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生きものの飼育と標本の作り方

海辺にすむ生物を採集し飼育したり、標本作りをすることは、海やそこにすむ生物に親しみを持つための第一歩です。難しい技術を必要とするものもありますが、簡単なところから始めてみましょう。

1.採集する

1.1 採集するときは

採集するときは 海辺にすむ生物を手で拾い上げたり、網ですくったり。いろいろな採集物を抱えて家に帰ると、どこで採ったものか、どんな様子でいたものか、後からその整理が大変です。採集したときのメモを残しておくと参考になります。

耐水紙という水にぬれても破れない特殊な用紙が市販されていますので、使いやすい大きさにカットして海に持って行くと便利でしょう。また、耐水紙製で手帳サイズのレベルブックも市販され、文房具店などで手に入れることができます。こういったものを鉛筆と一緒にポケットなどに入れておきましょう。

では、採集時にどんなことをメモすれば良いのでしょうか?特に決まった形はなく、気がついたことをどんどんメモしていけば良いのですが、次のようなことを参考にしてみてはどうでしょうか。

採集地採集地
採集年月日採集年月日
採集場所採集場所 砂浜とか岩場の潮だまりとか、生物の生息していた場所です。また、「波のしぶきがかかるような所」とか、「ひざくらいの深さの所」といった深さも記録しておくと良いでしょう。
採集方法採集方法 「網ですくった」とか、「拾った」といった生物を採集した方法です。
密度(量)密度(量) 決まった面積の中にどれくらい生息しているか。正確に数えられない場合は、「非常に多い」とか、「海底をほとんどおおうほど」といった表し方で記録する方法もあります。
周辺の生物との関係周辺の生物との関係 生物の中には単独で生活する種類もいますが、ある種のイソギンチャクのように決まった生物の上に付着して生活する種類もいますので、生物相互の関係も観察し記録しておくと、新しい発見があるかも知れません。
スケッチスケッチ 採集時には生きていて美しい色彩であったものが、死んでしまうと色がくすんでしまったりすることがよくあります。簡単なスケッチを残したり、写真に撮ったりすると、後から記憶に頼らなくても良いので便利です。

1.2 採集時の服装

海で採集を行うときの服装は、できるだけ軽装であるほうが良いのですが、雨が降ったり、風が吹いたりして急に気温が下がって寒くなることがありますので、ヤッケやレインウェアーなど保温の準備をしておくことが大切です。

採集時の服装
服装 説明
水着 当然ですが、海の中に入って採集するときには必需品です。また、日焼け対策、擦り傷やクラゲ・ガヤ類から肌を守るためにもシャツを着るなどして、できるだけ肌の露出を少なくしておきましょう。
足元 岩場を歩き回るのですから、普通の運動靴でも結構ですが、ダイビング用のマリンブーツや釣り用の磯タビなどもお勧めです。このほか、田植え用タビも滑らなくて、使い勝手が良いようです。ビーチサンダルなどは絶対にやめましょう。
軍手 岩につかまったり石をひっくり返すので、手の保護をしておかないと、気がついたときには手のひらがボロボロになっていたりします。ダイビング用のグローブもありますが、軍手でも十分です。

1.3 採集の道具

採集の道具
タモ網
(手網)
釣り具店やホームセンターなどに行けば、手に入れることができます。

丸形から四角形まで形や大きさはさまざまですが、網の先端部分が真直ぐになっている半円形や四角形の網を選ぶのがポイントです。
タモ網(手網)
クワ
クマ手
スコップ
砂や泥の中にいる生物を採集する時に使います。 クワ・クマ手・スコップ
ハンマー
イソガネ
岩にしっかりと付着したフジツボやカキなどの生物を採る時に使います。

イソガネ(スクレッパー)は鉄製の丈夫なヘラですが、手に入らない時は幅広のマイナス・ドライバーでも代用できます。
ハンマー・イソガネ
バケツ 採集した生物を生かしたまま海水と一緒に運びます。

持ち運びに便利なキャンバス生地のものや海水の温度が変わらないように発砲スチロールで周りを覆ったもの、エアーポンプがセットできるようになったものなど、色々なものがあります。
バケツ
その他 小型生物の観察や採集を行うにはルーペやピンセットがあれば便利ですし、大小のビニール袋、輪ゴム、サンプル瓶などもあった方が助かります。

サンプル瓶は蓋がしっかりと閉められるものであれば、どんなものでも結構ですが、大型のホームセンターに行けば市販されているものもあります。

また、採集物を台所の三角コーナー用水切りネットに小分けした後、まとめてバケツに入れておくと、採集物が混じらなくて大変便利です。

海辺で生物を観察したり採集したり、動き回っていると注意していても擦り傷や切り傷を負ってしまいます。

そんな時のために、消毒液やキズテープを持っていくと助かります。

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