環境測定分析統一精度管理調査に関する平成28年度調査結果の取りまとめについて

１．平成28年度調査結果の概要

平成28年度は、下記の項目について調査を実施しました。

（１）基本精度管理調査の調査項目

・廃棄物（ばいじん）試料　溶出試験による重金属類（鉛、六価クロム、銅、亜鉛）

（２）高等精度管理調査の調査項目

・模擬水質試料　揮発性有機化合物（ジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,4-ジオキサン）

・底質試料　ダイオキシン類

　107の地方公共団体、335の民間企業から調査項目に係る回答がありました。調査結果については、廃棄物（ばいじん）試料（溶出試験による）の鉛については、過去の結果と比較して同等の結果でした。銅については、過去の結果と比較して試験液濃度が低くなったことを考慮すると、良好な結果が得られました。しかしながら、亜鉛については、比較的濃度が高かったにもかかわらず、鉛と比較して精度が悪いという結果になりました。六価クロムについては、全体的に精度、正確さ（真度）とも良好な結果ではありませんでした。模擬水質試料中の揮発性有機化合物（ジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,4-ジオキサン）については、設定値と平均値がよく一致しており、精度も良好な結果でした。ダイオキシン類について底質試料としての追跡調査を行いましたが、異性体の項目により精度は異なるが、全体的には過去の結果と比較すると、TEQ(Total)及びTEQ（PCDDs及びPCDFs）に関する今年度の精度は、良くないという結果でした。

　なお、環境測定分析検討会においてとりまとめられた講評について、その詳細を環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトのトップページ（http://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）の『お知らせ』に掲載しています。

２．平成28年度環境測定分析統一精度管理調査結果説明会の開催について

　平成28年度に実施した調査結果の説明会を東京、大阪及び福岡の３都市において２月から開催します。開催予定や応募方法等は下記のとおりです。なお、応募者多数の場合は、平成28年度環境測定分析統一精度管理調査に参加した機関を優先いたしますので、あらかじめ御了承ください。

＜開催予定、スケジュール＞

（１）東京会場

日時： 平成29年３月９日（木）13：00～17：00

場所： 一般財団法人主婦会館プラザエフ　カトレア

〒102-0085 東京都千代田区六番町15

URL http://plaza-f.or.jp/index2/access/

（２）大阪会場

日時： 平成29年３月１日（水）13：00～17：00

場所： 大阪コロナホテル　別館100AB会議室

〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路１-３-21

URL http://osakacoronahotel.co.jp/　　　

（３）福岡会場

日時： 平成29年２月22日（水）13：00～17：00

場所： 福岡県自治会館　201＆202会議室

〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代４-１-27

URL http://osakacoronahotel.co.jp/

※各都市の本説明会のプログラム等の詳細は、環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイト(http://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）に掲載しております。

＜募集期間＞

平成29年１月27日（金）から２月10日（金）（当日必着）まで

＜参加希望の申込み等に関する問い合わせ＞

一般財団法人　日本環境衛生センター　環境科学部（担当：紀平、鹿島）

〒210-0828　川崎市川崎区四谷上町10-６

TEL 044-287-0766 　 FAX 044-288-5232　　

E-mail 環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトのトップページ（http://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）の『お問い合わせ』より

※申込みは、参加申込書をウェブサイトからダウンロードして、E-mail、郵送又はファックスでお願いします。

参考（環境測定分析統一精度管理調査の背景）

　我が国においては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の法令に基づいて、環境基準の設定や汚染状況の監視、工場・事業場に対する排出規制、公害防止・環境保全に係る国・地方の各種計画等の策定等、様々な施策が実施されています。

　環境測定分析は、これらの法令の施行や制度・施策の実施のための基礎であり、地方自治体や民間の環境測定分析機関において測定分析に携わっている技術者が、これを支えています。

　環境測定分析の方法は、法令等によって公定法として規定されています。しかし、試料の採取・保管・前処理から、測定分析機器・薬品等の管理・調整・操作に至るまで、公定法に規定されていない細部を含めて、測定分析に携わる技術者の技能・経験・考え方が、データの精度に大きな影響を及ぼします。

　環境測定分析の精度が確保されなければ、上記の法令や制度・施策の実効性が損なわれ、環境行政への社会の信頼を揺るがす事態となります。また、誤った測定分析データにより適切な排出規制が行われず、適切な対策が講じられなかった場合には、それによって失われた環境の修復に多大な費用・労力と長い年月を要し、大きな社会的・経済的損失を招くこととなります。こうした背景から、環境省では、「環境測定分析統一精度管理に関する調査」を毎年度継続して実施し、環境測定分析機関による測定分析の精度の向上及び信頼性の確保を図っています。

　本調査は、近年では500前後の環境測定分析機関が参加する我が国でも最大規模の調査です。また、長期的な計画に基づいて、幅広い試料や項目を対象とするとともに、試料ごとに統計的な分析・評価を行い、その評価結果などについても明らかにしています。

　また、調査結果については毎年度「調査結果説明会」等を開催し、分析上の留意点や分析結果に関して分析機関に技術的な問題点等をフィードバックしています。

　併せて環境測定分析統一精度管理調査専用ウェブサイト

（http://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）において、環境測定分析の精度向上に資する情報などを提供しています。