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3R+
Renewable

ポイント!
3R「Reduce(ごみの発生や資源の消費自体を減らす)」「Reuse(ごみにせず繰り返し使う)」「Recycle(ごみにせず再資源化する)」に加えて、「Renewable(再生可能な資源に替える)」という考え方も、近年重要になっています。 3R+Renewableを実践し、資源循環に配慮した消費行動に積極的に取り組むことが期待されています。
1. 3Rとは?
3Rとは「Reduce」、「Reuse」、「Recycle」の頭文字を取った3つの行動のことです。それぞれの意味や具体的な取組事例については、【特集】3R徹底宣言!をご覧ください。
2. Renewableとは?
「Renewable」とは、「再生可能な」という意味です。行動としては、再生不可能な資源から再生可能な資源に替えることを指します。例えば、プラスチック製の文具を「バイオマスプラスチック」製に替えることが「Renewable」の取り組みの一つです。バイオマスは植物などの再生可能な資源を原料としています。つまり、再生可能な資源の利用を増やせば、その分、新たな再生不可能な資源を採掘する必要がなくなるのです。また、植物などを焼却処分する際に排出されるCO₂は、元々その植物が大気から吸収したものであり、植物を燃やしても地球全体のCO₂は増えないため、温暖化は進みません。技術的には、焼却の際の温室効果ガスの排出量から、原料となる植物などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を達成している、ということになります。
3. 「3R+Renewable」の重要性
2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定され、この中の循環型社会形成推進基本法で決められた基本原則を踏まえ、再生不可能な資源から再生可能資源に置き換えて持続可能性を高める「Renewable」 を含めた3R+Renewable の基本原則が掲げられました。その後、2021年10月に改訂された「地球温暖化対策計画」においては、地球温暖化対策の基本的考え方の一つとして3R+Renewable をはじめとする循環経済への移行を急激に進めていくことが明記されました。
温室効果ガスの増加によって、気象災害が更に頻繁に起こったり激しくなったりしつつあり、将来世代にわたる影響が強く懸念されています。この対策として温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)の実現が必須であり、日本は2020年10月に2050年カーボンニュートラルを宣言しました。2025年8月に閣議決定された循環型社会形成推進基本計画はもちろんのこと、2025年2月に閣議決定された地球温暖化対策計画でも、資源循環は重要な取り組みとして位置づけられています。「3R+Renewable」の取り組みを進めることは、私たちが持続可能な社会の実現へ貢献できる、最も身近なアクションの一つです。

政府では、こうしたアクションを後押しするため、例えばプラスチックについて、2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を施行しました。この制度により、消費者の皆さんの“えらんで”“減らして”“リサイクル”を取り組みやすくしています。詳しくはこちら。
環境省では、2024年8月2日に閣議決定された「第五次循環型社会形成推進基本計画」に基づき、循環型社会の形成に向けて各般の施策を推進しております。また、「循環経済に関する関係閣僚会議」を2024年7月に新たに設置し、2024年12月には関係各省の資源循環に関する施策を政策パッケージとして取りまとめ、循環経済の実現を国家戦略として進めているところです。
イラスト/丹下京子、ナカオテッペイ