環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第11回超長期ビジョン検討会議事録


平成19年8月17日(金)13:30〜17:00
環境省22階 第1会議室

○議事次第

1.開会

2.議事
  (一)超長期ビジョンの検討について
  (二)その他

3.閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1
超長期ビジョンの検討について

【参考資料】

参考資料1
第10回超長期ビジョン検討会(平成19年6月28日開催)議事録
参考資料2
超長期ビジョン検討会名簿

出席委員

安井至座長、西岡秀三主査、明日香壽川委員、柴田康行委員、花木啓祐委員、原沢英夫委員、細田衛士委員、森口祐一委員、山本博一委員、若林敬子委員

午後1時30分 開会

○弥元環境計画課長 そろそろ時間でございます。お一方お見えでない先生がいらっしゃいますけれども、始めさせていただければと思います。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 配付資料といたしましては、資料1「超長期ビジョンの検討について」と、参考資料といたしまして第10回超長期ビジョン検討会の議事録、参考資料2といたしまして、超長期ビジョン検討会の名簿でございます。
 揃っておりますでしょうか。
 それから、大変恐縮でございますけれども、資料1につきましては、今後、引き続き内容、データの精査などを行いたいと思っておりますので、この検討会終了後、回収させていただければと考えております。よろしくお願いいたします。
 申しおくれましたけれども、私、8月から事務局を務めさせていただいております総合環境政策局環境計画課長の弥元と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは安井先生、お願いいたします。

○安井座長 お暑うございます。
 それでは、第11回超長期ビジョン検討会を始めさせていただきます。
 苦瀬さんが異動されまして、困ったことなんですけれども(笑)、それで今、自己紹介いただいた弥元さんが新たに加わりました。
 実を言いますと、今日の会議終了後、お手元の資料1を回収することになっておりますが、完全に回収されてしまうと後が困る部分も若干ないわけではございませんで、今日の最後のあたりでこういうことをお願いしようと思っているんですけれども、実は今、この超長期ビジョンの結果の発表のあり方を再検討しなければいけないような状況になっております。次回、あと1回もしくは2回、多分1回で終わるのではないかと思っておりますが、その間に各委員に、第10回超長期ビジョン検討会で合意を得たと思うんですけれども、個人的見解をぜひお書きいただきたいと思っております。
 それで、今日このご説明をいただきますけれども、やはりなかなか細かく書き切れないようなところがあって、その状況を踏まえて、各委員の皆様の、多分統一されていない意見になるんだろうと思いますが、個人の責任でお書きいただけることはお書きいただき、それを添付した形にしたいと思っております。
 そうすると、「資料1がないと書けないじゃないか」というプラクティカルな問題が起きまして、それをどうするかは、これまた事務局と相談でございますけれども、ご存じのような政治情勢でございますので、9月ぐらいになりましたら、これをまたお手元にお渡しするような形にできたらと思います。
 ですから、その間にぜひとも─分量等は皆様によるかもしれませんけれども、アッパーリミット3,000字、A4判3枚ぐらい、短い方は500字でも結構ですけれども、そのぐらいの作文をおやりいただきたいというのがお願いでございます。
 ですから、今日、すぐに作業を始めたいとお考えの方は、ぜひここにございますネタをメモとして拾っておいていただいて、それに対してご意見をご用意いただくというようなことではいかがかと思っております。
 そのような前振りでございまして、本日は比較的単純─というわけでもないんですけれども、お手元の資料について一応のご説明をいただいた上で、皆様からまた一通りご意見をいただいて、それをもとにといいますか、今、申しましたようなことでご準備をいただくことになるのではないかと思います。
 それから、これまた最後でよろしいのかもしれませんが、実を言いますと、これ以外にもさまざまな未来予測的なデータといいますか、アクティビティが幾つかのところで行われてございます。主としてエネルギー関係の未来ビジョンみたいなことがいろいろと言われておりまして、それに関しましては全員ということではなく、エネルギー、廃棄物といったものにご関心の深い委員とは、ボランティアで打ち合わせをさせていただきたいと思っております。具体的には、他のデータをもう一遍クリティカルに検討させていただいて、その報告書をもとに、一体これは何を意味するのか、何が言え、何が言えないのかということを判断していただきたいと思っているような次第でございます。
 エネルギーと廃棄物でございますので、─エネルギーというのは本当は何にでもかかわるんですけれども、かなりハードな意味でのエネルギーでございますが、そのエネルギーと廃棄物系の方には、そういう検討会にご参加いただけるかどうか最後にお手をお挙げいただいて、多分、検討会というよりも、むしろ打ち合わせみたいな形で行われるのではないかと思っております。
 前振りは以上でございまして、本日の議事を進めさせていただきたいと思いますが、今日は、まず事務局側から30分ぐらいのご説明をいただくことになっております。その後、議論に入りたいと思いますので、よろしくお願いします。

