環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第10回超長期ビジョン検討会議事録


平成19年6月28日(木)10:00〜12:25
三田共用会議所3階 C,D,E会議室

○議事次第

1.開会

2.議事
  (一)今後の検討の進め方等について
  (二)2050年の環境・社会像について
  (三)2050年に向かう道筋について
  (四)その他

3.閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1
今後の検討の進め方等について
資料2
超長期ビジョンの検討について

【参考資料】

参考資料1
第9回超長期ビジョン検討会(平成19年5月18日開催)議事録
参考資料2
超長期ビジョン検討会名簿

出席委員

安井至座長、明日香壽川委員、川島博之委員、原沢英夫委員、山本博一委員、湯原哲夫委員、湯本貴和委員、若林敬子委員

午前10時00分 開会

○苦瀬企画官 まだおいでになっていない先生もいらっしゃいますが、定刻を過ぎましたので、始めさせていただきたいと存じます。
 お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと存じますが、本日の資料、まず一番上に座席表が置いてあるかと思います。その下に「第10回超長期ビジョン検討会」ということで、議事次第と配付資料一覧の1枚紙がございます。
 その下に、1枚紙の資料1「今後の検討の進め方等について」、それから、資料2が「超長期ビジョンの検討について」というやや厚いものでございます。
 そして、その下に参考資料1といたしまして前回の検討会の議事録、参考資料2といたしまして名簿がございます。
 そのほかには、メインテーブルだけでございますが、17年度に行った調査をさらに補完する意味で、18年度に諸外国の超長期ビジョンに類するもの、必ずしも超長期ではないのですけれども長期的なビジョンの事例収集をして整理をいたしました。調査本体の報告書としてはもう少し厚いものがあるのですが、概要をまとめたものをメインテーブルに置いてございます。この検討も終盤に近づいてまいりましたが、ご参考にしていただければと思います。
 それから、同じ調査で、事例だけではなくて有識者インタビュー、これも17年度に行いましたが、さらに少しそれを補完する意味で、前年度にお話をお伺いしていなくて、またこの検討会等にもご参加いただいていない、各分野の先生方のお話を伺って、その要約をつけてございます。これも、報告書の本体はもう少し詳しく、報告書もありますが、これは要約ということで版にしてご用意しております。報告書全体についてはまた後ほど送付させていただくことになろうかと思いますが、今日はこの要約したものを参考にご用意したところです。
 資料は以上でございます。
 それでは、安井座長、よろしくお願いいたします。

○安井座長 それでは、第10回になりますけれども、超長期的ビジョンの検討会を始めさせていただきたいと思います。
 お手元にございますような議題で進めてまいりますが、ご存じのように社会的情勢がいろいろと変わってきておりまして、というか変わってしまいましてと言った方がいいのかもしれないですね。そのために、今後の検討の進め方のタイムスケジュールがフレクシブルにというか、もともとフレクシブルにやってきたつもりなんですが、そろそろフィックスして決めていかなければいけないというような事態になってきております。
 というわけでございますので、まず、本日の議題の1、今後の検討の進め方等につきまして、事務局からご説明いただいてご議論いただきたいと思います。
 お願いします。

