1995年度 水質・底質モニタリング調査結果の概要

調査対象物質別結果
  (1) HCB
 (2) ディルドリン
 (3) DDT類(p,p'-DDE、p,p'-DDD、p,p'-DDT)
 (4) クロルデン類(trans-クロルデン、cis-クロルデン、trans-ノナクロル、cis-ノナクロル)
 (5) HCH類(α-HCH、β-HCH)
 (6) ジクロロベンゼン類(o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン)
 (7) BHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)
 (8) ターフェニル類(o-ターフェニル、m-ターフェニル、p-ターフェニル)
 (9) リン酸トリブチル
 (10)ベンゾ[a]ピレン

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  (1) HCB
    HCBは、昭和54年8月に、化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質に指定
    され、実質的に生産、使用等が中止されている。
   水質からは、平成6年度同様、検出されなかった。
      底質からは、0.041~10ppb(平成6年度は0.034~12ppb、以下( )内は平成6年度
    の値)の範囲で検出され、その検出頻度(検出検体/総検体、以下同じ)は7/18(10
    /17)であった。
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 (2) ディルドリン
   ディルドリンは、ドリン系の殺虫剤で、農薬としての使用は昭和30年代がピークで
    あり、昭和46年以降は実質的に生産、使用が中止された。その後、白蟻防除剤として
    は使われていたが、昭和56年10月にアルドリン、エンドリンとともに化学物質審査規
    制法に基づく第一種特定化学物質に指定され、昭和46年以降の農薬としての規制と併
    せて、その使用が全面的に中止されることとなった。
   水質からは、平成6年度同様、検出されなかった。
      底質からは、0.71~9.2ppb(4.9ppb)の範囲で検出され、その検出頻度は2/18(1
    /17)であった。
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 (3) DDT類(p,p'-DDE、p,p'-DDD、p,p'-DDT)
   DDTは、HCHやドリン剤とともに多用された殺虫剤である。農薬としての使用
    は昭和46年以降中止されている。また、昭和56年10月には化学物質審査規制法に基づ
    く第一種特定化学物質に指定された。DDTにはいくつかの異性体があるが、本調査
    においては殺虫剤の有効成分であるp,p'-DDTのほか、DDTの環境中での分解産
    物であるp,p'-DDD、p,p'-DDEの2種の誘導体も含めて調査対象物質とし、モニタ
    リングを行っている。
   水質からは、平成6年度同様、3物質すべてが検出されなかった。
      底質からは、p,p'-DDE、p,p'-DDD、p,p'-DDTがそれぞれ、0.19~28ppb
    (0.12~29ppb)、0.12~18ppb(0.16~13ppb)、0.23~13ppb(0.082~20ppb)の範
    囲で検出され、その検出頻度はそれぞれ、9/18(12/ 17)、10/18(10/17)、3/
    17(6/16)であった。
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 (4) クロルデン類(trans-クロルデン、cis-クロルデン、trans-ノナクロル、cis-ノナクロル)
   クロルデン類は、白蟻防除用、木材(一次加工)用及び合板用に用いられてきたが、
    難分解性等の性状を有するため、昭和61年9月、化学物質審査規制法に基づく第一種特
    定化学物質に指定された。本調査では、クロルデン類8物質を調査対象として実施した
    昭和57年度精密環境調査の結果、特に検出頻度の高かった5物質を調査対象物質として
    選定したが、昭和61及び62年度において全く検出されなかったオキシクロルデンは、
    昭和63年度より調査対象物質からはずしている。
   水質からは、平成6年度同様、4物質すべて検出されなかった。
      底質からは、trans-クロルデン、cis-クロルデン、trans-ノナロル、cis-ノナクロル
    がそれぞれ、0.027~3.9ppb(0.032~7.9ppb)、0.052~4.5pb(0.028~7.5ppb)、
    0.022~4.1ppb(0.028~6.7ppb)、0.032~5.3ppb(0.016~2.ppb)の範囲で検出され、
    その検出頻度はそれぞれ、6/18(6/17)、4/18(7/17)、4/18(5/17)、5/18
    (4/17)であった。
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 (5) HCH類(α-HCH、β-HCH)
   HCH類は、過去に農薬として使用されていたが、昭和46年以降使用が中止されて
    いる。HCH類には多くの異性体が存在するが、本調査においては、α-HCH、β-
    HCHの2種の異性体についてモニタリングを行っている。
   水質からは、平成6年度同様、2物質とも検出されなかった。
      底質からは、α-HCH、β-HCHがそれぞれ、1.7ppb(0.033~0.20ppb)、1.2~
    3.4ppb(0.11~16ppb)の範囲で検出され、その検出頻度はそれぞれ、1/18(3/17)、
    3/18(2/17)であった。
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 (6) ジクロロベンゼン類(o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン)
   ジクロロベンゼン類は、有機溶媒、殺虫剤及び染料の中間体等広い用途に用いられ
    ている。
   水質からは、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼンがそ
    れぞれ、0.005~0.029ppb(0.010~0.21ppb)、0.0002~0.012ppb(0.017~0.018ppb)、
    0.0051~0.44ppb(0.027~0.28ppb)の範囲で検出され、その検出頻度はそれぞれ、5
    /18(3/17)、4/18(2/17)、9/18(9/17)であった。
      底質からは、それぞれ、0.40~60ppb(0.38~46ppb)、0.065~21ppb(0.058~14ppb)、
    0.98~120ppb(0.67~75ppb)の範囲で検出され、その検出頻度はそれぞれ15/18(15
    /17)、11/18(10/17)、17/18(16/17)であった。
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 (7) BHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)
   BHTは、酸化防止剤及びプラスチックの劣化防止剤等の用途に用いられている。
   水質からは、0.025~0.059ppb(0.011~0.030ppb)の範囲で検出され、その検出頻
    度は2/18(3/17)であった。
      底質からは、0.27~63ppb(0.19~70ppb)の範囲で検出され、その検出頻度は14/
    18(11/15)であった。 
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 (8) ターフェニル類(o-ターフェニル、m-ターフェニル、p-ターフェニル)
   ターフェニル類は、熱媒体及びその原料として使用されている。
   水質からは、3物質すべてが検出されなかった(m-ターフェニル:0.0074ppb、1/17)。
      底質からは、o-ターフェニル、m-ターフェニル、p-ターフェニルがそれぞれ、0.070~
    22ppb(0.028~18ppb)、0.73~140ppb(0.44~140ppb)、0.11~120ppb(0.24~110
    ppb)の範囲で検出され、その検出頻度はそれぞれ、4/18(5/17)、13/18(13/17)、
    12/18(13/17)であった。
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 (9) リン酸トリブチル
   リン酸トリブチルは、金属の抽出溶媒及び製紙用・繊維加工用消泡剤等に用いられ
    ている。
   水質からは、0.017~0.072ppb(0.025~0.45ppb)の範囲で検出され、その検出頻度
    は4/18(4/17)であった。
      底質からは、0.52~60ppb(0.79~49ppb)の範囲で検出され、その検出頻度は11/
    18(10/17)であった。
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 (10)ベンゾ[a]ピレン
   ベンゾ[a]ピレンは、コールタール処理、石油精製等の製造過程及びタバコの燃焼等
    で非意図的に生成される化学物質である。平成元年度に実施した環境調査の結果、水
    質からは検出されなかったが、底質からは高頻度で検出されたため、平成3年度から新
    たに調査対象物質とした。
   水質からは、平成6年度同様検出されなかった。
      底質からは、8.8~1,700ppb(7.3~1,600ppb)の範囲で検出され、その検出頻度は
    15/18(15/17)であった。