○日比野氏 お手元の資料1を用いてご説明させていただきます。
 前回の検討会は6月28日でして、その会合の後、資料1の原形に加筆等し、7月初旬に先生方にお配りしまして、皆様から非常に有益なご意見等いただいたり、情報としてここに折り込めそうな材料をご提供いただきまして、まことにありがとうございました。
 皆様方とともにアドバイザリーボードの先生方、環境省内の関連する各部局の方にもこの報告書をお見せしまして、いただいたご意見、ご指摘等を踏まえて大幅に修正し、本日に至り、今、お手元にお届けしたものとなっております。
 とはいうものの、6月、7月の頭に皆様にお送りしたものとかなり重複する部分もありますので、重複する部分については比較的簡単に、新たに加筆、変更した部分を重点気味にお話しさせていただければと思います。
 まず、ちょっと目次で見ていただきたいのですが、おおむねの構成は大きく変わっておりません。最初に、本検討の趣旨とか検討の体制といった枠組みについて書いております。次に2章として、社会・経済の趨勢。この部分についてはこれまでと同様に、この検討会でどう予測するか、どう推計しているかではなく、他の省庁なり研究機関なりでどのように予測されているかというものをサーベイしたものです。
 こういったことを念頭に、では、持続可能性へのリスクとしてどんなものが考えられるのか。地球温暖化の観点、物質循環の観点、生態系の観点、そこに入らないものも含めて、どのようなものがあるかを書いたものが3章になります。
 続く4章では、そういった問題に対応して持続可能な社会を達成するためには、どうしていかなければいけないかといった環境像について3つ、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、これは21世紀環境立国戦略と同じ枠組みで整理しております。
 そういった環境像を達成するためには、どのような社会像になっていなければならないかを、続く5章に書く整理にしております。
 そして6章に、その社会像に到達するための─ずっと2050年の話をしているのですが─途中の経過はどうなっていなければならないかを書いて、最後にむすびということです。
 その他に、参考文献の後に参考資料が続いておりますけれども、これもこれまでと同様、皆様方から合宿を中心にいただいたご意見等を列挙したものが参考資料1、それらを関連しそうなものを線で結び、フロー図にして参考資料2に載せております。
 そして、後ほど簡単にご説明していただきますが、増井さんの方でこれらの検討を、あらゆる環境問題、そのバックとなる社会・経済を整合のとれた枠組みで分析したモデル、それについての分析結果が本章にありますが、具体的なロジック等については参考資料3に掲載しております。
 以上が本報告書全体の枠組みになっております。
 それでは、各章ごとにご説明させていただきます。
 まず1ページ、本検討の趣旨。この部分は今までの資料に若干加筆しておりまして、基本計画の中での超長期ビジョンの位置づけ、バックキャスティング手法の採用等について書き加えております。
 2ページ。ここについてはこれまでなかったのですが、検討委員の名簿でありアドバイザリーグループの名簿、そういったものを載せているところでございます。
 4ページ。ここは増井さんの方で新たに書き下ろした部分で、後ほど増井さんにご説明していただきますが、ここで用いているバックキャスティング手法の考え方について整理させていただいております。
 続いて5ページ、検討の手順です。これも今までと一緒ですけれども、(1)から(3)に至り、まず問題の整理をし、環境等を整理し、どのような将来像になっていなければならないか、幾つかのシナリオを検討して、道筋についても検討したという流れを書いております。
 6ページからが社会・経済の趨勢です。これにつきましては、先ほどもご説明いたしましたとおり、あくまで研究機関、行政等の将来見通しであり、本検討会の見通しではないというところでございます。
 1番に人口問題、少子・高齢化、過疎化の新点について、これまでどおり書いてありますが、7ページ、過疎に伴い、農村だけではなく都市でもさまざまな問題が生じる点について若干加筆しております。
 7ページの後半から、経済について書いております。これは、これまでと大きく変わっておりませんで、世界経済の見通し、8ページの下の段に行きますと我が国の経済の見通し、9ページに産業構造の見通し、そのような流れになっております。
 11ページには、ライフスタイル、1日の生活時間、将来の国民の姿等を統計、文献から持ってきたもの、これは全くこれまでと一緒です。
 13ページには、国土と社会資本。社会資本ストックが、この先、人口減、インフラの一巡というところで新規投資は減っていきますが、過去に建てられたものの更新の時期がやってきますので、更新投資が上昇し続ける旨を書いております。そして日本の住宅の耐用年数が短いこと、中古住宅市場が極めて小さいこと等を書いております。あと、この先モータリゼーションがどうなっていくかというところを書いております。
 16ページに「自給率」という括りが今回、初めて出ております。前回は「食料・木材」という分類にしていて、食料と木材をくっつける必然性も余りなくて違和感があったのですが、食料でも、今、ここで何を問題にしたいかというと食料自給率であり、木材についても木材自給率が問題ですので、「自給率」という括りでエネルギーと、あと沖先生の取り組みであるバーチャルウォーターの記述を加えることで、自給率という分類をつくりました。
 続きまして、19ページです。国際社会。前回まで、タイトルとここに書くであろう単語を並べるにすぎなかったのですが、ここは太田先生にほとんど書き下ろしていただきまして、それを掲載させていただいております。
 何が書いてあるかと申しますと、まず大きな1段落目については、国際社会の人口、貧困について書いております。2段落目につきましては、これから急成長していく国がありますので、その中でのCO排出量の増加について書いております。3段落目は貿易にかかわるところを書いておりまして、WTO、FTAの状況について書いております。最後については、それらのまとめ、ステークホルダーに短期的、中期的な問題が生じないように緩和していく必要があるだろう旨をこの章で書いております。
 以上が2章でして、3章では、持続可能性へのリスクというところを書いております。
 まず最初、3−1というところで地球温暖化に関する問題。これはおおむね今までと変わっておりませんで、IPCCの最新の第4次報告書の結果を引用して、温度上昇の見通し及びその温度調整に伴う影響について記述しております。あと、温暖化と非常に関連強く問題となるエネルギー資源の問題についても、あわせてここに書いております。
 続きまして、23ページから物質循環に関する問題を書いております。ここでは、物質循環の枯渇問題というところで、さまざまなレアメタルの危険性について書いております。
 23ページの後半部分から24ページが新たに追加した部分でございまして、希少金属といっても非常にさまざまな金属がありまして、重さ、価値、それぞればらばらなので個別に見ていくしかないかと思われるところを、物質・材料研究機構の原田先生が、統一的な指標で見られるようにエコロジカル・リュックサック、1つの金属をとるために現地でどのくらいの鉱物が廃棄されているか、そういったもので重みづけをすることで単一指標化して、非常に見やすい形で提案された指標を取り上げております。
 金属同士の積み上げというのはなかなか難しいのですが、それを積み上げて足し合わせていって、では埋蔵量がどのぐらいになるかという比較をしますと、その総量で見ると2050年に埋蔵量相当にぶち当たってしまって、この指標で見ても、2050年ぐらいが枯渇の危機ではないかということを示しております。
 続いて24ページからは、物質フローの話です。これについてはマテリアルフローということで、前回お見せしたものと同一ですが、日本国内に輸入によってどれだけ入っている、国内資源にどれだけ入ってくる、それらが天然資源として入ってきて、ぐるっと回って、循環利用とともに総物質投入量ということで、それがどのような用途に使われているかを示した図です。
 こういった概念に基づいて、25ページの真ん中部分、資源生産性、循環利用率、最終処分量、こういった指標を循環基本計画の方で用いておりまして、それについて逐次、進捗状況を確認しているという指標です。これも前回から載せてはいるのですが、3つグラフを用意しておりまして、その3つの指標、資源生産性というのはGDPを天然資源と投入量で割ったもの。循環利用率というのは全部の投入量に対して循環して使われている材の量がどの程度か。最終処分量は、文字どおり最終処分されている量、それらの進捗状況を見ているところですが、これはあくまで量で見ている単位ですので、希少金属の扱いなどが埋もれてしまって非常に見にくくなっているので、そういった希少金属について、ただグラムだけではなくて、先ほどご紹介したエコロジカル・リュックサック、隠れたフロー、そういったもので重みづけしたものを用いるべきではないかという提案を25ページ後段から26ページにかけて行っているところでございます。
 こういった新たな指標の提案も織りまぜております。
 27ページ、これは森口先生からご提案いただき、つくられた指標ですが、今までの循環利用率の中で漏れているもの、例えばバイオマスを中心とした再生可能資源の投入量、こういったものがマテリアルフローの中でどのようになっているか、あと循環利用、再生可能資源量、残るはというと、それはもうバージン材になりますので、そういったバージン材はどのような状況になっているのかが見てとれるような指標を、先ほどの3つの指標以外に提案していただいて、それの振る舞いを書いているところでございます。
 個々の説明は省きますけれども、全体感としては、それなりにいい振る舞いをしているかのように見えますけれども、どうしてもマテリアルで見ているので、瓦礫等、鉱物系の岩石、砂利等のリサイクル状況が大きく効いてくるのですが、そういったものを外してみると、決していい進捗状況ではない旨が指標から読み取れるようになっております。
 続いて28ページ、建築・土木鉱物からの廃棄物発生量ということで、国立環境研究所の橋本先生の取り組みを載せておるわけですが、今までのインフラ整備状況から鑑みて、過去の日本での蓄積量、それが寿命を迎えてどれくらい廃棄されているかを推計したものですが、その推計を見ておわかりのように、2000年と比べて2030年は建築・土木鉱物からの廃棄量が現状の2倍、非常に大きな量が出てくることが予想されるところでございます。
 続きまして、29ページには近年の最終処分場の状況について書いております。
 30ページからは、生態系に関する問題について記述しております。生物多様性の劣化、31ページには森林資源、食料、水産資源というところについての問題等を並べて書いてあるところでございます。
 続いて33ページ、今、ご説明してきました温暖化、循環、生態系の3つからどうしても漏れてしまう問題を、この「その他の問題」というところで取り上げています。いわゆる従来からの環境問題と位置づけられている大気汚染の問題、国内の大気汚染とともに大陸起源の大気汚染の問題についても33ページの下で触れております。水質汚濁については、現状の達成状況を書くとともに、35ページには、水保全に関する長期ビジョンが幾つかの県で定められておりますので、それについての事例、霞ヶ浦、印旛沼、手賀沼、琵琶湖、児島湾での事例を掲載しております。
 続きまして36ページには、土壌汚染。今の土壌汚染の発生件数の増加等について書いております。
 37ページには、化学物質。PRTR制度の施行に伴い、第1種指定化学物質の届けや排出量が減少の傾向にある旨を書いております。
 38ページにつきましては、東京のヒートアイランドの上昇ぐあい、1960年レベルに比べるとかなり上昇している旨を書いております。
 以上が、持続可能性にかかわる問題として指摘されているものについて列記しているところです。
 そういったリスクを鑑みながら、2050年、どのような環境像でなければいけないかという章が39ページから始まります。ここでの分類として、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、21世紀環境立国の枠組みを使いまして、その分野に応じて割り振っております。
 まず、低炭素社会の定義としては、これも21世紀環境立国戦略からの引用ですが、「気候に悪影響を及ぼさない水準で大気中温室効果ガス濃度を安定化させると同時に、生活の豊かさを実感できる社会」としています。そういった低炭素社会を実現するためには、2050年どうなっていなければいけないかという、極めて目標に近い値として下に書いております。
 世界全体の温室効果ガスを少なくとも現状より50%削減しなければいけない。1人当たり1次エネルギー国内供給量を大幅に減少させていなければいけない、再生資源投入率を大幅に増加させていなければいけない、そういった目標的なものとして掲げております。これが具体的にどのような数字になっているかというのは、増井さんの方で計算していただきましたモデルのシミュレーション結果という形で次の章の後半に載せておりますので、そこでまたご説明させていただきます。
 低炭素社会、具体的にどのような環境像になっていなければならないか、低炭素社会の環境像についての説明になります。
 まず、温室効果ガスについては将来世代にわたり人類及び人類の生存基盤に対して悪影響を及ぼさない水準で濃度が安定化している方向に進んでいる旨を書いております。2番、エネルギー資源の枯渇、エネルギー自給率に関しましては、国内で低炭素社会を実現するということは、世界でも同様ですが、エネルギー資源枯渇の問題の回避にもつながりますし、国内についてはエネルギー自給率の向上にもつながっていて、エネルギー問題と非常にリンクしているところでございます。
 あと、エネルギーという観点では、1次エネルギー国内供給量が大幅に減少している、再生可能資源、植物起源の物質についても、そのシェアを大幅に増やしていなければならないという旨を書いております。
 続いて42ページ、ここからは循環型社会から見た環境像の記述に移ります。
 循環型社会の提言については、21世紀環境立国戦略を同様に引用しておりまして、「資源採取、生産、流通、消費、廃棄などの社会・経済活動の全段階を通じて廃棄物などの発生抑制や循環資源の利用などの取り組みにより、新たに採取する資源をできるだけ少なくした、環境への負荷をできる限り少なくする社会」という定義で行っております。
 その際に達成しているであろう目標的なものとして書いているのですが、具体的な数字をポンと入れることはなかなか難しいので、定量的のように見えて定性的な表現、「大幅に上昇している」といった表現で、物質循環にかかわる指標の目標として、2050年達成しているべき状況として記述しております。
 「・」が4つ続きますが、最初の4つにつきましては、おおむね循環にかかわる指標、5つ目の「・」が、そこから生じます環境汚染物質、そういったものが極めて少ない、許容範囲以下になっていなければならない旨を書いております。
 42ページからは、そのときの環境像。先ほどご紹介しましたような物質循環にかかわる指標が大幅に改善されている、いい方向に進んでいる。必ずしも全量だけではなくて、先ほどから申しております採掘時に生じる環境負荷といったものを考慮したものについても大幅に減少している必要があるだろう。
 あと、43ページに移りますが、日本国内だけではなくてアジア等も巻き込んだ、もっとリージョンレベルの循環型社会が成立している必要があるであろう。
 43ページでは、汚染の問題も取り上げております。現状よりかなりきれいな状態になっておりまして、都市部においてはもう汚染はなくなっている、水周りについても非常にきれいな状態になっている、そういった旨を書いております。国際的にもそういったものが共通的によくなっていくようなルール、技術移転等が行われている旨を書いております。
 44ページからは、自然共生社会から見た環境像の記述になります。
 自然共生社会の定義も、これまた21世紀環境立国戦略からの引用になりますが、「生物多様性が適切に保たれ、自然の循環に沿う形で農林水産業を含む社会・経済活動を自然に調和したものとし、また、さまざまな自然と触れ合う場や機会を確保することにより、自然の恵みを将来にわたって享受できる社会」としております。
 これも生態系に関して非常に定量的に、ずばり2050年どうなっていなければいけないかという数字を設定することは非常に難しいので、極めて定性的な表現、ただ、その向かうべき方向みたいなものを示すような形で書いております。
 例えば2つ目ですと、生物多様性の総合評価によって生物多様性の損失に歯どめがかかっているという記述ですが、では総合評価とは何だということになりますと、44ページの下の方に、生物多様性条約事務局の提案している総合評価の例が書いてありますので、そちらを参照して、このようなイメージで、あらゆる方面から評価したものがよくなっているというふうに掲げております。
 続きまして、3つ目、4つ目あたりが自給率との連携になりまして、安全性のために食料自給率を上げるということを書いているのではなくて、やはり自然のことを考えると、農村、山村というものがそれなりに活性化していかなければいけないであろう。そのためには現状より食料自給率が上がっていく社会、一次産業が十分に活性化し、農山村が活性化し、人がそこに住んでいる、そして農地管理、森林管理が十分に行われているという好循環に、農作物だけではなく林産物に関しても同様になっていなければいけないのではないかという目標として書いております。
 そのために、おのずと自給率はよくなっていくはずであろう、またはよくすることで自然共生社会の実現に向かうのではないかというところで、45ページ、白黒で印刷しているために非常に見にくくなっておりますが、上のグラフは食料自給率の金額ベースの推移を示したものと、供給熱量、要はカロリーベースで示したもの。よく言われますのはカロリーベースの自給率で、現状4割程度で推移しているところでございますが、金額ベースですと6割を超えるところで推移しています。それぞれ目標これくらいでいけばいいのではないかというところで、右の方にぼやかして、1つの数字を当てはめているわけではなく、「これくらいのところに来れば」というところで幅を持たせて書いているのですが、その幅の下の方、要は55%近辺にカロリーベースのものがいけばいいのではないか。そして金額ベースのものについては、8割近くを達していればいいのではないかということにしております。
 国産材の割合についても、今は2割程度になっておりますけれども、これが5割程度に引き上がってくると好循環に向かうのではないかというように提案しております。
 では、そのような状況において、自然共生社会というのはどのような状態になっているかを45ページから書いております。
 これは繰り返しになりますが、そういった活性化に伴って農林水産業がよくなり、地域が活性化され、里地、里山が適切に管理され、野生鳥獣の共存が図られていくというようなことです。ただ、反面、必ずしもすべて管理が行き届くわけではない旨も書いておりまして、45ページの下から3行目ですが、管理がなされない二次林、人工林については自然林に移行していくこともいたし方ないのではないかという旨も書いております。
 46ページに移りますと、都市周辺についても、つまり身近なところで触れ合える自然が存在する旨も書いております。
 46ページの[1]の最後のところでは、農業の活性化に伴い自給率の向上につながっている旨を書いております。[2]につきましては、そういった背景もあり、生物多様性が確保されている。[3]につきましては、必ずしも自然のことだけではないのですが、きれいな空間、きれいな水環境が生まれることで非常に快適な生活空間が生まれている旨を書いております。
 ここまでの章で述べてきましたのは目指すべき環境像、自然の側面、循環の側面、低炭素の側面からどうなっているかということでしたが、そういったものが実現している社会像というのはどういうものか、47ページから示しております。
 ここについてはおおむね変わっておりませんので、タイトルを追いかける程度にさせていただきたいと思います。
 まず、5−1、目指すべき環境像を実現している2050年の日本の社会像というところで、(1)社会・経済的側面ということで、人口、世帯が減少はしているけれども、出生率は回復基調にあるとか、あらゆる所で人口が減少しているけれども、どうして地方の都市部に比較的集まって、コンパクトなシティになっているというところ。ただ、ドラスティックに農村部が減るようなことはなくて、先ほど申したような自然環境が維持されている旨が書いてあります。
 49ページには、社会・経済のルールといったものがどうなっていくかを書いております。
 50ページには、経済、産業の状態、そこから一次産業の状態、二次産業の状態、三次産業の状態を52ページにかけて書いております。
 52ページの[4]については、2050年、ライフスタイルがどのようになっているかということを書いております。
 53ページから(2)国土、社会、資本的側面ということで、国土、インフラといったものがどのようになっているかを書いております。
 53ページには、土地利用の状況について書いておりまして、55ページには交通、[3]住宅、建築物の状況、56ページには発電設備、[5]防災、セキュリティの状況について書いております。
 ここは前回とほとんど変わっておりませんのでちょっと走らせていただいて、57ページ、ここは今回、新たに加筆した部分です。
 今まで増井さんのモデルは並行して作業が進んでいて、その作業途中の前提なり、とりあえずの値なりを今の社会像の中に入れ込んでいたのですが、いろいろなところに散りばめていてもわかりにくいところもありますので、今回、このように1カ所に集約した形で載せています。ただ、これについては、絶対に2050年これしかないのだということを言っているのではなくて、一つの姿として整合のとれた形で、こういう社会もあり得る、今までのことはバラバラなことではないという旨を示しております。後ほど増井さんの方から詳細な説明がありますので、説明は省きますが、このように、今の社会像が具体的に、このように定量的に示されているということを書いております。
 58ページ、多様な社会像についてですが、これも当初、こういった2つのシナリオを用意して、それぞれについていろいろな分析を行っていくということだったのですが、今の中間的な取りまとめの段階で、こういった検討をしたにとどめ、それぞれに応じた定量的分析、排出量予測というところまで踏み込まないで、こういった整理を行ったという記述にとどめております。
 59ページからは、2050年の目標、目指すべき環境像を達成する社会像に向かう途中、どうなっていなければいけないか、また、どういうパスだと危ない、どういったパスだと比較的楽に行けるといったところを検討した旨を書いております。これについても後ほど増井さんからご説明があります。
 そして62ページ、まだ終わっていないので書かれていませんが、「むすび」が書かれる予定でございます。
 あとは参考文献、参考資料が続いておりまして、参考資料についてはおおむね前回と変わっておりませんので、説明は割愛させていただきたいと思います。