○苦瀬企画官 それでは、私から資料1を用いまして、必要によってはホワイトボードも使うかもしれませんが説明をさせていただきます。
 「検討会の日程の概略」と書いてございますが、本日が第10回検討会でございます。
 それで、前回に「2050年の像」の後に「2050年に向かう道筋」というのを、これを定量的な計算も含めてして、その上で全体の報告案をつくりそれを議論するとなると、当初は12回までと言ったのを1回増やして、8月に中間的な道筋についての数値の話をして、その後2回ぐらいで報告案について検討ということになるのではないかといったお話をさせていただいたかと思いますが、当初の、それまでの予定どおりの回数でしたいということと、あと、安井先生からも今お話がありましたが、いろいろ温暖化をめぐる国際外交上の情勢等もありますし、6月8日に開催いたしました超長期ビジョンアドバイザリーグループ会合でも、そういった情勢を踏まえて、この検討も早く何らかの取りまとめをしてそういったものにつなげていくというふうなことも含めて、早くするということが必要なのではないかというご指摘をいただいたところでございます。
 そういうことがございますので、次回、8月17日、このときに、検討会報告素案ということで全体をまとめたものを出させていただきたいと考えております。
 その後は、まだ時期は未定ですが、そういった周辺の状況も踏まえながら、遅滞なく、かつ、遅くとも秋と言っていますので、最も遅くて11月とは思いますが、報告案の最後の取りまとめをいただく。
 それから、その8月17日の後に一度アドバイザリーグループ会合の開催を考えております。
 ただ、急に急がなければいけないというときに、日程が皆さんそろわないというようなときに持ち回りがあるのかとかも含めて、そのときの状況にもよりますが、基本的にはそういうことを考えています。
 あと、「位置づけ等」というのは特に、これまで申し上げてきたとおりではありますが、先ほど申しましたような国際的な状況とか、あるいは「21世紀環境立国戦略」とかそういうところもありますけれども、これは環境基本計画に基づいた超長期ビジョンということで、いろいろな科学的な検討をきちんとして、政府としての長期の展望、当初、環境基本計画等に生かすと言っていましたけれども、そのほかいろいろな場合に、環境省としてこういったものを生かしていくということなのであろうと思っているということです。
 概要はそういうことで、日程は8月17日、8月に開くと言っていたことは変わりませんが、ちょっと1回ぐらい少なくして早めにやりたい。8月17日にやるのも、全体をまとめた案をそのときに出したいということが主なところです。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 何かスケジュールを書かれませんか。ちょっとイメージがあった方が話しやすいので。
 今のご説明は比較的、余り本命ベースではないのでありますが、結局、今後のこの超長期ビジョンの位置づけと、それからここでの検討課題はどういうふうに使われていくのだろうかということをいろいろこの間から想像しているわけでありまして、確定しているというわけではないのですが、その幾つかの周辺状況を考えると、どうもゆっくりやっているわけにはいかないのではないか。
 それで、最初考えておりましたのは、例えば70%、80%削減、場合によっては50%削減と、そういうようなものにもいろいろ触れなければいけないか。そのどうなるかということをいろいろと一般社会にアウェアネスを形成していかなければいけないのかなと思っていたのですけれども、どうもああいう「クールアース・フィフティ」何ていうのが出てしまいますと、そうすると「今さら」なので、それで、とりあえず少し方針を変えようというのがこの間のアドバイザリー会議の後、事務局と相談をさせていただいた結果でございまして、そのためには、今あそこに苦瀬さんが描かれております絵なんですけれども、要するに我々はどちらかというと研究、テクニカルサイドからの検討というのをやってきているのだけれども、最終的には上側の政策的・戦略的な検討のところに何らかの形でインプットが行われていくだろう。
 そうなってくると、上側の○ですよね。あの○の中身がよくわからないので。左側はわかるのですけれども、右側の上の○の中身が、いまいちまだよくわからないのだけれども。

○苦瀬企画官 イメージとしてということですけれども、すごくきたなくて余り役に立たないかもしれないのですが、環境基本計画、これは国全体の政策の大綱として環境基本法に基づいておりますが、今年1月の総理の施政方針演説に基づいて、それを政策的、戦略的にしたものとして「21世紀環境立国戦略」というものを政府として、これも閣議決定の上つくっております。
 そのような、より政策的・戦略的な、外交の中でもそういう動きがございまして、その動きの中で、「21世紀戦略」の中に例えば「低炭素型社会の長期ビジョン」というものをつくるというのがその中の「戦略1」というものでありますので、ちょっと時系列とあれがありますが、ここに来年夏の北海道洞爺湖サミットがある。それに向けて「21世紀戦略」の中には「低炭素型社会の長期ビジョン」というのが位置づけてあるということです。
 それから、環境省の中でこの検討会は、検討会での研究的ベースという性格でやっているわけですが、それをさらに次の基本計画に反映させるための下地というか、その基盤になるようにというような意味で、この長期的ビジョン検討会がございます。それはいろいろな動きがある中でそういったところに生かす、環境省の検討の中でそれを生かすということが可能なものとして考えているということでございます。

