- 10:00 - 11:15
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ネット・ゼロとNDC - アジアにおける科学に基づく気候政策立案とその実施
- 主催者
- 環境省・地球環境戦略研究機関(IGES)
- 共催者
- 国際協力機構(JICA)・国立環境研究所(NIES)・マレーシア工科大学(UTM)
- 内容
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概要
パリ協定は、全ての締約国に対して、低排出型の発展のための長期戦略を策定し通報するよう努力すべきとしている。また、昨年のCOP28でのグローバル・ストックテイクの成果文書は、GHGの大幅で速やか、且つ持続的な削減が必要であるとし、全ての締約国に対して、世界全体の努力への貢献を求めると共に、次期NDCを1.5℃目標と整合するよう奨励している。こうした中、日本は各国と協働し、政策オプションを評価して削減シナリオを提示する「アジア太平洋統合モデル」(AIM)を活用し、各国の長期戦略の策定やNDCの更新に貢献するとともに、都市でのより野心的な計画作りに取り組んできた。また、日本はその実施と科学的な能力構築も支援してきている。
本セミナーでは、アジアの複数国の政策担当者や実務者から、各国での科学に基づく長期戦略の策定やNDC更新の状況を共有する。また、開発援助機関による長期戦略やNDCの実装、それを可能にする能力強化の進展状況を紹介し、ネット・ゼロアジアの実現に向けた協力のあり方について議論する。プログラム
開会挨拶
- 松澤 裕|環境省 地球環境審議官
概要説明
- 行木 美弥|環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官
科学的目標設定におけるAIMへの期待(バングラデシュの例)
- ムハンマド ハルン オル ラシッド|バングラデシュ環境森林気候変動省(MOEFCC) 環境局 気候変動・国際条約担当副ディレクター
科学的目標設定におけるAIMへの期待(ラオスの例)
- ボンエア カンピラヴァン|ラオス天然資源環境省(MONRE) 気候変動局 気候変動政策部 副ディレクター
LT-LEDSと次期NDCの準備、及び前回のNDC準備の経験
- チャンタサクル スピラック|タイ気候変動環境局(DCCE) 気候変動緩和行動課 上級専門職レベル 環境担当官
インドネシアの長期戦略・NDC
- ユリア スルヤンティ|インドネシア環境林業省(MOEF) 気候変動緩和担当ディレクター
NDC実装支援とマルチステークホルダー関与から得られた教訓
- 福田 幸司|JICAベトナム パリ協定に係る「自国が決定する貢献(NDC)」実施支援プロジェクト(SPI-NDC)総括/長期専門家
ベトナムにおけるNDCの大気汚染削減効果の評価
- ホー クオック バン|ベトナム国家大学 ホーチミン市校(VNU-HCM) 教授/環境資源研究所 所長
ネット・ゼロに向けたバンコクの取組
- ウォラヌッチ スアイカカオ|バンコク首都圏庁(BMA) 環境局副局長
科学に基づく気候政策の立案と実施 - マレーシアの都市の事例
- ホー チン ション|UTM 教授/UTM低炭素アジア研究センター(UTM-LCARC) センター長
閉会挨拶
- 三戸森 宏治|JICA企画部 サステナビリティ推進室(気候変動、自然担当)副室長
- セッション
サマリー -
本セミナーでは、バングラデシュやラオスの政策担当者から、AIMを活用した、科学に基づく長期戦略の策定やNDC更新について、AIMチームの貢献への期待が示された。タイやインドネシアといった、すでにAIMの適用が進んでいる国からは、長期戦略の策定やNDC更新の進捗状況が共有された。JICAからは、ステークホルダーと連携する形でのNDCの実装、それを可能にする能力強化の進展状況が紹介された。次いで、都市での取組に関して、ホーチミン市、バンコク都、マレーシアの諸都市において、モデルワークによる定量的な分析が、各都市でのネットゼロに向けた取組の強化につながっている、またつながりうる可能性が示された。
セミナーの様子 登壇者① 登壇者② 前半セッション登壇者
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