○増井氏 定量化について簡単に説明させていただきます。
 まず、お手元の資料の75ページ、参考資料3をごらんいただけるでしょうか。
 参考資料3には定量化のためのモデルの概要ということで、この定量化においてどういうモデルを使っているのか。具体的な内容はほとんど前回までと変わっていませんけれども、説明いたしております。
 変更点といたしましては、77ページに産業部門の定義というところがあるんですけれども、この検討の中で、温暖化が重要になってくるので、産業部門の中に原子力発電、火力発電、水力発電、また、この表の中ではなく欄外に書いてありますけれども、バイオマスをエネルギーに転換するといった部門−実際にバイオマスをどういうようにエネルギーに転換するのか、燃やして発電して使うのか、エタノールとして使うのか、いろいろな方策が考えられますし、また、どういうコストがかかるのかといったところで、データの想定は非常に難しいところではあるんですけれども、既存の文献等を調査し、投入係数を想定いたしまして、新たな部門として設定いたしております。
 こうしたモデルを使った実際の計算結果が、57ページに示されています。先ほど日比野さんから簡単に説明していただきました囲み記事の中に、2050年の社会像における各種指標の定量化として記述されています。
 ここに書いてありますのは、あくまで2050年の姿だけであります。これを計算するに当たりましていろいろな前提条件、例えば人口ですとか技術、エネルギー効率の改善ですとか、あるいは消費者がどういう選好をしているのかといったことをあらかじめ想定いたしまして、また、自給率−どれぐらいの製品を輸入しているのか−、あるいは生産された財のうちどれくらいを輸出しているのかといったことも前提といたしまして、先ほど参考資料3の方で紹介いたしましたモデルを使って計算いたしております。
 この図の中には、その前提となるところと結果となるところが混在して書いてありますので、専門家の方から見ると、ちょっとややこしいところもあるんですけれども、全体として「こういうふうな社会だよ」ということを示すために、前提と結果をすべて織りまぜて、同じような形でグラフとして表示しております。
 具体的に左のグラフから見ていきますと、左の方は、それぞれの環境負荷なり経済活動がどういう状況になっているのかを示しています。これは2000年を1=基準といたしまして、2050年がどうなっているのかを描いております。例えば、グラフの右から2つ目、人口は2000年に比べて8割程度になっています。それに対してその左側、GDPは大体3割程度伸びているといった想定をしております。そのときに、それぞれその環境負荷、もちろん技術の想定、輸出、輸入の想定によっても変わってくるんですけれども、今回の想定では、例えばCOの排出量は2000年比で大体40%程度になる、つまり6割ほど削減することができる、1人当たりのエネルギー消費量が4割カットで6割ぐらいになっている、廃棄物の最終処分量が大体5割程度、それぞれそういった結果になっております。
 前回までは、COとか土地とかいったことだけでしたけれども、今回、SOX、NOXといった大気汚染物質、あるいは水質汚濁に関する指標、COD、トータルの窒素、トータルのリンも改めて推計いたしましたので、結果として載せております。
 大気汚染物質の方は、エネルギーの消費量が減るために大気汚染物質も減るという結果になっております。また、COD等を初めとする水質汚濁の量も、水を繰り返し使うという想定を行っておりますので、現状より減少します。また、そういう水質汚濁に関する除去率が上がるといったことを想定いたしておりますので、こうした結果になっております。
 あと、前回、森林の面積だけではなくてボリュームもというご指摘をいただいたんですけれども、今回の計算では、2050年単独だけを見るということで、ボリュームを計算すると、その樹齢等を経年的に計算していかないと、きちんとした評価は難しいので、今回は行っておりません。
 その右側のグラフは、こちらは主に率で表現されているものなんですけれども、各指標がどのように変わっているのか。矢印の根元の部分が2000年の実績値で、矢の先の方が2050年の計算値となっております。食料自給率ですとか木材の自給率は、計算結果というよりも想定値です。食料は、金額ベースではありますけれども、2050年でどれぐらい輸入しているのかという想定、木材自給率の方も木材の輸入の比率を、現状では20%程度ですけれども、それを半分ぐらいまで向上させている、そういう前提を示しています。
 再生可能資源投入指標については、A、Bと2つ書いてありますけれども、こうした指標ですとか、循環利用率といったものもあわせて計算いたしております。循環利用率の方は、現状では10%、あるいは近年非常に上がっておりますけれども、それが20%を超えて二十数%といった結果になっております。これは先ほど日比野さんの説明にありましたが、28ページの建設廃棄物の増加をこのモデルの中に強制的に組み込みまして、2050年あたりには建設廃棄物、現在ストックされている建築物から年間2億トン以上建設廃材が出てくる、その建設廃材の大部分をリサイクルするというような想定を行っており、また、化石燃料の投入が減少しますので、比較的循環利用率が上がるという結果になっております。
 このように2050年の結果をお示ししております。
 次に59ページ、60ページに、2050年に向かう道筋の検討を示しています。本来この検討はバックキャストということで、2050年だけではなくて2030年、その間の期間についてもきちんと検討しなくてはいけないところはあるんですけれども、すべての期間を検討することは非常に難しいので、2030年だけを検討いたしております。
 前回までは、2030年が通る経路によっては、2030年から2050年まで非常に頑張らないと持続可能な社会は達成できないよといったことを示すと、説明をしていたかと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおり、この計算では2030年、あるいは2050年という単年度を計算いたしておりますので、その間にどれぐらい頑張ればという評価は非常に難しいと考えております。
 ですから、61ページにグラフがありますけれども、説明の仕方を変えまして、例えば2030年までは現状の流れで行く。2030年の時点で「このままでは危ない、持続可能な社会にはとても到達できない」ということで、2030年から非常に頑張る。その「頑張る」という水準が、2000年から2050年にかけて持続可能な社会に向けて計画的にいろいろな対策を進めていく、それと同じような想定で2030年から始めた場合に、2050年の姿がどうなっているのかといった形で表現するように変更いたしております。こちらの方も、その前提の想定の仕方が非常に難しいところではありますけれども、参考資料3に書いてありますような投入産出法表をもとに技術の組み合わせを想定いたしまして、2030年あるいは2050年の姿を描いております。
 61ページの図6.2の△が、現状でもある程度頑張ってやることのできる対策、これは温暖化の話ではありますけれども、COの削減について、比較的頑張った場合にCOの排出量がどうなるのかを示しています。さらに、それに加えて追加的な対策を行っていく、例えば原子力発電の比率を上げていく、あるいは炭素の貯留・隔離といったことも積極的に導入していった場合にはどうなっていくのかということを示しているのが○です。+で示されているものが、2030年まで現状で推移する場合の結果なんですけれども、そこから2030年以降、計画的にやっているのと同じぐらいの努力でいろいろな対策を行った場合の2050年の姿です。
 結果から申し上げますと、やはり2030年から始めたのでは、インフラ等の設備がなかなか追いつかないということがありますので、△あるいは○で示されているような環境負荷の低減は実現できないということを示しております。これは本来のバックキャストの意味とは若干異なるかもしれませんけれども、一応こういう形で目標となる将来の像をあらかじめ定めておきまして、それを実現するためにはどういうことが必要になってくるのかを示したということで、これをもって道筋の検討としたいと考えております。
 バックキャストの方につきましては、資料の4ページに改めて「バックキャスティング・アプローチについて」ということで、文章を加えております。
 これまで「バックキャスト」という言葉を本文の中では明示していなかったんですけれども、やはりこの検討会の売りの1つは「バックキャスト」であろうということで、バックキャストとは一体どういうものなのかという説明を示しております。本来ですと、この検討会の中でも安井座長あるいは森口検討員が「バックキャストとはこういうものだ」ということで図で説明されましたが、ここではパワーポイントの動画が使えないといったこともありますので、比較的単純に、図1.1のような形で目標となるような、将来の望ましい社会・環境像を定めておいて、それに到達するための道筋あるいは行動を考える、それがバックキャストであるとしています。フォアキャストの方は、特にそういう望ましい像というものは考えずに、現在、取り込めるような施策あるいは対策を組み込んで、実際、将来に向けて動いていくとしています。こうした2つの違い、評価の仕方があるんだということで記述いたしております。
 本来ですと、このバックキャスト、あるいはフォアキャストもそうなのかもしれませんけれども、この検討会自身は将来像を描くことがメインとなっておりますので、余り細かい政策の検討までは実際してはいなかったんですけれども、先ほど安井座長から説明がありましたように、実際にどのような政策を検討していく必要があるのかといったことも少し書き加えていかなければいけないのではないかも思っており、少しお時間をいただいて、そうした検討を加えられればと考えております。

