1.検討会の目的
- 国立・国定公園を含む自然公園制度は、旧国立公園法の制定以来75年が経過し、我が国の優れた自然の風景地の保護・保全と利用の推進に一定の役割を果たしてきた。
- しかし、その間に自然の質に関する価値観や社会情勢等が大きく変化したことを受け、現代のニーズに合致するような制度の見直しが求められている。
- そのため、自然公園が抱える課題を、「指定」及び「管理運営」の2つに大別して検討を行い、それぞれについて方向性を取りまとめる。
2.検討内容
「国立・国定公園の今日的な役割を踏まえ、指定区域はどうあるべきか」及び「国立公園の管理運営はどうあるべきか」等について検討を行う。それぞれの課題は相互に関係することから、全体検討会で情報を共有しながら、2つの分科会において検討を深めることとする。それぞれの検討のねらいは以下のとおり。
- (1)指定に関する分科会のねらい
- 多くの自然公園において、公園指定から長い時間が経過しており、自然の質や社会条件の変化に応じた適切な公園指定が行われているかについて、見直す必要が生じている。
例えば、法律の制定時には概念が普及していなかった「生物多様性」については、平成14年の自然公園法改正において公園内の生物多様性確保が国等の責務に追加されたが、指定の際にどのように取り扱うべきか明確になっていない。また、そもそもの法目的である優れた自然の風景についても、時代とともにその対象に変化が見られる。
一方、原生的な景観や人文景観などの多種多様な地域が国立・国定公園として指定されていることで、国立公園とは何か、国定公園とは何かがわかりにくくなっているとの指摘もある。
検討会では、現在の指定状況等のレビューを行い、国立・国定公園の役割、公園指定の方針等について議論を行う。また、それらの議論を踏まえ、現在の自然公園選定要領の改訂の方向性等について取りまとめる。
- (2)管理運営に関する分科会のねらい
- 我が国の自然公園制度は地域制(土地を公園専用用地とせずに公園指定・管理運営を行う制度)であり、歴史的に地域と共に公園運営を行ってきた。実際には、国と地方、官と民との間に明確な役割分担の線引きをしないままに、それぞれができることをやるという協力関係にあったが、昨今はそれぞれの役割分担の明確化が求められている。
また、国立公園の管理運営は、地元の団体や住民の協力等を得て実施してきたが、近年、国立公園に指定されている地域の環境保全を担う公益法人やNGOの増加、企業による社会貢献活動(CSR)等の広がりなど、環境保全にかかわる主体は飛躍的に増加している。
以上のような流れの中、地域制公園である国立公園の管理運営について、地域の主体的な取組を促し、多様な主体の参画を得て、新たに質の高い管理運営の体制を構築することが必要である。
検討会では、現在の管理運営状況等のレビューを行い、国立公園の管理運営の基本的な考え方を整理し、具体的な方法についても検討を行う。
3.進め方
各課題について、以下のとおり検討会の下に「指定に関する分科会」と「管理運営に関する分科会」を開催して検討を進める。
4.スケジュール
- 10月31日
- 第1回 全体検討会
- 11月17日
- 第1回 指定に関する分科会
- 11月30日
- 第1回 管理運営に関する分科会
- 12月19日
- 第2回 管理運営に関する分科会
- 1月
- 第2回 指定に関する分科会
- 2月
- 第3回 指定/管理運営に関する分科会
- 3月
- 第2回 全体検討会
※ それぞれの会議は公開とし、事前に記者発表する予定。
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