曜日)

場所:アンティグア(グアテマラ)

出席者

  1. 加盟国:グアテマラ及びガボンの林業担当大臣、36の加盟国及びECの政府担当者等。
  2. 我が国:外務省、林野庁及び環境省の担当者。
  3. オブザーバー:非加盟国の政府担当者、国連森林フォーラム(UNFF)、国連食糧農業機関(FAO)、生物多様性条約(CBD)等の国際機関のほか、NGO、民間団体の関係者等。

結果概要

  1. 2006年の国際熱帯木材協定(新協定)の発効

    新協定は「熱帯木材産品の輸出を持続可能であるように経営されている供給源からのものとする」という94年協定の枠組みを踏襲しつつ、目的に「持続可能性」に加え違法伐採の存在を認めて「合法性」の追求を加えるなどしているもの。この新協定について、2011年11月時点の締結国数は61か国となり、2010年12月時点の53カ国からは増加したものの、新協定が自動的に発効する条件を満たすためには、新協定を批准した熱帯木材生産国がわずかに不足していることが報告され、2012年度中の発効を期待することとなった。

    ①生産国数が12以上かつ総票数の60%以上、②消費国数が10以上かつ総票数の60%以上の双方を満たすことが必要

  2. 国連気候変動枠組条約(UNFCCC*1)における森林に関する議論の報告

    森林と気候変動の緩和・適応に関するUNFCCCにおける議論の進捗や、途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+*2)についてのITTOの活動と役割に関する報告が行われた。特に、REDD+に関係した経験を持つ加盟国の参加により、将来のREDD+メカニズムの実施に向けた機会、方法及び課題を特定するためのよりよい情報交換の場をITTOが提供している点について強調された。

  3. 熱帯林保全のためのITTOと生物多様性条約(CBD*3)の共同イニシアティブ

    2010年にITTOとCBDが締結した両者の連携に関する覚書に基づき、現在実施されている生物多様性保全のためのプロジェクト等について、CBD事務局から説明が行われた。我が国は、「アマゾンの被管理森林における生態系保全に対応した森林管理と生物多様性保全に関するアマゾン協力条約機関加盟国の能力形成」プロジェクトに対して拠出を行い(132万ドル)、熱帯林の生物多様性保全の活動に積極的に協力していく旨表明した。

  4. 国際機関、地域機関及びフォーラムにおけるITTOの役割

    ITTOと国際協力機構(JICA*4)の協力に関する覚書に基づいて行われた熱帯木材生産国での共同プロジェクトや、UNFCCC等の国際会議で共同開催されたサイドイベント等の活動について、JICAグアテマラ事務所から説明が行われた。我が国は、ITTOとJICAの両機関における効率的・効果的な連携活動により、更なる熱帯林の持続可能な経営が推進されることを期待するとともに、我が国としても支援していく旨表明した。

  5. プロジェクト等への拠出

    各国から、24件の個別プロジェクトや活動等に対して、総額1,151万ドルの拠出が表明された。我が国は全体額の67%に相当する総額768万ドルの拠出を表明した。

    また、2011年の加盟国、民間セクター及び国際機関等の全ドナーから表明のあった任意拠出金の合計は1,243万ドルとなったことが報告された。

  6. 第48回及び第49回理事会の開催日時及び場所

    第48回理事会は2012年11月5日から10日に横浜市にて、第49回理事会は2013年11月25日から30日にリーブルビル(ガボン)にて開催することが決定された。

*1 UNFCCC: United Nations Framework Convention on Climate Change
*2 REDD+:Reducing emissions from deforestation and forest degradation in developing countries plus
*3 CBD: Convention on Biological Diversity
*4 JICA: Japan International Cooperation Agency