○安井座長 ありがとうございました。
 一応こういうご説明をいただいておりますが、幾つか事実関係だけクリアにしておいた方がいいかな。
 私もどこまで仕事が進んでいるか、確実に把握しているわけではないものですから、例えば、今、ご説明いただいた61ページの絵ですけれども、これで△の2050年は一応計算されていますよね。それ以外の点に関しては、現状では特にやっていないんですか。

○増井氏 2030年は、やっております。

○安井座長 ただし、その2030年の△と2050年の△を線でつなぐことができるかどうか、よくわからないわけですね。

○増井氏 最初に2050年の姿をボンと描いておきまして、恐らくそれを達成するためには、世の中こういうふうに変わっていなければいけないだろうと。その場合、2030年には恐らくこういうことが起こっているだろうという前提で、2030年のいろいろな想定を行っております。

○安井座長 それについては、整合性はとれている……

○増井氏 とれています。

○安井座長 +のやつは、それほど気にしなくてもいい……。これ、+が2つあるのは。

○増井氏 △と○に一応相当しているような。

○安井座長 そうすると、+△と+○という感じですか。

○増井氏 そうです。

○安井座長 ○の方は特に計算したというよりも、さらに新しい炭素対策というか、低炭素対策を入れたという感じで……

○増井氏 こちらも一応計算はしております。その計算の前提は、57ページの囲み記事の注1のところに書いてありますけれども、例えば原子力発電、炭素隔離技術で30メガトンカーボンほど2050年でCOを吸収させるですとか、あるいは原子力発電を、△の方では現状と比べて0.73倍、4分の1ぐらいは原子力を抑えるという想定なんですけれども、逆にその分、4分の1だけ原子力を上げる、そういった想定をしております。

○安井座長 わかりました。
 そのようなことでございまして、今、ちょっと先走った結論で恐縮ですけれども、例えば57から61ページを取り除いてしまえば、あとは配付しても余り問題なさそうな気がするんですけれども、それはちょっと事務局にご検討いただいておいて。
 そういうことを前提に、いろいろご議論いただきたいと思いますけれども、なかなか議論しにくいと思うので、何か国際事実関係の確認あたりから入っていただいて、徐々に何でも結構という形に行ったらよろしいかと思いますが、何かご指摘等、どこをどうするかという話に関して、ご質問等ございましたら、まず事実関係。

○花木検討員 また同じ意見を申し上げてもいけないので申し上げるんですが、この超長期ビジョンを見るときに、今まだ計算の途中であるとおっしゃった部分が興味の中心ではあるんですけれども、一方では、環境全般に対する超長期ビジョンであることを考えるとき、今のこの中身が地球温暖化問題と水以外の資源循環に特化している感じを私は受けていまして、生活環境に関する記述が十分でないと思っているんです。
 その1つとして、現在の都市的な社会の中で欠けているものが、循環の中では水循環が非常に分断されている、分断されているおかげで雨が降るとすぐ洪水になるとか、あるいはヒートアイランドの問題が深刻になる、そういうことがあるわけですね。それで、私はこの前、水循環の項目をぜひ入れてほしいというコメントを差し上げていたわけですね。それは可能であれば物質循環の中に入れる、あるいは物質循環が資源のことに特化されるのであれば、どちらかといえば自然共生社会のところに入れるのがふさわしいのかなと思ったりもするわけですけれども、現在のこの案で自然共生社会の中に水循環を復活させるとか、現状で水循環が十分でないとか、そのあたりは書き込まれているのか、あるいはそこは適切でないということで、あえて落としておられるのか、あるいは私の意見を見落としておられるのか、その辺、いかがでしょうか。

○日比野氏 正直に申し上げますと、最後に近い感じでして……

○花木検討員 私は20ページぐらいのコメントを送ったんですけれども、それを全部見落としているわけではないですよね。

○日比野氏 それはないです。

○花木検討員 表紙に書いた一番大事なことが、そこなんですよ。2ページ目以下は余り重要でないということではありませんが、1ページ目にそういうことを書いていて、それを……。これからの段階で結構ですが、ちょっと見ていただきたい。
 だけれども、一部組み込まれているところがあって、大気と水の問題の場所がちょっとそぐわないので別のところにということは、そうなっているので、そこはごらんいただいているのかなと思うんですね。
 そうすると、今の点はまた改めてお願いしたいと思います。
 大気と水について、今の案ですと「その他の問題」となっていますよね。「その他の」というのは、いかにもちょっと、本当にその他という感じがするので、大気と水、化学物質、それから幾つかがその他になっていますが、例えばそれは環境質の問題とか、あるいは生活環境の問題とか、もう少し積極的な名称にするに値するものだと思うし、一般の方からすると身の回りの環境というのは非常に大事だという認識が強いと思いますので、そのあたりもぜひご検討いただきたいと思います。

○日比野氏 了解いたしました。

○森口検討員 私が申し上げようと思ったことも、今、花木先生からご指摘のあった点と非常に近いんですけれども、ちょっと気になっていましたのは、むしろ4章の方での、今、花木先生からご指摘のあったことの扱いです。
 43ページの循環型社会の記述の中で、[2]として汚染というところがあって、それから4−3、自然共生の方で46ページに[3]快適な生活空間というサブ項目があって、大気、水に関しては、かなり近いことがそれぞれに書かれているのですよね。これはたまたま循環型社会という切り口から見るか、自然共生社会という切り口から見るかということで、どちらでも書き得るということでこういう書き方になっているのかと思うのですが、そのことと3章で「その他」ということを含めて、やはりここの分野がどうしても、まだ座りが悪いのではないかという気がしています。
 必ずしも旧来の大気汚染、水質汚濁あるいは水循環という問題だけではなくて、やはり国内の各地域の姿をどうしていくのかということを本当はもう少し統合的にどこかに書いておきたいなと思うのですが、一方で、この低炭素社会、循環型社会、自然共生社会という3つのキーワードに沿って整理すると、なかなかうまく入り込まない。だから4つ目の柱を立てるのかどうか、そんな議論まであったのではないかと思います。花木先生からのそういったコメントに関しても、途中段階でそういう議論があったことを私も少し見聞きしておりましたので、このあたりをもう少し、残る時間の中で整理できるものであれば整理していった方がいいのではないか。
 具体的には、4章の今、申し上げた2カ所の記述が少し気になっております。非常に具体的な記述になっているので、恐らく環境省の中で関係各局と調整された中でこういう記述が出てきたのではないかと思いますけれども、特定のところは2カ所書いてあるのだけれども、書いていないことがまだまだたくさんあるような気がしておりまして、だから、そのあたりのバランスをもう少し見ていただければと思います。

○花木検討員 43ページに汚染が残っているのは、以前は前半のところの記述が、大気、水が循環型社会にくっついていた、それがもとのところは移ったんだけれども、ここは移っていない、そういうことではないかと思います。

○安井座長 ちょっと事務局側に検討していただいて、直していただくということでよろしいかと思います。

○山本検討員 57ページですが、この中でまた森林面積が出てきまして、このグラフでいくと、2000年に比べて2割近く面積が増えてしまうんですよね。日本の国土面積の6割以上が森林で、それがまた2割ぐらい増えてしまうと、国土面積の1割ぐらいを森林に持っていくという話になるんですが、日本の国土面積が増えないという前提で、どこから国土面積の1割に当たるような森林を引っ張ってくるのか説明できるのかなと思うんですが。

○増井氏 この中では土地利用というものを、それぞれの産業でこれぐらい土地が必要だということを組み込んでいます。将来的に土地の生産性がこれだけ上がるという前提をもとに計算した結果を示しています。
 具体的にどういうところが下がっているのかということですけれども、当然土地の生産性の上昇の想定によって変わってきます。農業は、やはり生産量が上がりますが、土地の生産性も上がるというような想定をいたしておりますので、農業に必要な土地は下がってきます。それが結局は森林に変わっていくといった結果になっております。また、人口がどうしても減ってくるということで、居住に必要な土地が減ってくる。居住地が減ってくるということは、結局は、ひょっとしたら今、過疎に悩んでいる集落がすべて集落ではなくなって、もとの林等に戻る、かなり乱暴な説明になりますが、そうしたことも入っております。

○山本検討員 その森林の関係で自給率の数字が出てきますけれども、50%の自給率を目標として掲げたときに、何をもって100とするか、そこのところがかなり流動的だと思うんですよね。つまり、現在のような住宅用材とか紙とかパルプといったものに限定した話なのか、ここで議論されているように、金属とかそういうものの代替材まで含めるのか、あるいはバイオマスエネルギーまで含めた総需要量が2050年で増加した上での50%とするのか、そこによって、そこに至る道筋も随分変わってくるように思うんですが。

○増井氏 どうもありがとうございます。
 ここで取り上げておりますのは、バイオマスについては特に想定していないといいますか、除外しております。というのは、バイオマス国内供給の取り扱いは非常に難しいところがありますので、ここでは「出所はわからないけれども、とにかくバイオマスはこれだけ利用可能である」という前提で計算いたしております。そして、そのバイオマスを使って幾らかコストをかけて、例えばエタノールにしたり、あるいは燃やして発電したり、といったことを想定しております。
 ですから、ここの木材自給率の中にバイオマスエネルギーは、実は入っておりません。あくまで現在の産業連関表等で見られている林産物の輸入の比率が半分ぐらいまで上がるといいましょうか、国内産をたくさん使う、そういった想定をいたしております。

○安井座長 他に何かございますでしょうか。
 先ほど、これはまだ計算できていないと言われてしまえばそれきりなんですけれども、60ページから61ページあたり、ここは中間地点から最後のところで、例えば61ページの上から2行目、「非常に費用の高い対策を導入しなければならない可能性が高い」というんだけれども、この辺が意外と鍵かなという気がするんですよね。これを結局、将来このぐらいの投資をしなければいけない、GDPが平均的に1.数%しか伸びないとなると、それだけの高い投資を将来やるのか、そうではなくて今から投資した方が結果的に割安になるのか。中国みたいに経済成長率が高いところだと、30年後のために投資するなんてばかみたいですけれども、日本みたいに経済成長率が低いと、30年後の投資を今からせこせこやっておいても意外といいかもしれない。その方が結果的に、トータルには、将来世代を含めてだけれども、ベネフィットが多いみたいな書き方。要するに、いわゆる経済学的な書き方あたりをもう少し具体的に書く可能性はありますかね。

○増井氏 本来なら、書きたいところではあります。というのは、やはりそこのところをきちんと示さないと、バックキャストという説明から今の記述が不十分なことは私自身も承知しておりますので、書かないといけないと承知しているのですが、そこまで厳密にやろうとすると、やはり2030年だけでは足りなくて、2000年をスタートとしても、例えば10年置きに計算してみるといったことをしないと、はっきり書けないところがあります。とにかく何でもいい、定性的でも何でもいいから書けということであれば書けますけれども、そういう定量的なところの裏付けまで求められると、今の時点ではちょっとしんどいのかなというのが率直な意見です。答えになっていないかもしれませんが。

