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平成17年度第2回議事要旨

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第2回環境省政策評価委員会 意見要旨

1.日時: 平成17年8月3日(水)15:30~17:30

2.場所: 合同庁舎5号館 22階 第一会議室

3.出席者

-委員-

(委員長)

須藤 隆一

埼玉県環境科学国際センター総長

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー

 

佐野 角夫

ソニー株式会社顧問

 

鷲谷 いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授

 

 

[欠席]

 

大塚 直

早稲田大学法学部教授

 

岡島 成行

(社)日本環境教育フォーラム理事長

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

小林 珠江

株式会社西友執行役 人財部担当

 

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部長

 

山本 良一

東京大学生産技術研究所教授


-事務局(大臣官房)-

   西尾大臣官房長、寺田大臣官房審議官、鷺坂総務課長、小林秘書課長、
谷津政策評価広報課長、村上政策評価広報課課長補佐、他


-環境省各局部-

森本企画課長(廃棄物・リサイクル対策部)、上田課長補佐(総合環境政策局)、
柴垣企画課長(環境保健部)、清水総務課長(地球環境局)、小林課長補佐(環境管理局)、
紀村企画課長(水環境部)、泉総務課長(自然環境局)

   

4.議題:

(1)平成16年度事後評価書(案)について
(2)その他

5.議事概要  

議事概要

〔議事概要〕

(委員紹介・配布資料の確認)
(西尾大臣官房長挨拶)

須藤委員長
 議題1については、第1回政策評価委員会でいただいた助言とその対応方針、およびパブリックコメントについての報告と、これらを踏まえた評価書(案)の修正点、および政策への反映の方向性についてご説明を事務局からいただいて、意見交換をお願いしたい。

(事務局より資料、参考資料の説明[PDF:25KB] )

佐野委員
 各項目で「関係省庁との連携」という言葉がたくさん使われているが、本年度というか、将来的には本当に実行に移してほしいと思う。こういう言葉は常時聞いているけれども、環境省として大きな努力をされてはいるが、なかなか結果が出ていないと思う。環境は国をあげて守るべき問題の最も重要な点なので、省庁の連携というのも可能だと思うし、ぜひご尽力いただきたい。
 それから、私どもがいつもお願いをしているリサイクルにかかわる規制、廃掃法について、今の説明でも全く分からない。生ごみを規制するための在庫2週間と、私どものように家電リサイクルの下にやっているリサイクル業者に対して、同じような規制があるというのはどうしても理解がいかない。
 他の法律を見ると、商法は昔は改正に20~30年かかったものが今は1、2年ですっかり変わる。民法もそう。廃掃法だけがこのままでいいとは私は思わない。もし、環境と経済を一体化すると言うならば別の見方を環境省もしないと、我々産業界としてもやりたい新しい技術導入、リサイクルプラントの建設等も進まなくなる。
 夏は暑くなるとエアコン等の買い換えが進んで、一挙に在庫が膨らむ。その都度、不要な倉庫を借りて多大な支出を強いられる。特に、この情報公開もそうだが、法律の下でリサイクル事業を行っているところは、あらゆる面で許認可で監視を受けているので、そういうところについては、もっと前向きにやってほしい。これから家電リサイクル法も見直しが入るし、いろいろな面でリサイクル対象品目が増えてくるので、これは本当に深刻な問題になっている。是非一層のご尽力いただきたい。
 それから、有害化学物質については、ここにある通り、より広い視野を持って環境省もグローバルな観点から日本の行政どうあるべきかということを、もっと早くご提言をしていただきたい。

須藤委員長
 ご意見は、評価書の事項を修正するという問題ではなくて、次の評価等には取り上げなくてはいけない今後の大きな検討課題だと思うので、それぞれの担当の局からお答えいただきたい。