○安井座長 全く未定なので何ですけれどもね、とにかく暮れには恐らく何らかの、上側の○の中で何かが出てくるのではなかろうか。
 ですから、その出てくるタイミングのちょっと前あたりにこれが存在していても、実は余り役には立たないだろうということでありまして、それで、詳細を詰めて本当に研究、テクニカルにパーフェクトな格好で出るかどうかというよりも、むしろ大枠としてのこんなものというところを少し早めにまとめて、でき得るならば、多分9月のいつかになるのでありますが、そのあたりに出ていけば、それを上の方で使うのであれば使える。使えなければ使わないという形になっていくのだろうということでございます。
 というわけで、当初、割合と研究、テクニカルにというそういうつもりでやってきておりますが、その辺で何か完璧なものをという感じもあったのですが、どちらかというと今の外的状況を見ると割合とシンプルに、それで、我々の1つのここの特徴というのは、まだやって、これから8月17日にかけて増井さんが寝ないでやるのだと思いますけれども、(笑)一応2030年あたりに中間地点もつくって、そこでの検討もやってみる。
 そうなりますと、中間地点は恐らく2個ぐらいやって、軟着陸パターンと、それから最後、急降下パターンぐらいはやるのだろうなということになると思うんですね。
 例えば急降下パターンというものをつくったときに、過去のこれまでのいろいろな経済発展のスピードとかそういうことと比較していくと、こんなことはできるのかというような議論を多分文学的表現でだれかが書き込むのだろうなと。我々が書き込むのかもしれないのだけれども、そういうような形に最後はなるのかなという気がするんですね。
 ですから、ゴールは一応、「クールアース・フィフティ」でもって大体決まったのだけれども、そこへ至る経路の方がむしろ今、我々にとっては問題になったかなというのが私の個人的な意見ですね。今からじわじわっとやっていけばそれはできるに決まっているのだけれども、(笑)それがどのぐらい急降下で、果たして機体に損傷を受けないでちゃんと着陸できるかというのがね、それが問題かなというような気がしないでもないというような状況です。
 というような状況でございまして、相当変わってしまいましたのですが、特に外的状況が変わってしまったのですが、何かご意見等はございますでしょうか。どうぞ。

○原沢検討員 質問なんですけれども、今あそこの白板に載っている絵で、環境省の中でもいろいろな部署がかかわっていらっしゃると思いますし、あと立国の方はいわゆる中間審の特別部会でやられたということがありますね。
 今ここでやっていることがどう位置づけられるかということの確認なんですけれども、中間審との関係と、あと立国でも3つ大きな柱があって、気候変動、循環型、生態系もあったと思うのですけれども、それぞれやはり環境省の所掌される部局が違うかと思うのですけれども、そういったところの、どこが主導しているかというようなところでわからないので、知っておきたいと思うのですが、その辺ちょっと質問です。

○小林官房長 それでは、官房でございますけれども、環境立国戦略、ご案内のとおり特別の部会をつくって、そして政府を挙げてつくると、こういうことでございますが、環境立国戦略は、方法的には、例えばこの超長期ビジョンみたいに数量的な検討をして、そして将来の姿を描いて、そしてそこに至るための戦略はどうなのだというような方法をとってはいません。速成品でございますから、時間が限られた中で、総理のこれからの外交交渉なんかに役立つ、あるいは国内の政策面に役立つアドバイスペーパーをつくらなければいけない、こういうことでありましたので、基本的には低炭素社会とか、あるいは今ご指摘のとおりでございますけれども、自然共生型の社会だとか、循環型の社会、それに至るための、この1〜2年の間に着手すべき、これもきっと、例えばそういった低炭素社会をつくっていく、そういったことにつながるであろうプロミシングな取り組み、こういうものを賢人の議論でピックアップする、そういうのがいわば方法論であったというふうに思っております。
 そういう意味で、この先にはきっといいことがあるに違いないと思うことを、かなりつまみ食い的に選んできたのが戦略と、こういうことになりまして、結果として、統合的にやるんだよとは書いてあるのですが、それぞれの所掌の中でできるようなことを考えているというのが1つでございます。
 しかし、では結局今までの縦割り、テーマ・オリエンテッドな取り組みでいいのかということについてはやはりやり方として反省があって、それが今の原沢先生のご意見だと思いますが、1つは、特別部会自体は存続をします。
 でもって、そういった今の3つの社会を目指した骨太な取り組みというのが果たして統合的に行われているかどうかといったようなチェックを、きっとしていくことになるだろうというふうに思っております。それが1つです。
 それから、2つ目は、先ほども苦瀬さんから説明させていただきましたけれども、環境立国戦略の中自体にも、あるいは特にその中の「美しい星50」という演説の中にはっきり書いてあるわけでありますけれども、その立国戦略でうたった「2050年50%以上カット」というところの実現の道筋、これも全く数量的な議論はしておりませんので、それは今後それに至る道筋は勉強していこうということで、答弁なんかでも、洞爺湖サミットまでには「2050、世界全体半減」というようなところに至る道筋をもう少し勉強して、そして外に言っていくのだということが書いてございます。
 そういうことで、全体を統合するための仕組みというのは、言われていることはその2つということに相なっていくわけでありますが、そういった束ねの中で各局が詰まるところはそれぞれ、今までよりは少し背を伸ばして遠くを見ながら仕事をしていくというのが今後の運用になるのではないかというふうに思っております。
 その中でこの研究会、先ほど苦瀬さんからお話ししましたように、後者、申し上げました立国戦略の特別部会が全体を見ていく、フォローアップをしていくということではなくて、その後者、洞爺湖サミットまでに「2050年・50%削減」というのに至る、もうちょっと道筋を詰めていく、その部分を官房としては期待しております。それに尽きるものではないと思いますが、それを期待したいと、こういったことに相なろうかというふうに思っております。