○安井座長 どこまでいい加減でも書けるかというのにチャレンジしていただいてもいいんだけれども。
 他に何かございますか。
 多分、どこをどうやって書くかはなかなか難しいところなので、余り強い主張をするばかりが能ではないという話もあって、なかなか難しいところがあるんですけれども、準備としては、結局「ここは強くできそうだな」という部分は、やはり把握しておいた方がいいかなという気がしないでもないので、そんなことを申し上げているんですけれども。
 あと何かございますか。
 例えば57ページに2050年のモデルが1個だけポンとあるわけですけれども、これのもう少し細かいところ、例えば輸送における原単位がどのぐらいになっているとか、そのような細かい話は、既に発表されている2050の低炭素社会とほぼ同じですか。

○増井氏 基本的には、エネルギー効率等の前提については同じにしております。ただ、2050の脱温暖化研究で想定されておりますのは、GDPですとか経済活動の大きさそのものが違いますので、そういう意味で、若干想定の違うところもあります。

○安井座長 どちらがどういうふうに違うんですか。

○増井氏 脱温暖化の方では、1人当たりの経済成長率を2%と1%と想定しております。こちらは1.5%を想定しておりますので、ちょうど2つのシナリオの中間的なところを通っております。
 その上で、脱温暖化社会で言われているA社会とB社会、それぞれの想定に相当するエネルギー効率ですとか、あるいは社会の暮らし方といいましょうか、そういう想定をそれぞれこちらでの社会像といいますか、2050年の像に当てはめて計算したために、結果が2つあります。AとBそれぞれに相当するような結果が2つ出てくるので、61ページの図では○と△の2つを示しています。そして、脱温暖化社会で○に相当する方が、より厳しいといいますか、より高効率の技術等を導入したり、原発の想定も高かったり、あるいはCCS等も導入していることになっておりますので、そのような社会を想定すると、90年比で7割ぐらいまで削減することができます。
 そして、脱温暖化で想定されているサツキとメイ型社会に相当するような、比較的緩やかなといいますか、穏やかなエネルギー効率の改善等を想定しますと、5割を少し超える程度のCOが排出されるというのが現状です。

○太田検討員 58ページの2つの準備シナリオですけれども、これは一応シナリオを提示して、定量的な検討はしないという話でしたよね。

○日比野氏 この段階では。

○太田検討員 将来的には、やられるんですか。

○日比野氏 はい。

○太田検討員 それと、51ページの○△+、これは何か対応するようになるんですか。2つ別のシナリオで将来像を提示するのか、○△+との関係性を指摘するのか、そういったことは。

○日比野氏 どういう見せ方をするかは、まだ決めかねているんですけれども、あくまでこの○△+は対策のアクセルの踏みぐあいと、対策の質を変えているところが主なんですが、そのバックとなる社会像は一緒。片やこっちはベースとなる社会像自体を変えてしまう。ですから計算方法としては、やろうと思えばこの4通りがさらに通り増える、これ以外にさらに違ったパターンですので、全部で12通り出てきます。計算するのはさほど難しくないとは思いますが、それをどう見せるか、12個一緒に見せても混乱するだけなので、見せ方は計算後にいろいろ考えていけると思います。

○太田検討員 ただ、一般の読む人にとっては、どちらが望ましいか判断できるように提示された方がわかりやすいと思うんですよね。このシナリオのうちどちらがより望ましいとか、何かあるんですか。それとも、こういう傾向があるだろうということで2つやってみて、とりあえず将来像を提示して、あとは判断してもらうという感じになるんですか。

○日比野氏 やってみないとわからないところはあるものの、多分「どちらが望ましい」とは言えないと思います。例えば、もし本当にグローバルでうまく回っているのであれば、こういう方がいいでしょうけれども、必ずしもそうもいかないので、安全面を考えて少し自立していかなければいけない。どちらを好むかというのはあったとしても、どちらが望ましいとは、多分ここでは言えないと思います。

○安井座長 他に何かございますか。
 ─さて、そろそろ資料1を持って帰れないか持って帰れるか、どうですか。

○弥元環境計画課長 回収することは回収させていただきたいと思います。ただ、委員のご意見ペーパーの作成のため必要だと思われますが、現在仕掛かりの部分もあったり、いろいろ修正をしなければと思っているところもあるものですから、若干お時間をいただきまして、その辺、直し、あるいは「ここにこういう宿題がある」という書き込みだけになるかもしれませんけれども、そういった形にしたものを委員の皆様方にはメールでお送りさせていただければと考えておるところでございます。

○西尾総合環境政策局長 すみませんが、ちょっと前のところも何か気になるところがないか点検した上で、ご意見、ご検討用の、ドラフトの前段階みたいなものをつくって、それを速やかにメールでお送りしたいと思います。

○安井座長 委員の方々におやりいただく宿題は、多分数週間……、1カ月ぐらい全然大丈夫だと思うんですよね。ですから夏休みの間はお休みいただいてというぐらいだと、夏休み明け頃、あと1週間ぐらいには来るぐらいの期待でよろしいかと思いますが、よろしいですかね。
 いずれにいたしましても、余りしっかりメモをとっていただかなくても、1週間か10日ぐらい先には何かドラフトといいますか、ドラフトのドラフトみたいなものが入手できて、それに基づいて個人のご意見をお書きいただけるというような状況かと思います。
 ですから、今日は宿題を幾つか与えていただくというのが大きなところでございますので、こんなことはできないかとか、あんなことはできないかとか、いろいろおっしゃっていただければと思います。

○細田検討員 どのタイミングで言っていいかよくわからないので、先に言わせていただきます。
 多分、コンクリュージョンのところだと思うんですが、これは多分「むすび」でばちっと決めるのは、私は密かに安井先生かなと思っているんですけれども、確かに定量的にバックキャスティングやって「こうこうこうだ」という含意を出すのはとてもいいんですけれども、そろそろ、何というか、余り大きな風呂敷を広げてはいけませんけれども、哲学といいますか─我が国ではあらゆる意思決定のところが、茶の湯の世界で茶碗を右にちょっと回した方がいいか、左に回した方がいいか、いや、右に回すと左のバランスが崩れてまずいからこれでやるとか、そんなことばかり言って、茶をどうやって飲んで味わうかということをやらない意思決定になってしまっているんですね、ディスカッションも。それで、やはりばちんと、グロス・ナショナル・ハピネスがこれで高くなるんだということを最後に締めることが重要だと思うんです。
 特に私、印象的だったのは、これは繰り返し繰り返し申し上げますけれども、ゴールドマン・サックスの将来成長時がどうなるかで、BRICsが高くて、調子よくアメリカが高くて日本は低い。それを逆手にとって、実はそれはすばらしいことで、グロス・ナショナル・ハピネスを足すとアメリカはもうごちゃごちゃになってうんと低くなり、BRICsもめちゃくちゃだけれども、日本は高い。そういうような成熟化した、高度資本主義の先を、30年後か50年後になっている、それを安井先生にばちっと書いていただく。そして、それは定量の結果があるという方向にぜひしていただけないかなと、心密かに思っていることを公にしてしまいましたけれども。(笑)

○安井座長 何をもってしてハピネスとするかというのはなかなか、人によって違いますからね。少なくともゴールドマン・サックスの社員とは違うハピネスを持たないとだめかというのは、そのとおり大事だと思いますね。
 「むすび」に関しましては、実際なかなか難しいところでございまして、何をどういう哲学的な「むすび」を書くかというのは、まだ検討していないという状況でございますし、実際これをどういう形で発表していくかも、実を言うとまだクエスチョンという感じです。したがって、その目的に応じた形で「むすび」を何種類か、「こういう場合にはこういうもの」ということで、つくり直さなければいけないかなという感じもするんですね。ですから、そのあたりはしばらく様子見ですね。

○森口検討員 今、細田先生がおっしゃったことは基本的に大賛成なんですが、ちょっと戻りまして、安井先生がさっきご指摘になった60ページから61ページぐらいあたりの、早目に手をつけないといけないよということは、やはり強調しなければいけないだろうなと思っています。
 例えば、ここにこれだけ書いてあるとさらっと読みとばされてしまうかもしれませんけれども、13ページの社会資本のところで、ほうっておくと、今と同じぐらいのお金しか回せないんだったら、もう更新投資だけで尽きてしまうよ、こんな話も出てくるわけですよね。年金の話はさすがにここには書けないと思いますけれども、要するに、後になればなるほど自由になるお金は減ってくる。こういう書き方をしている以上はですね。
 そういう意味で、そういったところをどこまで踏み込んで書けるかわかりませんけれども、この6章というか、道筋のところはもう少し具体的に書いていかなければいけないだろうと思いますし、これは当然、低炭素社会の議論の中でも出てきたように、なかなか具体論を書きにくいことは書きにくいんですけれども、都市にしろ交通システムにしろ相当時間がかかるので、「いつからこうやって、やっとこのぐらい間に合うんだ」というような話を少しビジュアルに書いておかないと、どうしても茶碗を回し始めるのがおくれてしまうのではないか。
 それと、その回し方というか、これぐらい時間がかかるんだよというサンプルを書いた上で7章につながっていくと美しいのではないかと思いますので、6章の後半のところに何か少し具体例を書き込むとか、そんなことがあってもいいのかなと感じました。
 あと、細かいところで気になっているところはまだいろいろあるんですけれども、これは別途書面か何かでコメントさせていただければいいかなと思いますので、それは今日は控えさせていただきます。

○安井座長 そのあたりの入れ知恵を、でき得るならば各委員のご意見の形で書いていただいて、私も実を言うとそこを書くつもりだったんですけれども─要するに、例えば2050年ということを考えると、今、ここから外に見えるビルのほとんどは、多分、不適格なんですよね。「あんなもの全部壊さなきゃだめ」という結論になりかねないですよね、エネルギー消費量が高くて。そのようなことを考えていくと、もし本気になると廃棄物の量なんてべらぼうなのではないか。ここにさっきの国立環境研究所の橋本さんのやつもあるけれども、もっと増えるのではないかみたいな、そんなことを個人的には書こうかなと思っていました。
 要するに、一番時間がかかるのは社会インフラで、その次が建物、その次が車ぐらいかな、それから家電みたいな順番があって、それこそ10年、15年、30年と時間がかかりますから、そんなことを個人的には書こうと思っていたんですけれども、もしお考えのことがあれば個人の意見をいただいて、場合によってはそこから吸い上げられるものは吸い上げて前に出すというのはありかなと思っております。
 そういうことを考えると、ぎりぎり発表の時期が一番前倒しでいつかというのは、もう一遍事務局に精査していただいて、そこに対して若干の時間的余裕を持って委員の方々からご意見をいただいておいた方が無難かなという気はいたします。
 その辺もまだわからないですよね。一番早くていつか、一番遅くていつか、その辺を少し精査しておいていただいた方がいいかなという気がします。

○弥元環境計画課長 今からお願いするものですから、10月半ばぐらいまでに委員ペーパーをいただければという感じです。

○安井座長 それで間に合うかな。2週間ぐらい前倒しした方がいいかもしれないね。例えば10月1日とか、そのぐらいの方がいいかもしれない。皆さん辛いですかね。まあ、同じですよね。みんな年がら年じゅう忙しい人だから。