谷津政評課長
 省庁連携について、環境省の役割の大きな柱が政府一体となって環境政策を推進するということであり、そのための法律的な仕掛け、計画的な仕掛け、実態面でもいろいろな省庁連絡会議をやっている。例えば最近のアスベスト問題についても、しっかり省庁間でタッグを組んで対応させていただいている。温暖化の問題についてもしかり、あるいはリサイクルの問題についても、経済産業省、あるいは厚生労働省、国土交通省も入れたような体制ということでしっかり行動して、なお一層努めさせていただく。

須藤委員長
 2番目のリサイクルのご意見に対する今後の姿勢について。

廃棄物・リサイクル部
 基本的なスタンスとして、廃棄物に関して頑なに対応するということは考えていない。ここではまだまだ育ってない優良な産廃業者をどう育てていくかという観点から、厳しい対策を取らなくてはいけない面があるので、なかなか柔軟には対応できてないという現状を申し上げている。ただ、おっしゃるとおり、次には家電法の見直しもある。そのときには、合理的なリサイクルのあり方を考えていきたい。柔軟に進めていきたいと思う。手続きのことだけではなく、中身に関わることも考えていきたい。

須藤委員長
 佐野委員のおっしゃるように、環境問題というのは、環境省だけで終結してしまう仕事はほとんどなくて、それこそ省庁の連携で日本政府全体として取り組んでいる。例えば、ある事業に対して政府全体としての評価を本当はやらなくてはいけない、環境省だけでやってもあまりよろしくないのでは、という意見も従来あったような気がするが、今の制度の中ではどうしても省庁ごとということになっている。今後の一つの評価は、例えば総務省が昨年湖沼の問題で評価をやって、湖沼はよろしくないということでそれぞれの省に対して全体の評価をやったことがあるわけだが、本来であれば連携してやった仕事はその連携も含めて評価を出されるべきだと考えている。
 今、アスベストはどのような連携をしてやられているのか、2、3分で結構なのでご紹介いただきたい。先ほどうまく連携しているとおっしゃっていたのだが、例として、今非常に話題になっている問題なのでぜひお願いしたい。

寺田審議官
 アスベスト問題については、今回の問題は、6月末にクボタという会社がかなり多数の従業員の方々の労災認定をし、また、周辺の方々にも補償ではないが、一部にお見舞金を差し上げているということが報道されたのが発端である。
 この問題、非常に多数の役所に関係がある。もちろん、主には職場での暴露ということであるので、厚生労働省が中心的な役割を果たしているが、環境省も大気汚染防止法あるいは廃棄物処理法の体系で一定の規制をやってきた。それから、建築工事現場での暴露というものもある。そういう意味では国土交通省。また造船業という業務を所管しているということもあり、関係がある。また、当然これまでに至る過程で、極めて産業的に有用な鉱物であるということで使用してきたという経緯がある経済産業省。非常に幅広い役所が関係する、いろいろな制度も絡むことから、小池環境大臣の方から、この問題は省庁の連携、情報の共有が非常に大事であるということをお話しいただき、それを契機に各省連絡会議というのを早速に設置をした。
 今まで課長レベルの会議が約1カ月の間に20回近く、局長レベルの会議を2回、そして閣僚会議を先般1回やり、10日に1回ぐらいの割合で対策を取りまとめている。各省がいろいろな検証をしているが、基本的に大きな問題については、全部その会議の場に出して情報を共有するようにしている。
 この問題、非常に国民の皆さまのご関心、ご心配いただいていることであり、先般、閣僚会議において今後の取組みもまとめたところだが、これから先もそうした閣僚会議をはじめとする各省連携の場で政府一体となった取組みをしていくことを強く申し合わせており、内閣官房が中心となってまとめているという状況にある。

