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初氷山視認!

2007年12月9日(日)

 長かった暴風圏もなんとか乗り超えることができたようで、ついに南緯60°手前までやってきました。今は動揺も大分収まり、「しらせ」艦内を普通に歩いたり、落下の心配をせずに机上に物を置けるようになってきました。また、「しらせ」に並走する鳥たちも次第に南極特有のものとなり、ゴールが近づいてきたことを実感しています。

初氷山

 さて、表題にありますとおり、今朝7時40分頃、南緯59度・東経108度あたりで、ついに「しらせ」から初氷山が視認されました!氷山とは、その名のとおり「氷の山」で、大きな氷の固まりから切り離された氷の破片が、ゆっくり動き出したものです。私も実物を見るのは初めてですが、今日見た氷山は、高さ74m・幅269mという巨大なものでした。最初は、水平線上にポツンとしか見えなかったのですが、近づくにつれてその大きさがよく分かりました。あいにくの曇り空ではありましたが、ダイナミックな自然を近くで感じることができ、私はもちろん、観測隊員や自衛隊員も一様に感動していたようです。いよいよ南極が近いことを実感した一日でした。なお、天気がいい時には、このあたりでもオーロラが見られることもあるようです。今年は天気に恵まれず、今日までの航海ではオーロラを観測していないのですが、明日以降天気の回復を期待したいと思います。

 さて、明日は南緯60度付近を一路西へ向かいます。前線を伴った低気圧が接近しているようですが、あまり動揺せずに航海できることを願っています。