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政策対話・地域協力の促進

地域協力メカニズムの促進

第11回 環日本海環境協力会議(NEAC)

2002年12月5~6日 海南省・中国

第11回環日本海環境協力会議(NEAC)は2002年12月5~6日、中国海南省・博鰲において開催された。会議は、中華環境保護基金会(China Environmental Protection Foundation)、海南省国土・環境・資源庁(Land, Environment and Resource Department of Hainan ProvincialGovernment)の支援を得て、中国国家環境保護総局(SEPA)によって主催された。中国、日本、韓国、モンゴル、ロシア連邦の5カ国の中央政府、地方政府、研究機関、NGOの関係者が出席した。国連環境計画/アジア太平洋事務局(UNEP/ROAP)の代表も会議に参加した。


第11回NEACで討議された議題は下記の通りである。
  • 北東アジア地域諸国における環境保護および環境協力強化のための現在の主要な環境政策
  • 水環境の改善
  • 都市部における大気環境の改善
  • WSSD(持続可能な開発に関する世界サミット)と北東アジア環境協力
  • 環境教育と国民意識啓発に関する公開シンポジウム

会議の開会

会議は、SEPAのZhang Shigang氏の開会のスピーチで幕を開け、続いて海南省政府を代表して海南省副省長Li Lihui氏と、SEPAを代表してWang Zhijia氏が歓迎の挨拶を述べた。日本環境省の山田範保氏、韓国環境運動連盟のSun-Hee Joo氏が祝辞を述べた。


基調演説

開会式に続き、各参加国の代表者による基調演説が行れた。各国の現在の環境政策を概観するとともに、現在各国で進行中の主要なプロジェクトが紹介された。加えて、地域協力の強化を通した地球環境問題の解決により多くの関心が向けられ、また、ヨハネスブルグで開催されたWSSDが、地域環境協力に与える影響についても言及された。日本の代表は、2003年3月に日本で開催される第3回世界水フォーラムを紹介し、各国の参加を促した。このセッションの最後に、UNEP/ROAPの代表が、この地域における環境協力と現在進行中のプロジェクトの進展について発表した。


オープン・シンポジウム――環境教育と国民意識啓発

午後のセッションは、環境教育と国民意識に関する公開シンポジウムで幕を開けた。このフォーラムには、中国、日本、韓国などの研究者、NGO等の専門家が積極的に参加した。発表は主に、環境教育の概念や枠組み、現在の各国における環境教育活動、環境教育と国民意識を促進する上でNGOとメディアが果たす役割、これまでの成果について網羅するものとなった。モンゴルとロシアの代表も、自国における環境教育と国民意識について紹介した。


セッション1――水環境の改善

セッションでは、水環境の改善に焦点があてられた。5カ国すべての代表者が発表した。5カ国とも、水環境保護のための適切な維持管理の必要性と、緊急性に同意した。中国で設置されている水質自動モニタリング・ステーション、地方政府間での国際協力による水質管理プロジェクト、韓国における流域・上水管理に基づく水質管理政策、モンゴルにおける水質汚染防止・処理のための政策および措置、ロシアにおける水質基準と水管理の枠組みなどの話題が主に討議された。
この地域の水環境を保護するためには、適切な汚染削減対策を含む、汚染防止プログラムのような、流域管理のための統合的な対策が必要であることが認識された。


セッション2――都市部における大気環境の改善

2日目は、都市部での大気環境改善に関するセッションで始まった。大気環境管理の状況や主な問題について討議され、特に、中国における大気環境、日本の地方公共団体レベルでの大気環境保全対策、韓国とモンゴルにおける大気環境管理および首都地域での特別対策に焦点があてられた。温室効果ガス排出、窒素酸化物、酸性雨、自動車排気ガスなど、特定の問題に対して制定された法律、採用された対策など、政策問題の観点から注目が集まった。
砂塵嵐などの地域的な環境問題に対処するには、より国際的かつ地域的な努力が必要であることが確認された。


セッション3――WSSD(持続可能な開発に関する世界サミット)と北東アジア環境協力

WSSDおよび北東アジアにおける環境協力の強化の可能性について討議が行われた。9月にヨハネスブルグで開催されたWSSDが、地域協力に多大な影響を及ぼすであろうことは、全員が認識している。WSSDの結論を実行に移すためには、北東アジア地域の国々が、地域協力を強化していくことが望ましいというのが、参加国の共通の見解である。情報や経験の交換、北東アジアでの環境協力の促進のために、NEACが引き続き重要な役割を果たしていくことが期待されている。
中央政府だけでなく、地方公共団体やNGOなどの主要グループをも含める、NEACのオープンな参加プロセスは、WSSDのフォローアップをするに際し特に重要であると認識された。さらに、NEACの今後の活動は、ESCAPやUNEP/ROAPなど、地域の国際機関と密接に連携・協力しあって実施されるべきである。


会議閉会

全参加者は会議を見事に運営した中国政府に感謝の意を表し、2003年の第12回NEACを主催するという日本政府の意向を歓迎した。会議の日程、会場、期間、議題については、少なくとも3ヶ月前までに、主催国と参加国との協力によって決定される。