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国際的な森林保全対策

世界の森林を守るために

森林減少・劣化の原因

森林の減少・劣化の原因は様々です。その主な原因としては、プランテーション用地を含む農地等への土地利用転換、持続可能な森林経営を阻害する違法伐採、自然の回復力に配慮しない非伝統的な焼畑農業、燃料用木材の過剰な摂取、森林火災などがあげられます。

土地利用の転換

世界の人口とそれに伴う食料やエネルギー需要の増加を受けて、森林が農地など他の用途に転換されています。例えば東南アジアでは、アブラヤシのプランテーションへ、アマゾンではサトウキビ農園や牧場などへの転換が行われています。

土地利用の転換

アブラヤシプランテーションの開発で進む森林減少。右方が森林から転換されたプランテーション用地(インドネシア) 写真提供:Paul Hilton/RAN

違法伐採

一般的に違法伐採とは、それぞれの国の法令に反して行われる伐採を指すものと理解されています。例えば以下のように、森林から私たち消費者の手に届くまでの過程で法令に違反する行為があれば、その木材は「違法伐採」とされます。

世界に流通する違法伐採木材・木材製品の規模については、正確な数字の把握は困難ですが、国際森林研究機関連合(IUFRO)によると丸太と製材に係る違法伐採木材の貿易額は世界で63億ドルとされています。

違法伐採が引き起こす問題は、木材生産地の環境や森林に依存する周辺住民の暮らしや文化を破壊しうるだけではありません。コストをかけずに生産された違法伐採木材が、不当に安い価格で国際市場に流通することで、持続可能な森林経営を阻害することが指摘されています。

違法伐採による木材や木材製品の場合、次のようなコストが最終的な価格に付加されないため、正当なコストを支払った場合に比べて安く流通され、結果として市場価格全体を下げるという結果につながる可能性があります。