崎田委員
 アスベストの話があったが、例えばこういう将来起こり得る問題として、ある程度専門家の方は分かっていたはずのこととか、アスベスト以外の問題が社会にまだ何かあるのであれば、それを少し先にチェックをしていくとか、もう1回、社会の総点検みたいなのを是非しておいていただきたい。アスベストの問題だけではなく、今後社会的にきちんとしたコストをかけていかなければいけない問題というのは、まだかなり残っているのではないのかと思う。環境省が音頭を取って、洗い出しの準備みたいなこともやっていただければありがたい。
 また、政府全体がきちんと社会的な合意形成を取っていくというふうに、今後、戦略をきちんと立てていくことが大事ではないかと思う。例えば環境配慮促進法のときも、記載事項の内容を決めていく際に、産業界の代表者の方はできるだけ多くの方にハードルを低くするために、とにかくハードルは下げてほしいということを非常に強く要求される。それでは、トップランナーの方にとっては本当にコスト負担していることがなかなか評価されなくて辛い。同時期にISOを推進している企業の皆さんの会合に出ると、自分たちの積極的な努力が評価される社会システムになってないということを、皆さん強くおっしゃる。
 そういう意味で、これからいろいろな環境政策を狙うときに、それがどういう意味を持っているのか、どういうふうな狙いでいくのかということを、きちんと社会に発信していくということが非常に重要ではないかと思う。今後環境税の検討であるとか、社会的にみんなで解決に持っていくのだという合意形成を作っていくための、省庁連携、国民連携を促すための戦略的な動きというのが大事ではないかと感じている。
 それと、前回のときにかなり環境教育とか人材育成に関しての目標設定の仕方についてなど、意見を言わせていただいたが、その後、非常にきちんと書き振りを変えていただき、ご検討いただいてありがたいと思っている。この環境教育に関して、今回頂いたこの事後評価(案)をもう1度じっくり読ませていただくと、どの担当のところも人材育成やその辺に関して新たな仕組みの話が非常に多い。今、市民がライフスタイル、あるいはいろいろな場で実践行動をしていかなければいけないという時期を反映しているし、こういうことが非常に必要な時代だと思っているので、大変素晴らしい傾向だと思っている。ただし、市民側から見ると、環境省の中でどのような人材育成制度があって、どういうふうな人を対象にしているのかという、全体像が見えやすいようにしておいていただいた方が、例えば自分が何か地域で活動するときにアドバイスをもらおうと思ったときにその情報を得る場合、あるいは、自分が将来環境で何か頑張っていこうというときに、どんな仕組みがあるとかというときに分かりやすいのではないか。
 例えば、地球温暖化対策だったら温暖化防止推進委員とか、自然のふれあいのところだと自然のレンジャーの方とか、環境カウンセラーとか、化学物質アドバイザーとか、いろいろなところで人材育成というのが非常に重要になってくると思うので、増えるのはいいが、それぞれがどのくらいの専門性のある人なのか、あるいは、どういうパートナーシップ型のつなぎ手を養成しようとしているのか、もう少し環境政策全体像の中で狙いを皆さんで調整しながら広がっていけばいいと思う。

須藤委員長
 最後におっしゃった全体像というのは、省庁連携も大切だけど、いろいろな制度の連携だとか、人材の連携というのがなくて、縦割りのような気もしなくはない。その辺の問題について、審議官どうぞ。

