環境のことをもっと知りたくなる、
注目のキーワードや
ニュースをお届けします。
今月のキーワード
ネット・ゼロ

ポイント!
ネット・ゼロとは、温室効果ガスが排出される量と吸収・固定される量の差し引きがゼロになることをいいます。家庭でも再生可能エネルギーの導入や省エネなど、できることから取り組んでいきましょう!
1. ネット・ゼロとは?
ネット・ゼロ(net zero)とは、正味・実質という意味の英単語「net」と排出量ゼロの「zero」を組み合わせた言葉。再生可能エネルギーの導入や省エネにより、そもそもの温室効果ガスの排出量を削減するとともに、発生した温室効果ガスを、植林や森林保全活動などの取り組みで吸収・固定することによって、活動全体の排出量が差し引きゼロになっている状態を指します。国内では2020年に菅総理(当時)が行った「2050年カーボンニュートラル宣言」が有名ですが、日本の地球温暖化対策においては、化石燃料の燃焼等から生じる二酸化炭素だけではなく、農地や埋立廃棄物から生じるメタン及びエアコンの冷媒等として使われているフロン類等の温室効果ガスも削減対象としていることから、「カーボンニュートラル」ではなく、「ネット・ゼロ」という言葉も用いています。
現在では、国や自治体のみならず、企業等も含めさまざまな主体がネット・ゼロを実現するために取り組んでいます。
2. 2050年ネット・ゼロに向けた取り組み
気候変動に地球全体で対応するために、パリ協定と呼ばれる国際的な約束事の加盟国は、自国の削減目標を示すNDC(Nationally Determined Contribution=国が決定する貢献)を国連に提出することとなっています。その後も提出した目標に対する進捗状況を確認・公表しながら、5年ごとにNDCを更新する義務があります。日本は2021年10月に提出・更新したNDCに続く新たなNDCとして、2035年度、2040年度に、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す目標を設定し、2025年2月に国連へ提出しました。
3. 私たちにできること
新たなNDCにおける家庭部門での排出量削減目安は、2040年度において2013年度比71~81%と非常に高いものとなっており、2050年ネット・ゼロ実現に向けては、電源等の脱炭素化のみならず、ライフスタイル転換等、国民のみなさんの協力が必要不可欠となっています。環境省では、「住宅の断熱化」「省エネ家電を選ぶ」「食べ残しゼロ」「テレワークの導入」などに取り組み、脱炭素と豊かさの両立を目指す国民運動「デコ活」を推進しています。暮らしの様々な場面で「デコ活」を取り入れると、毎月3万6000円、年間43万円が浮くという試算もあるので、「デコ活」ホームページにある取組から実行できるものを自分の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。