化学物質環境汚染実態調査の結果(1995年度)

水質・底質モニタリング

水質・底質モニタリング調査は化学物質環境安全性総点検調査の一環として昭和61年度から開始されました。

この調査では、多種類の化学物質を同時に感度よく分析できるという特徴を持った GC/MS(Gas Chromatography - Mass Spectrometry:ガスクロマトグラフ質量分析法)を用いて、化学物質の環境(水質,底質)中における残留状況の長期的推移を把握し、環境汚染の経年監視を行っています。

※文章中の測定値及び検出限界の単位で ppbと表記されているものは、水質では ng/ml、底質ではng/g-dryのことです。

調査の概要
    調査対象地点 .... 河川8地点、海域7地点、湖沼3地点の計18地点。1986年度からの
                      継続調査地点は河川4地点(石狩川河口、桂川宮前橋、大和川河
                      口及び五反田川五反田橋)、海域3地点(大阪港、播磨灘姫路沖
                      及び玉島港沖)及び湖沼1地点(諏訪湖)の計8地点。
    (地図をクリックすると拡大図がみられます。)
    st04s.gif
        地点一覧表 .. St9504.txt

    調査対象物質 .... 化審法の第一種特定化学物質を中心に、環境中にかなりの範囲か
                      つ程度で残留している物質を対象。1995年度は次の20物質。
      (1) HCB
      (2) ディルドリン
      (3) DDT類  3物質(p,p'-DDE、p,p'-DDD、p,p'-DDT)
      (4) クロルデン類  4物質(trans-;cis-クロルデン、trans-;cis-ノナクロル)
      (5) HCH類  2物質(α-HCH、β-HCH)
      (6) ジクロロベンゼン類  3物質(o-;m-;p-ジクロロベンゼン)
      (7) BHT
      (8) ターフェニル類  3物質(o-;m-;p-ターフェニル)
      (9) リン酸トリブチル
     (10) ベンゾ[a]ピレン

    分析法等の概略

調査結果
    調査地点別結果
      水質 .. 十三湖,仙台湾,甲府市内河川,琵琶湖,播磨灘姫路沖,四万十川河口,洞海
              湾,五反田川五反田橋の8地点では、調査対象物質のすべてが検出されませ
              んでした。他の10地点も、それぞれ1~5物質の検出で、全体的に低い検出
              状況でした。
    底質 .. 底質からの検出状況は水質に比べて全体的に高く、16地点で5~19物質が
              検出され、7地点では過半数(11種)以上の物質が検出されました[諏訪湖
              (12),大阪港(17),神戸港(11),大和川河口(19),玉島港沖(17),四万十川河
              口(13),洞海湾(12)]。また、最高値を記録した地点をみると、洞海湾(7物
              質)、大和川河口(6物質)、大阪港(3物質)、隅田川河口(2物質)、神戸港(1
              物質)、十三湖(1物質)であり、閉鎖性の内湾部の汚染レベルが高くなって
              います。

    調査対象物質別結果

    1995年度 水質・底質モニタリング調査結果 (WS950102.txt)

    1986~1995年度の検出状況(WS950304.txt)