寺田審議官
 最初に、これからまたアスベストみたいな問題が起こらないかということだが、政府全体として、主として発癌性が指摘された昭和47年から規制が本格化した昭和60年代の始めぐらいまでの時期の対応を検証する作業をやっている。環境省としても、当時の書類をひっくり返して、何があったのかもう1度考えてみようということだが、そういう作業をやっていると、この30年の間に相当世の中が変わってきたなと感じる。例えば予防原則というようなものの考え方一つ取っても、だいぶ当時とは状況が違っていると思うし、あるいは、発癌物質というものの危険をどう判定し、どう対応するのかということなども相当違ってきているという感を深くする。
 もう1つは、こういうことを繰り返さないために、非常に重要なキーポイントが、情報の公開だと思う。情報を公開して専門家の方々、あるいは、国民の各位各層と一緒になって、リスクマネジメントみたいな考え方をやっていく必要があると感じている。環境省としても、特にこの点につき、環境省自ら情報の公開、ないしリスクマネジメント的な考え方を推進するということをしていかなければならない。
 また、広報あるいは情報の提供という問題についても、温暖化防止の京都議定書の目標達成計画というのが今年でき、その中で国民の各位にご努力をいただかなければならない。環境省としては今までに類例のない規模で国民広報というのをやって、一部、クールビズなどは非常に有名になって成功したと思っているが、そのほかにもいろいろな国民に対する呼びかけをやっている。環境省全体としては、そういった広報情報提供活動というのをますます一生懸命やっていきたいと思っている。わずか1,000人ちょっとの小さな役所であるが、やはり課室、局の間でまだまだ情報の流通、施策の整合性というのが取れていないということで、ご批判を賜る場面もいろいろとあるということは感じざるを得ないが、ご指摘を踏まえ、今後ともこの一体的な行政の推進、国民への分かりやすい情報の提供に努めてまいりたい。

須藤委員長
 政策評価だけが、それぞれの筆頭課長に集まっていただいてこうやって議論できるのだから、こういうところが本当は連携がうまくいくのかもしれない。それでは、鷲谷先生どうぞ。

鷲谷委員
 前回の私の意見に対する対応方針の書き振りに気になる点があり、それから発言させていただきたい。参考資料1のⅠ-8-(4)にかかわる対応方針として「絶滅のおそれのある国内の野生動植物として希少野生動植物種の指定が進むこと、さらに保護増殖事業計画の策定数が増えることは、野生生物の保護管理にとって好ましいこととは必ずしも言えないため、環境政策を評価する目標、指標には馴染まないと考えている」というお答えだが、絶滅危惧種の現状、それは数字で言えばレッドリストなどに表れているものであるが、これは形式論理に過ぎない答えになっていて、何かすごく後ろ向きな印象を受けた。というのは、レッドリストの種というのは2,653種あって、その中にはかなりランクの高いものもある。それが必ずしも希少野生動植物の種には指定されていないし、対策も立てられていないものがかなりあるというのが現状である。そういう現状なので、指定が進むこととか、計画が策定されるということは、対策が必要なのにもかかわらず、諸般の事情によってそれがうまく立てられていなかったものの対策を立てて、積極的な政策を進めるということになると思う。また、十分な対策が必要なものを逆に十分に対策が立てられたために、必要がなくなって指定から外したり、計画を終了するということも、これもまた政策が有効に機能したということを示すことになると思う。
 だから、母数はレッドリストというものがあるので、それで考えていけばいいと思う。ランクの高いものだけをまず考えてもいいかもしれないが、指定あるいは計画が立てられたということも、また必要なくなって外されるということと両方とも、おそらくこの分野の政策を評価する指標になるのではないかと思う。
 この表現は変えていただいて、最後のところ「参考指標としての記載について今後検討してまいりたい」というのだけだったら納得するが、この前に書いてあることは、対応方針からとっていただきたい。他に何か理由があれば、それを書いていただくか、理由を言うのが難しいということで、方針だけ書いていただくようにしていただいた方がいい。
 先ほどの崎田委員の人材についての発言に触発されてなのだが、環境の政策は多岐にわたり、どんどん増えてきている分野なので、職員の方だけでは対処できないということもある。また、環境意識などを共有するということも含めて、広範な市民の方の協力を得るということは大切なことだと思う。いろいろな制度があって、効果を上げつつあるとは思うが、専門性を高めるための研修をもっと重視した方がいい。レンジャーの方などと話したり、活動の様子を見ているとき、レンジャーとかカウンセラーの方たちは、自発的な活動だけに任せていると必ずしも有効ではないことがあるように感じることがある。もっとその分野に対する知識を高める機会とか、いろいろ対応の仕方などについても技能を高める機会を差し上げてはじめて、より有効な協力がいただけるのではないか。また、それに参加している方たちもそういう機会を求めているように思う。

