中島早貴中島早貴とキーワードから考える

SDGsライフのヒント

聞いたことはあるけれど、なんとなく遠い存在の「SDGs」。日々の生活の中でも実践できるSDGsな暮らし方について、中島早貴さんと一緒に考えてみましょう。

中島早貴プロフィール
1994年2月5日生まれ。℃-uteの元メンバー。グループ解散後は舞台を中心に女優として活躍中。2018年、「つなげよう、支えよう森里川海アンバサダー」に就任。沖縄のサンゴ保全活動団体「チーム美らサンゴ」にも参加している。
キーワード06

エコツーリズム

について教えてください
尾ア絵美さん
環境省自然環境局国立公園課国立公園利用推進室室長補佐
尾ア絵美さん

よく聞くけれど、詳しくは知らない
「エコツーリズム」をもっと知りたいです

 「エコツーリズム」という言葉は、とてもよく耳にするワードですよね。でもいざ「具体的にどんなことをするんですか?」と聞かれたら、なかなかちゃんと説明できなくて、なんと言ったらいいのか考えてしまいます。私の中ではこれまで、「自然の中にドーンと飛び込んで楽しむ旅!」というようなイメージだったのですが、多分それだけじゃないんですよね(笑)。もっとよく知りたいので、詳しく教えてください!

質問シーン
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地域固有の魅力が保全され
価値を持続させるような
観光スタイルのことです

 中島さんのおっしゃる通り、エコツーリズムの一義は、自然に飛び込むことです。ただ、楽しむだけではなく、自然をはじめとする「地域固有の魅力が保全されることへの理解」が、エコツーリズムの大切なポイントになります。せっかく人が訪れたいと思うようなすてきな魅力があるのに、それが観光によって壊されることにつながっては元も子もないですよね。そこで国は「エコツーリズム推進法」を制定して、地域ぐるみで自然環境や歴史・文化などの魅力を観光客に伝えることによって、その価値や大切さが理解され保全につながっていくことを目指しています。さらには持続的な観光を通じて地域に経済効果を生み、その利益の一部を環境や魅力的な価値の保全に還元させる仕組みの構築も目指します。
 少し堅苦しく説明してしまいましたが、「そこに行かないと体験できないこと」を体験することがエコツーリズムの理解への第一歩なので、まずは出かけてみてほしいなと思います。

旅先で楽しむだけでなく学びや気付きを得る
それだけでもエコツーリズムになりますか?

 以前、沖縄でサンゴの植え付けを体験したことがあります。その際に学びの時間もあって、参加者で意見交換をしました。印象深かったのは、離島でシャンプーを使わないようにと指示されたこと。普段何気なくしていることでも、自然を破壊することにつながってしまう場合もあるんだと、その時初めて気付かされました。私が体験したこういう旅行もエコツーリズムだったと言えますか?

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学びや気付きを得ることは
エコツーリズムの
大きな醍醐味の一つです

 地域固有の魅力が保全されることを学ぶ機会があったということなので、もちろんそれもエコツーリズムです。さらに地域に貢献するという、そこでしかできない体験をして新たな価値観に気付けたことは、エコツーリズムの大きな醍醐味(だいごみ)です。
 今、いろいろなエコツーリズムが全国各地で行われていますが、環境省では、魅力ある資源を地域のガイドさんの案内で楽しむことができる全国19の「エコツーリズム推進全体構想認定地域」を「エコツーリズムのススメ」などで紹介しています。近年は国立公園の利用面にも力を入れていて、具体的な楽しみ方の発信として自然体験アクティビティの充実に取り組んでいます。例えば阿寒摩周国立公園であれば、これまで入山禁止だった硫黄山(アトサヌプリ)をガイドの引率のもと、人数を制限することによって登ることができるようになりました。山肌からはゴウゴウと音を立てて噴煙が上がっていて、タイミングが合えば勢いよく噴気が上がるところも見られます。利用者の誘致だけではなく、こうしたエコツーリズムに欠かせないガイドの育成に対する支援なども行っています。

19のエコツーリズム推進地域

19のエコツーリズム推進地域

エコツーリズムとSDGsは両立しますか?
SDGsとの関係を知りたいです

 こうやって改めて見てみると、日光や阿寒摩周など、国立公園だと知らずに行っていたところがいくつもあって、今、ビックリしています。もっともっといろいろな場所に行ってみたいし、そこでしかできない体験をしてみたい。それに私は人と話をすることが好きなので、ぜひガイドもやってみたいです!
 ただ、国立公園がこれまで観光客を規制していたのは、自然を保護する意味合いがあったのだと思うんですが、エコツーリズムで観光客が増えると環境保全という意味ではSDGsとは対立しあうものに見えてしまいます。エコツーリズムはSDGsのどのゴールに貢献するのでしょうか?

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旅行者も、受け入れ側も楽しめる
それが「エコツーリズム」です

 国立公園において持続的な利用を進めるためには、次世代にも今と同じような優れた自然を残す必要があり、私たちは国立公園の保護と利用の好循環を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。訪れる側も、受け入れる側も共に楽しむことができる、それがエコツーリズムなんです。そこにある自然や文化・風習、日本の原風景が残る暮らしなどがいつまでも持続するように取り組んでいるので、SDGsの目標でいうとゴール14「海の豊かさを守ろう」やゴール15「陸の豊かさも守ろう」に直結していると思います。
 中島さんのように「ガイドを目指したい」という人は、ガイドの養成講座などを開いているところもあるので、気になる自治体の「エコツーリズム推進協議会」などに問い合わせをしてみてください。

今月のヒント

旅先を決める時には、
どんな学びがあるか考えます!

 今回はめちゃくちゃ旅心がくすぐられるテーマでした(笑)。ただ楽しいだけではなく、学びのある旅行って一層思い出に残るような気がしています。これから旅をするなら、絶対エコツーリズムを選ぼうと思いました!それに、その地域の魅力を伝えるガイドにも興味がわいています。私の地元にも良いところがいっぱいあると思うので、まずはそこを探っていこうと思います。

SDGsって?

SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称です。
持続可能な世界を実現するために、2030年までに達成すべき国際社会全体の目標であり、17のゴールと169のターゲットから構成されています。
「地球上の誰一人として取り残さない」を理念に、行動変革につなげるため一人ひとりが持続可能な社会づくりに必要な知識とスキルを得ることなどが掲げられており、日本も積極的に取り組んでいます。

写真/石原敦志