本文へ

自然再生推進法 Q&A


IV 自然再生協議会の組織化や運営について

自然再生協議会の組織化および運営に際して注意すべきことについては、自然再生基本方針2(1)および(2)に記述されています。
問IV-1
自然再生協議会の参加者は、誰がどのような基準で選定するのですか。人選は実施者の裁量に任せられているのですか。実施者に都合の良い者だけが選ばれるおそれはありませんか。[第8条関係]
答IV-1
この法律では、実施者が自然再生協議会のメンバーを選ぶのではなく、実施者の呼びかけに応じて集まった自然再生事業又はこれに関する活動に参加しようとする者及び関係行政機関、関係地方公共団体が協議会の立ち上げについて協議するという新しい形を示しています。
また、自然再生協議会の立ち上げにあたって、参加の機会の公平性を確保することは、国会の審議でも強く求められた事項であり、実施者が自然再生協議会への参加資格を限定したりしないよう、自然再生基本方針では、2(1)アに「実施者は、その実施しようとする自然再生事業の目的や内容等を明示して協議会を組織する旨を広く公表し、NPO等地域において自然再生事業に関する活動に参加しようとする者に、幅広くかつ公平な参加の機会を確保すること。」と規定されています。
問IV-2
自然再生協議会の組織化にあたって、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者、土地の所有者等は、例示であって必ずしもすべてがそろわなくてもよいと理解してよいのでしょうか。
答IV-2
そのとおりです。これらは「当該実施者が実施しようとする自然再生事業またはこれに関連する自然再生に関する活動に参加しようとする者」の例示であり、この例示以外の者であっても、自然再生事業又はこれに関する活動に参加しようとする者は、自然再生協議会のメンバーになり得ます。一方、例示されている地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者及び土地の所有者であっても、自然再生事業又はこれに関する活動に参加しようとするのでなければ、自然再生協議会のメンバーにはなりません。
なお、自然再生基本方針2(1)イにおいて、次のような記述があります。
「自然再生は、地域の多様な主体が連携し実施されるものであり、協議会にはできるだけ、自然再生に参加する地域の多様な主体が参加するよう努めること。
この場合、協議会において、科学的な知見に基づいた協議等が行われることが重要であることを踏まえ、地域の自然環境に関し専門的知識を有する者の協議会への参加を確保することが特に重要であること。
また、自然再生事業を円滑に推進する観点から、土地の所有者等の関係者についても自然再生の趣旨を理解し自然再生に参加する者としての協議会への参加を得ることが重要であること。」
※「自然環境に関する専門的知識を有する者」について
自然環境に関する専門的知識を有する者は、特定の動植物など地域の自然に詳しい方であれば、大学等の研究者でなければいけないということはありません。
[自然環境に関する専門的知識を有する者の自主的な参加が望めない時は?]
自然再生基本方針2(1)イでは、「協議会において科学的な知見に基づいた協議等が行われることが重要であることを踏まえ、地域の自然環境に関し専門的知識を有する者の協議会への参加を確保することが特に重要である」とされています。
しかし、現実には、地域に専門家が存在しなかったり、存在していても多忙で自主的な参加が望めないケースも想定されます。このような場合は、科学的な知見に基づいた協議等を確保するため、必要な時に協議会に出席を求めることや、その地域の自然を含む幅広い専門的知識を有する学識経験者等に対し、適宜ヒアリングを行うことなども一つの方法と考えます。
問IV-3
自然再生協議会には、関係地方公共団体及び関係行政機関はすべてが参加しなければいけないのでしょうか
答IV-3
自然再生推進法上の要件として、自然再生協議会には、関係行政機関及び関係地方公共団体が参加することが必須となっています。
自然再生推進法による自然再生協議会では、自然再生協議会のメンバーが、自然再生に関する合意形成を図り、円滑に自然再生が進むことを期待しています。
このような自然再生推進法の趣旨を考えますと「関係行政機関」の「関係」の定義には、単に所掌事務が自然再生に関連するか否かとは別に、自然再生を行う当該地域に関係する行政機関の意味があり、河川区域であれば、河川管理者が、海岸区域であれば、海岸管理者たる行政機関が参加することが必要です。
このような趣旨から、現地において、当該自然再生に関係する行政機関が集まり、自然再生の目標などを共有した上で、参加するしないを決定することが必要です。しかしながら、関係の度合いの強い関係行政機関については、法律の趣旨、円滑な自然再生の実施の観点からは参加は必須と考えられます。
関係地方公共団体としては、自然再生の対象区域を管轄する都道府県又は区市町村が該当します。この両者のいずれか一つの参加でも法律上の要件を満たすことにはなりますが、自然再生事業を円滑に推進する観点から、両者とも関係地方公共団体として参加することが望ましいと言えます。
問IV-4
自然再生協議会への参加を関係行政機関に呼びかける場合、どこに連絡すれば良いのでしょうか。その際準備すべき資料は何があるでしょうか。
答IV-4
具体的に想定している自然再生事業の内容の分かる資料を用意して、お近くの環境省、農林水産省、国土交通省の出先機関等の相談窓口までご連絡ください。
(※環境省、農林水産省、国土交通省の出先機関等の相談窓口一覧を参照
問IV-5
関係行政機関は自然再生協議会に参加して何を行うのですか。
答IV-5
関係行政機関は、自然再生協議会において、自然再生が進むよう、当事者として積極的に関与するほか、技術的な助言を行ったりします。
問IV-6
実施者の想定している自然再生事業の対象地域に本拠地を持たないNPO等であっても、当該自然再生事業に参加する意志があれば、自然再生協議会への参加は可能なのでしょうか。
答IV-6
自然再生事業の対象地域に本拠地を持たないNPOや居住していない個人であっても、当該自然再生事業やこれに関連して行われる活動に参加するのであれば、自然再生協議会への参加は可能です。
ページトップに戻る