○西尾総合環境政策局長 10月中だと、ちょっと危ないかもしれませんね。9月中に……

○安井座長 9月中ぐらいにいただいて、場合によると、そこから前に移せる部分、移せない部分を検討して……。そんな感じではないかという気もしますね。
 他に何か、ジェネラルコメントで結構ですが、ございますでしょうか。

○西岡主査 現状のこのレポートで一体何が言えたんだろうか。第一は、このまま行ったらどうなるか。それから、いろいろな指標できちんと数量的なものを前提として、2050年にどういう社会が望ましいということが書かれているというのが2番目。けれども、それがハピネスとどう結びついているのか、まだちょっとわからないところがある。
 それから3つ目は、今、ずっと議論している話ですけれども、どういうメッセージを出すんだろうかと考えたとき、やはり早目に手を打たなければいけないよという話が多分ある。そのときに大きな分かれ目は、安井さんが最初にご指摘になった、それから増井さんが非常に苦労しておられる、どういう手を打つのが一番安くつくか。その「安くつく」という意味について、これは相当腹を決めておかないと、このレポート自身の価値が問われるかなと思います。
 最近「Nature」で例のスタンレポートに関して、ノルドハウスとスタンが並行して書いているのを読みましたら、ノルドハウスの方は「このレポートは倫理が先走っている」と書いていたんですけれども、それに対してスタンの方は「もともと経済というのは倫理なんだから、それが先走って何が悪いんだ」というようなことを最初に蹴飛ばしてありましてね、だから割引率をどう考えるかという論争がそこに出てきたところで、公平性の係数をどうやるかという論理にまた戻っていくわけだけれども、そういう面で、どちらか腹を決めておかないと、通常型の経済と環境の両立というような形だけでは、もう先へ行けないかもしれんなという感じがしています。
 そのあたりをどこまで結論として考えるんだろうかというのが、これからちょっと大変だなと。コメントです。主査でコメントで申しわけないんですけれども、考えなければいけないことかなという感想を持ちました。

○安井座長 なかなか難しいところですし、例えばIPCCのワーキンググループ3の結論あたりと整合性をとろうとすると、やはり処理費用を具体的に考えないと意味がないかもしれないですね。「どのあたりでCO1トン当たりの処理費用を幾ら見積もる」みたいな話にしていかないと、本当はだめなのかもしれませんね。間に合うか間に合わないかわからないし、無理かもしれないけれども、費用の件。

○原沢検討員 私自身は、多分個別に書いた方がいいと思うんですけれども、2030年ぐらい、中間時点で非常に石油が枯渇するとか、レアメタルもどうも2050年で危ないとか、特に今年は冷夏だと言った割にかなり暑くて、温暖化への国民の関心が非常に高いと思うんですよね。そういう現段階でのこういう作業の印象として、温暖化大丈夫かという話、資源が大丈夫かという話、2030年ぐらいにそういったものが一挙に来て、それをうまく乗り越えて初めて2050年しっかりいっているというふうなところが、結構関心が高くなりつつあるのではないかと思うんですね。そういう意味で、2030年をどう乗り切るか的なところが結構話題になるのではないか。
 かつ、京都議定書の目標達成計画の見直し案が8月10日に発表されたんですけれども、どうもなかなか難しいというふうに実感としてみんな持っているので、それを乗り越えるということで、どういう対策で2030年をうまく持っていけるかというところはやはり関心が高いので、そこら辺についてはもう少し、定量的な話も含めて理論構築しておかないと、世間の目に触れると議論百出になってくるのかなと。それはそれでいいと思うんですけれども、その分、これまでの議論をしっかり踏まえた上で、かつ2030年をどう過ごして2050年に持っていくかというところ、特に第6章などは非常に重要かなと思います。時間も余りありませんけれども、そこはしっかりやれたらなと思ってはいます。

○若林検討員 人口の視点で、やはり48ページあたりの目指すべき社会像の中に出てくることは、やはりかなり厳しいのではないかという気持ちが非常に強いです。
 6ページにありますように、一番気になりますのは、65歳以上ということで一律になっておりますけれども、今、問題は80歳以上の後期高齢者の比率が、数からしても増加率からしても、65歳以上でまとめてしまうとわからないような、非常に高速度の増加が明解なんですね。できたらその辺の、65歳以上を十把一絡げにするのではなくて、80歳以上、国連で言うオールデスト・オールド、あるいは日本の後期高齢者論の75歳以上でもいいんですが、何かもう少しそこをきめ細かいところで数及び増加率を示して、その危機性もう少しはっきりしてほしいという気持ちがあります。
 それから、この前、世帯論からしますと、近々、年度内に2005年に基づく世帯推計が出てまいりますけれども、2000年ベースによる世帯推計からしましても、いわゆる単独世帯、高齢者のひとり暮らし、とりわけおばあさん、高齢女性論の比率が増え、より厳しい高齢化ですね、ひとり暮らし、独居老人が非常に膨大な拡大をしていく。それと絡んで今日、追加していただきましたような、いわゆる過疎地域における限界集落が結びついてくるわけですので、その辺の幅と内容をもう少し書いていただけたら。
 私が書く中ではその辺を書きたいと思います。一辺倒的な人口論ではない、もう少し何か絡みが欲しい。そしてまた、繰り返しになりますが、47、48ページあたりのこういう出生率の回復基調というのは、かなり厳しい状況だということの確認を、感想としては持っております。

○山本検討員 この作業の流れについてもう一度確認しますと、9月中に各委員から個人的な見解をということで、私のイメージでは、この6章に当たる部分をそれぞれの立場からある程度書かなければと思うわけですが、そのときに、61ページにあるグラフ、この予測のモデルの作業ですね、これはこれで並行して動かされるわけですよね。

○安井座長 多分、既に発表されている低炭素社会2050のレポートとそんなに変わらないかなと。あれをお読みいただいてちょっとモディファイしていただくと、そんなに変わったものではないですね。

○山本検討員 つまり、ここでの資料で言うと、75ページから具体的なモデルの概要がありますね。

○安井座長 その結果は、既に国環研から出ている低炭素社会2050のレポートの何ページかな、西岡先生がプレゼンされた際に配られておりまして、それとイメージはそんなに変わっていないですよね。ですから、国環研のレポートはこれよりかなり細かい記述があって、こういう産業がこうなって、こういう産業がこうなって、鉄が半分しかつくられていないとか、そういうことまで全部入っていますのでね。ですからそのあたりをごらんいただくと、こちらの計算の詳細不明でも多分可能ではないか。

○山本検討員 そういうことを想定した道筋の提案ということになりますかね。

○安井座長 そういうことになりますね。
 ただ、鉄の生産量半分というのを余り強調されるとどうかという感じはあるけれども(笑)、それは考え方でございますので、いろいろありますからね。
 多分2050年なんてなってくると、日本国内でバウンダリーを決めて、その中でどうのこうのなんていう議論が成立しているかどうか、そもそも怪しいわけですよね。ですから、これは太田先生あたりにどう思われているか伺った方がいいのかもしれませんけれども、そのあたりになっていると─まあ、わからないですけどね。EU並みに日本もどこかの、アジア─AUなんていう中に入っているかもしれませんけれども。(笑)

○太田検討員 AUはもうありますよ。アフリカユニオン。(笑)

○増井氏 今のことに関連して、ここで示している定量化というのは、無数にある社会像のうち、あくまで一つの事例にすぎませんし、局間でのいろいろな調整等も入っている側面がありますので、実際にはもっといろいろ書きたいといいますか、ドラスティックなことを入れたいという側面も実はあるんですけれども、本文に書くのはなかなか難しい状況ですので、できれば各検討員の先生方には、ご自身のご専門の立場からもっとドラスティックなことを書き込んでいただければとは思っております。

○安井座長 ぼやきになりますけれども、一応これは、ここの会場でやっていることからもおわかりのように、予算がここから出ているものですから、極めてピュアに学術的論文というわけにもいかないんですよね。ですから、どういうスタンスでこのレポートを書くかということ自身、非常に難しいところがあって、国環研は国環研というスタンスで書けてしまうからいいんですけれども、増井さんが今、パッと職を辞めてどこかの大学へ移ってレポートを書けば、もっとすごいのを書こう、こういう話なわけですから、そのあたりがどのぐらい書けるかは、ちょっと難しいところという感じですね。
 太田先生、何か全般的なコメントございませんか。

○太田検討員 花木先生が言われたように、やはり生活者の視点、ビジョンが少ないのかなと思うんですね。もちろん環境が中心ですけれども、人間と環境のかかわりから、どのような望ましい人間と自然の生活、調和のとれた生活がここで提示されるかというのが、1つ足りないのかなと感じました。
 あとは最後の結論のところ、先ほど細田先生が言われたように、大きなメッセージ性のある提言をしてもらうことは非常に重要だと思うんですけれども、それとともにちょっとビジュアルに、どういう日本社会のあり方があるのかというちょっとした絵をかくとか、あるいは世界的な生活様式のわかりやすい絵がいいかなと思ったのと、日本なら日本の社会の生活者から見た2050年のライフスタイル等、長期的な人間の一生をストーリーで簡単に書けるような、そのようなストーリーがあるとおしろいかなと思いました。それも、あくまでも定量的ないろいろなビジョンに基づく、1本でいいと思うんですけれども、そうしたストーリーがあればいいのかなと思いました。

○安井座長 2050年にここで生きている方、だれかおられるかわかりませんけれども(笑)、委員各位に関しましては「2050年、生きていたらこういうライフスタイル」と書いていただくといいかしれませんね。

○柴田検討員 私も汚染に関しては少しコメントさせていただいて、ある程度反映していただいたと思うんですけれども、今ごろこの場でこんな話をしてはいけないんだろうと思いながら、発言せよということですので、一言述べさせていただきます。
 ちょっと細かいことになりますが、エネルギーのところで、原子力というものをスッとここに書き込んでおいていいのかなというのが、個人的には実は気になっています。いわゆる放射性廃棄物の問題、もう一つは原子力の高速増殖炉ができないと資源の枯渇の問題がすぐ目の前に出てくるよという2つの問題があるのに、ちょっとその部分が温暖化の方に向いていて、原子力関係については単にその部分に頼ってしまう形になっているのがちょっと気になっておりまして、そのあたり、もし書けるようであればもうちょっと議論していただいた方がいいのかなと思っています。

○安井座長 △に関しては、原発は増やしていないんですよね。ですから結局、61ページの○だと増えてしまっているんですよね。○だと2割増加かな。
 今の日本社会は、多分現存のものを止めろというほどでもないような気はするんですけれども、皆さん、いかがですかね。

○柴田検討員 専門家ではないので、逆に教えていただきたいんですが、多分、資源という面で考えたときに、高速増殖炉の技術ができないと、いつごろ原子力資源の枯渇の問題が出てくるんでしょうか。