須藤委員長
 大変貴重なご意見。1点目の問題は、ちゃんとお答えいただいたほうがいいので、これは自然環境局からどうぞ。

自然環境局
 ご指摘いただきました、この1-8-(4)というところですが、他意はないので、やや確かに表現が素っ気ないというか、評価する指標になじまないと。表現振りは検討させていただきたい。

西尾官房長
 私もここを見て、これはおかしいなと。先生のご指摘の趣旨は、例えばレッドリストというのは広いものを取ってあるが、その中で希少種の指定をしたとか保護計画をつくったとかと行政が対応しているもののリカバリーみたいな概念がうまく出れば分かるのではないかということか。

鷲谷委員
 そうです。しかも、この事後評価書の対応するところには、達成状況のところに種数が書いてある。書いてあるからには、その数字が何を意味しているかというのを書いていく必要がある。11種と13種と書いてあるが。私はこの年度に11種、13種指定された計画が出来たということを高く評価している。この年にはすごく進んだと思っているが、これだけただ見てもこの数字に関しては何を意味しているか分からない。

西尾官房長
 少なくともこの説明ではないはずである。もうちょっと的確にどうすべきかということを表現する必要がある。

鷲谷委員
 「検討してまいりたい」という対応方針でいいのだが、その前の説明は適切ではないということで、そこを全部削っていただくというのは。「参考指標としての記載について今後検討してまいりたい」だけを書いていただければ。

自然環境局
 結論としては、記載はそういう方向で調整をさせていただきたい。ご指摘のとおり、種をどれだけ指定したか、あるいは、保護増殖事業計画をどれだけ策定したかというのは、行政の施策の取組み状況を見る上での指標であることは間違いないと思う。ただ、それが直接に評価の指標に結び付いていいかという部分がいかがかということで、このような表現になってしまったということかと思う。先生のご趣旨を生かす方向でやらせていただく。

須藤委員長
 私も委員長としてそう思うので、後の文章の部分は今のようにしたいと思う。2番目の、研修等をやっているのかというところはどうか。

小林秘書課長
 おっしゃるように、人づくりが非常に大事で、今、来年度の重点政策を盛んに省内で議論している最中である。その中でもまた新しい観点からの人づくり系の政策が出てきている。これから中でよく相談をして、できるだけ見えやすい形で、こういうような施策を人づくり系で環境省は打っている、というようなことをしっかり発信していきたい。それと、連携の話だが、これも関係局、関係部、関係課室、いろいろあるが、全体像を私どもなりにバランスが本当に取れているのかどうか、1度チェックをさせていただきたい。

総合環境政策局
 今のに少し補足をすると、今年10月から地方環境事務所が発足し、それに合わせて、青山にあるパートナーシップオフィスを事務所のほうにも地方展開し、昨年度と今年度と来年度、3カ年でそれぞれ事務所に併設するような形でやっていこうとしている。環境教育とか学習といったものも、そうした拠点で展開をする形でやっていきたい。そこでなるべくいろいろな局のものを集約していけないかなという考えが1つある。例えば、環境カウンセラーの研修事業を年に1回やっているが、将来はそれが地域でもできるように、地方に密着したような形で、拠点がコーディネート機能を持つような形で展開をしていくというようなものとして、昨年度からパートナーシッププラザの展開と、そこに環境教育・学習の現場の情報とかを、ある程度集約していくことを1つ課題として進めている。

