ちょっとecoに詳しくなる ecojin's EYE 環境のことを考えるヒントとなる、エコなキーワードを解説します。

今週のテーマ GOSAT

温室効果ガス観測技術衛星GOSATシリーズは、地球の二酸化炭素などの濃度を宇宙から観測し、世界の気候変動対策に貢献するプロジェクトです。初号機のGOSAT(愛称・いぶき)は2009年1月に打ち上げられ、地球全体の二酸化炭素やメタンの濃度分布、季節変動や吸収・排出量などを明らかにしてきました。2019年には後継機であるGOSAT-2(いぶき2号)の運用が始まり、いぶきから進化した機能によって大都市など温室効果ガスを多く排出するポイントを集中的に観測しています。GOSAT、GOSAT-2の10年以上続く観測により、地球全体の大気中の温室効果ガスの平均濃度が年々上昇を続けていることがわかり、観測データは世界中で気候変動に関する研究や政策に活用されています。

さらに、2024年度には3号機となるGOSAT-GWの打ち上げを予定しています。GOSAT-GWは、進化した観測機能によって温室効果ガスの大規模な排出源のモニタリングを行い、初号機、2号機のミッションを発展的に継承することを目指しています。

ecojin's EYE

 衛星による温室効果ガスの観測は、地球全体を常に均一に同じ方法で観測できるメリットがあります。パリ協定に基づき、各国が報告する温室効果ガスの排出量や削減量を透明性の高い方法で検証する際、GOSATシリーズによる観測が重要な役割を果たすことを期待しています。

写真/宇宙航空研究開発機構

【ecojin's EYE】記事一覧へ

CATEGORY