○安井座長 余り確実ではありませんけれども、世界全体の原子炉がどこまで増えるかというのが問題なんですよ。今、世界じゅうで450基ぐらいでしょう。それが2050年は、私は余り増えていないと思っているんだけれども、ただ、アメリカなどは今、原子力復帰の勢いがすごいので、下手すると増えてしまうかもしれない。
 非常にざっくり言えば2050年、今のままでいけばウランの枯渇はまだ起きていないと思いますよ。ただ、全世界のエネルギーが全部原子力になってしまうと、多分、ウランの使用可能な年数というのは現状で10年ぐらいしかないんですよ。だから、世界中を原子力で賄ったら瞬間にウランは飛びますから、それは大問題なんですけれども、そういうこともあって、とにかく今、アメリカなどは他の国に原発をつくらせないという決意なわけですよ。そういう非常にエゴイスティックな判断でやっているわけですよね。それで自分のところにつくりたい。日本がどうするかは非常に大きな問題ですけれども。
 増殖炉はコストが高いので、どうだろうな、2050年には要るとは思うけれども。増殖炉にしたからリスクが高いというほどでもないと思いますけどね。ただ、本当に安全面を考えると、二次系まで窒素置換しようなんていうことを考えると、増殖炉は高いかな。一次系だけ窒素置換ぐらいだったら、どうってことないでしょうけれども。

○柴田検討員 今、安井先生に教えていただいたこと、私も何となくそのようなイメージを持っていたんですが、そうすると、やはり2050年の段階でその先を考えた瞬間に、原子力というのはちょっと考えなければいけないのかもしれない。
 そんなふうに考えたときに、少しシナリオを、特に世界的な動きを眺めたときのシナリオをどう考えていくのかというあたりは、私はとてもその全体を見る力はないんですけれども、ぜひ考えていただければと思っております。

○安井座長 なかなか難しいんですよね。結局、今みたいに500基程度で推移するような話なのか、そうではなくて2050年に例えば1,500基になっているのかで全然話が違ってしまいますからね。インド、中国あたりがどのぐらい原発をつくるかは本当にわからないからね。なかなか書きにくいですね。

○西尾総合環境政策局長 事故のリスクの大きさという端的な話はちょっと置いておいて、全体のセキュリティとか安定性という話で、それが石油とどっちが上だという議論からすれば、必ずしも─これはちょっと意見が分かれると思いますけれども、一応ある程度は2050年まで原発を組み込んで展望しておく方がましなのかなと。私はちょっと科学がわからない、なんて言ってはいけませんけれども、多分そういう政策的なチョイスで決めていくしかないのかなという感じは直感的にします。
 言い方が悪いかもしれませんけれども、原発を見込んでいくことについてどのぐらい安心─安心というのは端的に1つの原子力云々ではなくて、マクロの中に見込んでいくことがどのぐらいいいんでしょうか、あるいはそれが安定的なんでしょうかという議論について、そこだけ考えるとわからないところがいっぱいあるので、安井先生もこっちへ振られたんだと思いますが、私は、それで言えば、ずっと石油を多く見ている方がはるかに不安ですね。不安というか、やはりそこは踏み込んで、ある程度のトレンドといった絵を一応かいておいた方がいいのではと直感的に思っています。

○安井座長 本当は両方、どっちもどっちのリスクですからね。なかなか難しいところですね。

○西尾総合環境政策局長 環境省はどうなんだと世の中でよく責められていて、京都議定書、2012年までのことでどうなるかというところは、もう明らかにする。2050年の議論も、多分、明示では言っていませんけれども、基本的には、そこを忌避していくという政策は当面出る可能性はないと思います。
 差し当たり、やはりそこはいろいろな点があるとしても、克服しながらビルトインしていくという政策以外は考えていない。

○柴田検討員 基本的には私も、すぐにやめろとかそういう話ではなくて、ただ、実はウラン資源そのものもそんなに、例えば何百年ももつという状況ではないということもありますので、2050年の段階でのビジョンを書いた途端に、だけど2050年になってみたらあと二、三十年でなくなりますよという議論だとすると、そういう段階でそういうものに頼った形のシステムをつくること自体が、やはりリスクを抱えることになるだろうというのが1点と、それから非常に難しいのは、多分、放射性廃棄物の問題が、恐らく保存しておくしかないという状況が当面続くだろうと思うんですね。それが、やはりこのまま使い続けた場合にそういう保存場所を日本の中でどう安全に確保していくか、あるいは世界的にどうやっていくかということも大変大きな問題なので、それはそれで、もちろん忘れるわけにはいかないという意味では、どこか頭の片隅にとどめておく必要があるのではないかと思っております。

○安井座長 そうですね。その辺もなかなか議論のあるところで。ただ、日本はこれからどうも過疎化しそうなので、かえって最終処分地は出てくるのではないかという気もするんですけどね。(笑)それが大体、短期的に100年程度を考えるのであれば多分、3キロ×3キロ×深さ3キロを諦めればOKと言われているんですよね。3キロ×3キロ×深さ3キロ、そこの地域を完全にコントロールできればOKだと。それほど大きいわけではない。これも嫌だと言われれば嫌なんですけどね。
 それでは、ウラン資源の話はどこかで聞き込んで書きますか。今回、余り原子力について大幅な修正はしていないから、そんなにここで書き込むこともないような気はするけれども、ウラン資源も有限であることは間違いないし、ただ、ウラン資源が他の資源と違うところは一体何かというと、高速増殖炉が本当にうまく動き出してしまうと、例えば海水ウランなんていうのが実用になる可能性、ないかな、どうだろうな、コスト的に無理かな。
 だから単一のウランで、同じ量のウランで余分なエネルギーがとれるようになると、そのエネルギーを使ってまたウランがとれるようになる、そういう仕組みもないわけではない。ウランが枯渇すると、次はトリウムだと思うんですよね。トリウム転換炉は、多分、動かそうと思えば動くんだろうな。だから、恐らくは本当にやる気かどうかの問題なんですよ。
 それが嫌といえば嫌だし、リスクが全くゼロでなければ嫌だといえばだめだし、若干リスクがあってもエネルギーが必要だといえばやるというぐらいの感じなのではないかと思うんですけどね。

○西尾総合環境政策局長 石油のところですけれども、残存資源の脆弱性というのが今回、心配なのと─レアメタル……

○安井座長 レアメタルしか書いていないんですね。化石燃料は幾らでも世の中にあるものですから、特に書かなくてもいいかなと思うんですけれども、皆さんご意見どうですか。
 ウランはちらっと書いておいてもいいかもしれないですね。まずいかな。一応エネルギー資源……

○西尾総合環境政策局長 そこだけボツにするのは、申しわけないけれども反対ということもございますというのがあったものですから。

○安井座長 そうすると、エネルギー資源の脆弱性の中に……。まあタッチーだからね、今は特に地震の直後で。
 ですから、○のときに原子力が増えているというやつをどうするかですね。その辺、ちゃんと注を書き出すのか。

○西尾総合環境政策局長 このモデルはモデルですけれども、50と70の違いが原子炉の違いなんだと……

○安井座長 だけではないんですよね。

○西尾総合環境政策局長 ……というふうに感覚的になる可能性がどうかという。

○安井座長 なる可能性はありますんでね。CCSと原子力なんですけれども。

○増井氏 効率も。

○安井座長 効率も全部書いてあるんだ。それでは、原子力分は取り除くという手もありますね。

○増井氏 それはあると思います。

○西尾総合環境政策局長 1つ置いてみたということなので、そこは非常に気になるんだと思いますけれども、これは原子力としてはそういう要求したけれども、何かそこに話がいってしまうとそれだけの、CCSと原子力だけだ、こういう話になると、それではベースラインはこれでいいではないか、あとはどちらにしても、そういう技術に期待しなければいかん部分は多いし、しかし、それについていろいろと心配事があるんだと。では、そういうことだけを踏まえてとにかく世の中回していけばいいんでしょう、こうなるんですけれども、もちろん違うのではないかという気がするんですよね。
 そういうのは片方で睨みつつ、いろいろな経済・社会の改革はやっていきましょうということと、そういうのがどういう組み合わせになるかということをもっとやらないと……。どう書くかですよね。
 だから、すみません、例の○と△のところに原子力の効率の話がキーとして出てきます。ということがあるので、では、そこまで大きく原子力のことを言うのであれば、いろいろなリスクだとか資源脆弱性にも触れなければいけませんという展開は、この前の瞬間も後ろの瞬間も、行政的にはちょっとまずいかなという感じが正直言ってあります。

○安井座長 最終的には、本当に温暖化のリスクというものとの見合いですよね。温暖化によるリスクとそういったもののリスク、エネルギー系のリスク、全部総合的に考えてどこを選ぶかだから、私などはいろいろなチョイスを書いておく方がいいようには思うんですけれども、それがなかなか、行政的にそうはいかないという面もあるかもしれない。
 リスクゼロという世界はないよというメッセージを、最初からもう少し書き込んでおかなければいけないのかもしれませんね。そういえば、そういうトーンではありませんね、これ。

○西岡主査 今、原子力と温暖化のリスクというのは非常に狭まったところで選択をやっているけれども、実はもっともっと他にたくさんリスクがあって、その中の調和のとれたリスクのところで、今、我々がいろいろ考えているんだということは、いつかどこかで言うべきだ。大昔、EPAが「リスクなしの世界はないよ」という前提からいろいろなことを始めたわけですね。それは当然だと私は思っているんですよね。

○安井座長 あれ、評判悪かったですよね。

○西岡主査 評判が悪くたって、考え方はそういうことなんですよね。経済だって、へたってもらったらこちらも困るわけですからね。

○安井座長 そうですよね。

○西岡主査 だから、余りそこの2つだけに限定した見方は、むしろしない方がいいと私は思います。

○安井座長 全体のトーンとして、リスクファクターの指摘という格好にはなっているんだけれども、もう少しそのあたりを強調した文章を入れるべきなのかもしれませんね。いろいろなリスクファクターがあって、それを適正に、一番よさそうな調和的なところにおさめるという戦略が必要だよということは、書いておいた方がいいのかもしれませんね。何せ地球の限界にぶつかってしまったものだから、最早ありとあらゆるところがリスクだらけなわけですからね。

○太田検討員 専門家ではないのであれですけれども、今のエネルギーのところで、もちろん代替エネルギーでは今の需要を賄い切れないし、そんな代替エネルギーではないと思うんですけれども、やはり太陽光とか再生可能なエネルギーのことも少し書いておかないと、何かエネルギーは石油と原子力だけという感じになっているので、石炭から石油というのはわかるんですけれども、石炭から天然ガスというのもありますし、もう少し何か書き方を工夫してほしいというか、何か一言でも二言でも再生可能なエネルギーのことも書いておかないといけないかなという気がします。
 ただ、このスペースでそんなたくさん書き切れないし、一番重要な変数に着目されるのは妥当だと思うんですけれども、もう少し必要かなという気がしています。

