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課題名 |
A-6 フロン等の分解技術に関する研究 |
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課題代表者名 |
水野 光一 (通商産業省工業技術院資源環境技術総合研究所大気圏環境保全部保全技術研究室) |
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研究期間 |
平成2−4年度 |
合計予算額 |
118,529千円 |
研究体制 (1)高周波プラズマ法に関する研究(通産省資源環境技術総合研究所) (2)触媒法に関する研究(通産省資源環境技術総合研究所、九州大学) (3)燃焼・熱分解法に関する研究(通産省物質工学工業技術研究所、資源環境技術総合研究所) (4)超臨界水法に関する研究(通産省物質工学工業技術研究所) |
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研究概要 成層圏オゾン層の破壊が明かとなり、フロン、ハロン、四塩化炭素、及び1/span>1/span>1-トリクロロエタンの全廃が国際的に実行されている中で、フロンなどを分解する技術開発を行う目的で、プラズマ法、触媒法、燃焼・熱分解法、並びに超臨界水法について研究し、分解率、反応機構、生成物分析を検討した。 |
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研究成果 フロン、ハロン、四塩化炭素、1/span>1/span>1-トリクロロエタンなどの分解手法を開発して、以下の結果を得た。 (1)高周波プラズマ法に関する研究 出力15kW並びに35kWを用いて、水蒸気存在下で各種のフロンや有機塩素化合物を分解し、最終的に35kWプラズマにより1時間当たり8.1kgのフロン-12を分解できた。生成物についても詳細な分析を行い、水蒸気量が少ないという悪条件下では炭素数1のフロン-12から不均化反応、二量化反応など様々な反応生成物ができるが、通常の反応条件ではこのような副反応が抑えられた。 (2)触媒法に関する研究 固体触媒を用いたフロンなどの加水分解反応(資源環境技術総合研究所)及び酸化的分解反応(九州大学)について研究開発した。加水分解については、TiO2-ZrO2及びH-モルデナイト触媒によりフロン-11〜14、-113、四塩化炭素、並びに1/span>1/span>1-トリクロロエタンの分解を行い、酸化的分解では、炭化水素共存下でのフロン-115及び-12の反応を行った。また、触媒の耐久性、反応機構、生成物分析なども検討した。 (3)燃焼・熱分解法に関する研究 バーナーによる予混合燃焼法ではフロン/メタン比の制御が重要であり、それが0.2以下であれば安全確実にフロンを分解できることが分かった。しかも、完全分解領域はバーナーの改良により大幅に改善できることが確認された。熱分解法については、フロン-113に関した実験により温度及び滞留時間を正確に保持すれば同様に完全分解できることが分かった。 (4)超臨界水法に関する研究 超臨界水を用いたフロン等の加水分解では、超臨界水の密度を大きくするほど分解が促進された。また、流通式分解装置の実験については、380℃、30MPaの超臨界水により数分の滞留時間でCFC-11を99%以上分解できることが分かった。水酸化ナトリウムを添加することにより加水分解がさらに促進されるとともに、生成するハロゲン化水素が中和され反応器の腐食を抑制できることを明らかにした。これらの結果から超臨界水法は液状フロンの分解法として有望であることが分かった。
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