須藤委員長
 大気と水の常時監視については17年度に入ってどうか。いろいろチェックをして下さるということになっていたが、大気、水の常時監視は順調に進んでいるか。

鷺坂総務課長
 17年度のモニタリングの状況については、まだ完全にどういう状況かというところまではいっていない。ただ、モニタリング体制が現在の水準を下回ってはいけないということで、今年度早々に大気、水質、それから騒音について、これは常時監視というのは国の義務を法定受託という形で地方に出しているという関係があるので、処理基準という形でどの程度の水準を維持しなさいというような形のものを、6月に各地方公共団体に出させていただいた。それに従って、我々としてはやっていただけると考えている。また、実際に検証もしていきたい。

須藤委員長
 やらなかったら違反ということもおかしいが、よろしくないのか。例えば、常時監視を非常に簡素化してしまうのは許されるのか。

鷺坂総務課長
 基本的には、処理基準を示しているので、それに従ってやっていただきたいということだが、ただ、その処理基準のところには裁量の部分もある。従って、その裁量の中で地方公共団体のその地域の自然的条件とか、あるいは社会的条件に従って、若干前後するところはあろうかと思う。ただ、あまりにも状況がひどいということであれば、それは常時監視の仕事をしていないということにならざるを得ない。

須藤委員長
 ほかに何かお気づきの点は。鷲谷委員、どうぞ。

鷲谷委員
 記述の仕方について、先ほど事後評価シートの野生生物課のところで見ていって、1枚目の1番下のところで気がついたのだが、「鳥獣の保護管理については、特定鳥獣保護管理計画制度の推進などを行った」と書いてある。何か実行したことであれば「など」を使わずに列挙するか、あるいは重要でなければ書かないというもので、「など」というと、そこの「など」の中にはどういうものが含まれているのだろうと、不透明な印象を受ける。何かの途中の記述で問題を「など」というふうに表現するのはいいと思うが、実行したことだったら、もう決まった項目になるわけであるから、列挙されたほうがいいのではないか。「など」の使い方に注意していただいたほうがいいと思う。

自然環境局
 ご覧いただいている[Ⅰ-8-(4)]-1の一番下に「特定鳥獣保護管理計画制度の推進など」と書いてある。これは全体の大きな目標、達成状況のところであるので、ページをめくっていただくと下位目標というのがいくつか並んでおり、その下位目標3のところで実はもうちょっと詳しく書いてあり、達成状況のところに「鳥獣保護法に基づき、特定鳥獣保護管理計画の推進、国指定鳥獣保護区の新規指定」、ここもまた「など」が出てきてしまうのだが、こう書いたということで、要するに大きな目標のところではややまとめて簡単に書いて、下位目標のところではやや詳しく書いたというところである。

鷲谷委員
 列挙すると行数が何行か増えるということか。

自然環境局
 そういうこともある。

須藤委員長
 すべて法に基づく何とか何とかとか、そういうふうに書く方がいいのかもしれないが、下位目標に全部出てくるのでまとめて「など」というふうに使っておられるということである。

鷲谷委員
 「下を参照」とか、何か書き方がある気がするが。

須藤委員長
 工夫するということは必要かもしれないので、これは今後の検討課題ということにしておく。その他よろしいか。

崎田委員
 全体的な話なのだが、パブリックコメントが3件である。これは去年よりまた減ってしまったので、何が問題なのかということに関してはどういうふうに考えているのか伺いたい。あまりにも返事が少ないと思うが。

谷津政評課長
 結果的に3件ということで、我々も残念な気持ちは一致している。これから地方事務所ができるということがあり、少し国民の目に触れるような工夫を幾つか考えてみたいと思う。各省もこの政策評価、非常に苦労しながら進めているようで、各省のパブリックコメントの数を見てもそんなに多くないというのがある。これは全体の話にも通じることになろうかと思うが、我々にできることはなるべくしっかりやっていきたい。