○安井座長 全く入っていないわけではないんですよ。バイオマス系などは結構導入したことにはなっているんですよね。太陽電池などは、どのぐらい入っているんでしたっけ。

○増井氏 具体的な数字はあれですけれども、結構な量は。

○安井座長 結構、もうぎりぎりな量が入っているんですよね。

○太田検討員 この箇所を読む限り、何も書いていない。

○安井座長 なるほど。文章になっていないんだ。多分10%ぐらいは入っているのではないですか。

○増井氏 10%までは入っていなかったと思いますけれども、それに近い数字は。

○安井座長 やはりそのあたりを抜き出した方がいいかもしれないね。10%の再生可能エネルギーを風力と太陽光発電で入れるというのは、結構リスキーですからね。

○増井氏 太陽熱を入れて10ぐらい入っています。

○安井座長 それは恐らくインフラを今から相当変えないと、多分入らない。

○増井氏 太陽熱も含んでいます。

○安井座長 熱は……、いいかもしれないね。熱の方が確実だから、それはそれで。

○森口検討員 原子力と温暖化を例にとった「リスクゼロではないよ」という議論を一般化して、少し戻って議論させていただきたいんですけれども、この超長期ビジョンと、その読み手というか、一般国民との距離感みたいなものをどういうふうに考えていったらいいのかなと、さっきのご議論を聞きながら考えていたんですが、リスクゼロではないし、やはりある程度、究極の選択とは言わないまでも辛い選択をしなければいけないんですよ、一緒にそういうことを考えて乗り切っていきましょうというトーンで書くのか、いろいろあるけれども安心して任せなさい、優秀な官僚というか、ビューロクラートとテクノクラートがちゃんとやりますよというトーンで書くか、多分随分違うと思うんですよね。
 私は前者に近いトーンで書いた方がいいのではないかと思っていて、そうしないとなかなか危なさが伝わらないのではないかなと。危ない、危ないと言っているだけではだめで、何か解決の道はありますよと書かなければいけないんですけれども、とにかく自分たちが「こうしてほしい」ということが全部通るわけではないですよということは、やはり何か書かなければいけないのではないかと、さっきのご議論を聞きながら感じておりました。
 そのこととともに、では、それをどういうプロセスでやっていくのか、今みたいなパブリック・コメントというようなことだけでは多分だめなのではないかと思うんですけれども、それは2050年に向けて、では、そのような意思決定をどのようにやっていくのかということも、本当は何かこの中に、心づもりとしては書いていかなければいけない話ではないかと思っていまして、多分こういう情報をどういうふうに出していって、それに対して物事をどう決めていくのかというようなことも、実はこういうものを出していくに当たっては、少し心の準備をしておかなければいけない話なのかなと思います。
 それからもう一点、別の話ですけれども、さっき安井先生がいみじくもおっしゃった、この場所でやっているということはどこからお金が出ていてということに関連して、我々、宿題として何か書かせていただくのは大変ありがたいと思うんですが、一方で、これは環境省がおつくりになる超長期ビジョンなので、もう少し環境省自らのご意思が入っていてもいいのではないかなと。
 さっき各局調整というお話もあったんですけれども、もっともっと各局がこうしていきたい、あるいは各局という立場を離れて、環境省の中におられる方々が将来どういうビジョンを持っていきたいかという、どうしても行政官の方々というのは黒子に徹さざるを得ない部分があるのかもしれませんけれども、むしろそういうところを、こういう検討の中で非常に難しいかもしれませんけれども、そこをもう少し何か積極的、建設的に書いていただくような仕組みはないのかなと。何となくこういうメンバーで書いたものをチェックする、ネガチェックをかける、何となくそういうスタンスでこういうプロセスは動きがちではないかなと思うんですが、そうではなくて、いろいろなものをその将来性を一緒に考えていくプロセス自身が非常に重要ではないかと感じておりますので、もし時間があるのならば、今からでも少しそういう方向で進めていただくことはできないものかなと、これは勝手な要望でありますけれども、発言させていただきました。

○西尾総合環境政策局長 事務的には、各局調整とかいろいろやっていると思いますけれども、私、話を丸くたたんでしまうことがいいとは思っていません。ただし、少し状況が、これを始めたときと大分議論が変わってきて、始めたときは、私も非常に心配していたのは、非常に危機感なく、ずっとのんべんだらりと行ってしまうかもしれないということでしたけれども、それはさすがにIPCCであれだけのレポートを出され、美しい星でフィフティ・フィフティだとかピン止めされるとかということで、かなり大変なことで、しんどいことをしなければいかんのだよということは、少し進んだと思っています。
 ですからあとは、では、その文脈の中で、先ほどもそうですが、早くしなければいけないと言うけれども、どういうタイプのことを早くしなければいけないのか、それともありとあらゆることなのか、それをやったときにどういう違いが出るのかとか、もうちょっと次のステップを目がけて幾つかの切り口から聞かせ所というんですかね、これはレポートができたときに、出たらいいなとは思っています。
 ですから、むしろ非常に心配だなということで、強い意思を出せばいいというときに非常に心配だ、心配だ、みんなやらなければいかんとガンガン言うのか、それとも非常に安心だと言うのか、今のステージはそこの強度には余り意味がなくて、実はどっちに─みんな大変は大変だけれども、さはさりながら目の前でそう簡単なものではないと思っているときに、どういう色合いのことをやったらどうなるのかという、むしろ選択肢が非常にクリアに出てくる分には、多分その選択肢の導き方について、別にそこは話をたたまなくても、ギラッとしていてもいいと思うんです。
 ただ、さっき言ったように、少しステージが進んでいることと、今までここで議論していただいたことに若干ギャップが出てきたかなというのがあって、それで作業をしていただくときにもいろいろなことを言って申しわけないかな、こんな状態だと思います。
 すみません、ちょっと抽象的ですけれども。

○安井座長 こちらにとって追い風であり逆風である状況がいろいろあって(笑)、追い風ゆえに逆風という変な状況もあって、ちょうどまずい時期にぶつかったというか、まさにある意味で国のポリシーがUターンしかかっているような段階に入りつつあるんですよね。それがまだ方向が定まらないものだから、今、変な風が吹くとヨットが転覆してしまうという感じがあって、それをどうするか。(笑)
 本当に、もう少し逆風ビュービューの中で書けば強い意見を書けたんだけれども、なかなか……。そんな状況かと思いますが。
 あと、先ほど原沢先生がおっしゃいましたけれども、まさに目前にまた京都議定書という妙なものがあるではないですか。だからそれも含めて、なかなか難しい。
 明日香先生、何かジェネラルコメントを。

○明日香検討員 実はちょっと他の委員会みたいなものがあったんですが、それはいわゆるカーボンオフセットという話でして、いかに個人がCOを買うことによってオフセットするか、それを国内でどう売り上げるかという話をちょっとやっていたんですけれども、それで2050年、それをどうつなげるかという話なんですが、やはりこういう報告書は何となく、今もお話が出たと思いますけれども、では個人にどういう選択肢があって、何をやればいいかが見えないという批判は出るような気もするので、例えばカーボンオフセットみたいなものが、ある程度国内で比較的自由にできて、選択肢としてやって、個人がそういうものに参加して削減するような社会というの一つの将来像としてあるのかなと。もしそういうものが描けると、もうちょっと具体的に出てくるのかなと思います。
 ちなみに、ロンドンの空港では今、そういうクレジット、オフセットを買えるみたいですね。国内でもこれからそういう制度設計をしようという話になっています。

○安井座長 自分のライフスタイルをそういう方向に変えてくださることができる人のためのシステムですね。それは、そういう方が何%いるかという問題は非常に大きいけどね。
 先ほど森口先生のご議論の中にもあったんですけれども、結局、多分ライフスタイルを変える人が過半数ぐらいいないとだめなのではないですかね。全員が変えるとは思えないけれども。そんな気がする。6割ぐらいの人が何かライフスタイルを変えていかないと、恐らく実現不能という感じはするんですけどね。先ほどの細田先生ではないですけれども、それがグロス・ナショナル・ハピネスにつながるかどうかは、また難しい問題だけれども。ですから、やはり「お任せください、普通にやっていてください」というわけには、なかなかいかないのではないですかね。
 2050年を云々しているという話は、実を言うと、最初に2050年を選んだ理由が、だれもほとんど責任持たないでいいんだから勝手なことを書こうぜというところから始まったんですが、(笑)、やはりなかなか、2050年を書き、2030年を書いちゃったのがまずかったのかな。そうかもしれないけれども、2030年というのは本当にあっという間に来てしまうんですよね。そういう意味では、現実に今の時点との連続性をとり過ぎたのかもしれないんだけれども、いささか難しい状況に相なったということですかね。
 他に何か、もう少し時間があると思いますので、後で気がついてもう一言二言ということでも結構でございますので、ぜひご発言いただきたいと思います。
 実を言いますと、先ほど申し上げたようなことでございますが、他のところで幾つか長期的なビジョンが出てきている状況でございまして、全く別なアプローチ、ですからこのバックキャストでも何でもないんですけれども、そういった新しい情報をもう一遍整理し直して、それに対してこの検討会がやってきたことは一体何なんだということをもう一遍見直さないと、いささかこの報告書の最後の「むすび」も書きにくいかという状況に今、なっているわけでして、例えばIAEAがやっているような話とか、幾つかあるわけですけれども、それに関しまして、これは懇談会なのかな、それとも打ち合わせ会なのかな、余り正式でない形で、まさにボランティアにそのときにお集まりいただいて議論していただく形で、エネルギーと廃棄物に関しまして、これはやってあげてもいいよという方がおられれば、ぜひお願いしたいと思うんですね。
 具体的には、いつごろやるんですかね。9月いっぱいにそういうことが行われるんだと思います。ですから、意外と忙しいかもしれない。とんでもない時間に設定される可能性もありますが、いずれにいたしましても、今日はお見えでないですけれども、湯原先生はエネルギー系ですからぜひお願いしたいと思うのと、あと、廃棄物で森口先生にはできればお願いしたいのと、あと明日香先生あたりに全般的な情報をいただければと思うのと、西岡先生には当然ながら全体のお目付役でという感じでお願いしたいかなと。あと花木先生あたり、もしご希望がいただければ、お願いというよりもエネルギーを使う側、要するに、都市もそうなんだけれども、産業ベースの話が多いかなと思うんですけどね。あと、太田先生か細田先生かどちらか文系1人。そのぐらいと、あと事務局ぐらいで一応できるかなとは思っているんですが、別にそこに限ったことではございませんので、ちょっと興味ありということであれば、ぜひお手をお挙げいただきたいと思います。
 いかがでございましょうか。ここでぜひお手をお挙げくださいというわけでもないんですけれども。逆に、今お名前を挙げさせていただいた方あたりで拒否という方がおられたら(笑)。まさに任意で、ボランタリーでお集まりいただくので本当に恐縮ですけれども、そんなことを多分1回か2回かやりたいなと思っております。
 宿題に関しましては、9月いっぱいに相なりました。標準量は別に定めませんけれども、先ほどの、A4判3枚とか3,000字とかそのぐらいで、もちろん「そんなに書きたくないよ」という方は全然構いません。何十ページもお書きいただくと、やはりちょっと問題かもしれないなという気がいたしますが、それが倍に増えたところでどうというわけではないというぐらいだと思います。
 資料に関しましては、内容について再度精査をさせていただいて、委員各位のところに取りまとめのもとのもとになりそうなものをお送りさせていただくということでございます。
 そんなところで、弥元さん、何かございますか。

○弥元環境計画課長 次回のご予定ということになるんでしょうけれども、実はまだ予定が立っておりませんので、改めて日程調整等をさせていただければと思っておりますが、次回のこの検討会の前に、アドバイザリーボードといいますか、アドバイザリーグループの会合を持とうかと考えているところでございます。次回のこの検討会の日程につきましては、また改めてご連絡、ご調整させていただければと思います。

○安井座長 少なくとも10月半ば以後ですね。まだわからないかな。宿題が終わっていない間ということはあり得ないと思いますので、幾ら早くても10月半ばぐらいではないですかね。そんな感じだと思っております。
 そういうことで、またご連絡差し上げたいと思います。 
 それでは、本日はまことにありがとうございました。

午後3時53分 閉会