環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

海氷域に入りました

2012年12月14日(金)

 前回の日記は、しらせの航路の話でしたが、現在しらせは西方から南方に向きを変え進行中で、海氷域に入りました。

写真写真拡大

 早速写真を撮ってきましたが、なかなかの壮観です。

 海氷のサイズは大小様々で、見渡す限り一面に漂っています。写真では分かりませんが、ところどころに黄色い部分がある氷も。これはアイスアルジー(海氷の下で繁殖する藻類)なのだそうです。アイスアルジーは、海氷の中にある窒素やリンを栄養にして春から夏に成長し、オキアミをはじめとした南極の海洋生物を支えていると言われています。

 現在はときどき船が氷を砕きながら航行する音が聞こえる程度ですが、これからだんだんと海氷の面積が広がって、最終的には全部氷で覆われた海となるのかと思います。昭和基地に到着し陸地を歩けるようになるのは、その後です。

 こんな海氷域にも動物は現れました。2枚目の写真は南極で是非とも見ておきたいと思ったユキドリです。撮影に出た他の隊員達によるとペンギンも何種類か見られたようです。

ユキドリ写真拡大

 最近は天気も曇りがちで、遠くに多少の氷山と数種類、数羽の鳥が見られる程度の日が続いていましたが、久しぶりに違った風景を見ると気分転換にもなります。ただ、当然ながら寒いです。雪も降っているし、甲板上は滑ります。寒冷地勤務で身についた雪上の歩き方が役に立ちます。

 これから海氷の目視観測調査も行われますので、そのお手伝いをしてきたいと思います。

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