須藤委員長
 政策評価というのは、環境政策がどの程度進んで、国民が安全で安心な生活がおくれているのかをいうわけで、本当は国民が一番関心を持っていいところである。そういうところにご関心をいただけないというのは非常に残念な気がするが、やはり閲覧の仕方とか情報の提供の仕方も工夫していただくということで、先ほどの地方事務所に今度は閲覧できるようにするとか、今後はもう少し国民の目に触れる機会をつくっていただきたい。去年が12件なので、二桁ぐらいはあってもいいのかなと思っている。是非またその辺の工夫はしていただきたい。
それでは、この辺でまとめさせていただき、今後政策評価書をさらに精査して整理していただきたいと思うが、この政策評価書の整理に当たっては、先ほどの鷲谷先生の発言もあったので、表現の修正等については私と事務局に調整をお任せいただき決定していきたいと思う。その辺はご了承いただきたい。

(事務局より参考資料の3及び4の説明)

須藤委員長
 今後の進め方、それから、総務省での見直し、検討の方向性について、何かご質問は。

崎田委員
 政府全体で政策評価をどういうふうに生かすかというのを見据えてくださるという様子が分かって、大変ありがたい。こういう評価がどういうふうに生かされるのかというのが分かってくれば、その大事さというのがきちっと定着するのではないかと思っている。
 もう1点、裏側のページで、「複数府省が関係する政策」に関して、前回「政府の環境政策の進捗状況は誰が評価するのか」と質問させていただいたが、これであるというのがよく分かった。このような形で全体的に見ていくということが徹底されれば素晴らしいと思う。今の地球温暖化対策であるとか、3Rイニシアティブを推進する中での循環型社会づくりとか、全ての省庁が連携しながら取り組むとなっているが、それが本当に推進されていくということがとても大事なことだと思うので、こういうところの評価で、それがうまくいっているのかどうか話し合いがされるということは素晴らしいことだと思う。そういう情報がそれぞれ共有されて、次の政策の話し合いに活かされればいいと思う。
 容器包装リサイクル法の見直しの話し合いなどに参加しているが、例えば循環基本計画が2000年に出来てから、次の見直し期にはしっかり見直しましょうという社会的な雰囲気ができていったわけだが、実際の話し合いとなると、合意形成に非常に時間がかかる。もちろん両方、主体の方の意見を総合して政策を作っていくのは当然のことなので、時間がかかるのはいいが、基本的な循環基本計画の精神のところまでも話さなければいけないのは、非効率的と言うと変だが、社会の合意をもっときちんと作っていく、早くそういうふうになればいいなとつくづく感じる。そういうことで、政府全体の動きをきちんと見ていく仕組みもあるのだと分かって良かったと思う。

谷津政評課長
 この法律は総務省の法律なので、総務省の考えということになるが、当然、実施段階では各省と十分相談の上ということである。環境省的な総合政策をやる立場と、この省庁をまたがった政策評価というのはかなり重なってくる部分があるので、実施段階では相当よく相談しながら進める必要があると思っている。

須藤委員長
 私が直接関わったというか、お手伝いした湖沼の富栄養化の問題は、省庁が一緒にやられたものだが、あれ以外に環境問題というのは結構あるのか。

谷津政評課長
 リサイクルとか、循環型社会とかがある。

須藤委員長
 それは全部、政府全体としてやっているのか。

谷津政評課長
 そうなる。総務省なりの年次計画というのがあり、総務省のイニシアティブで各省と相談してという仕組みである。

崎田委員
 誤解のないように1つだけ申し上げておくと、先ほど私は循環型社会の具体例で容器包装リサイクル法の話をしたが、この場合に関しては、私は政府側、各省庁の基本的な考えというのは同じ方向を向いていると思っている。私が何を言いたかったかというと、例えば関連する業界、産業界、国民の方がそれに対して納得するのに時間がかかるのだと思う。そういう意味で、こういう政策評価を省庁連携だけではなく、国民全体の合意形成とか、いろんな意味で積極的に活用できると、本当に社会的な環境政策が進むのではないかと思う。

須藤委員長
 それでは、これをもって第2回の政策評価委員会を終了させていただく。



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