○安井座長 ほかに、何かございますでしょうか。どうぞ。

○湯原検討員 前回休んでいまして、超長期ビジョンの検討のレポートも読ませていただいたのですが、いまさらと怒られるかもしれませんが、海洋について、私は報告をすべきだったのですけれども、従来していなくて、これが抜けたなと思っております。
 ご承知のように海洋基本法が4月に衆参両議院を通過して、7月20日、海の日に施行されるわけでありますけれども、これは、環境基本計画、あるいは2050年50%カットにしろ、非常に関係が深いと思うのです。
 特に、排他的経済水域(EEZ)における産業活動や二酸化炭素回収・貯留(CCS)、あるいは資源、エネルギー、食料を中長期に海洋の利用と開発によっていかにキープしていくかということが、海洋基本法ということによって政府が先頭に立ってやっていくということになったわけであります。
 私は海洋技術フォーラムというのを組織してこの3年来そういうことをやってきているわけなのですが、そういう観点から、海洋の利用と開発という観点から、超長期ビジョンの策定の中に、またエネルギー、資源、環境などの危機を克服する、あるいは温暖化を防止するという問題の中に海洋をの重要性を組み込んでいく必要がある。この超長期ビジョンの中にも、あるいは環境基本計画の中にも、海洋の役割ということを組み込んでいくべきではないかと考えます。
 もしそういうことがよしとされるなら、今日でも結構ですし、次回でも、私は海洋が果たす役割についてプレゼンテーションできますし、かなり詳しく具体論を皆様にお知らせすることができると思いますので、ご検討くださいということです。

○安井座長 ありがとうございました。
 確かにそのあたりは入ってはいないのですが、どうかな。
 結局、今ベースになっています2050の低炭素社会の国環研バージョンですかね、あそこは余り海洋は入っていないんだね。だから、基本的にそこへのデータを入れて計算のし直しをするかどうかというぐらいなんですけれどもね。
 まあ、何か最近、日本海のあそこの浅瀬、大和海嶺、その海藻を大量にどうのこうのなんてていうことをやっている方もおられますので。それから、湯原先生も、海流発電何ていうのを多分お考えなのではないかという気もいたしますが。どうしますかね。それを、ただ、今からだと、具体には間に合わないのではないかな。というのはですね……

○湯原検討員 計算に入れるかどうかは余り重要ではなくて、その領域といいますか、例えばCO2 を隔離する場合には、日本の場合にはもう海洋しかないと思いますから、海洋利用の重要性と海洋環境の確保をうたっておく必要があると思います。

○安井座長 水性数をどうするかということは確かにありますし、あとは何だろうな。
 ただ、ただと言いますか、計算に入れないとどうするか。どうなっているのだろう、あの計算には、このぐらいな技術が入るよ、このぐらいの価格で入るよというのがあれば何となくは、後の説明で何とかなるのかな。
 だから、結局1トン当たりの、水性数はいいかとは思いますが、例えば海藻話なんかも本当だとしますと、本当にコストがどのぐらいで上がってくるかというのが、要するに追加コストがCO2 の1トン削減当たり一体何ドルなのかというみたいなやつがわかれば、まあ、何となくシナリオには入るかなという感じだと思うのですけれどもね。
 実を言いますと、そのあたりも、今日ざっとしたご意見を伺った後なんですけれども、8月17日に数値データが出てきて、これは一応いけるとかいけないとかいろいろなことが情報として出てくると思うのですが、そのままでは全然報告書にも何もなりませんので、結局皆様がご自分の分野にそれを引きずり戻してご専門の分野で、それに対して未来ビジョンみたいなものに要するに散文的に肉づけをしていただかないと、恐らく数値そのものは骸骨の格好もしていないような気がするんですよ。何となく。
 ですから、骸骨ぐらいになっていれば大体全体像はわかるのだけれども、そこまでもいっていないような気がするので、それを、ですから骨をどうやって組み立てて、周りにどういう肉づけをして、それで若干のイメージをとにかく膨らませていかないといけないと思うのですが、その段階あたりでも、恐らく湯原先生のお考えをインプットする場合、場合というかチャンスがあるのですが、その前に何か共有することが必要であれば、今日はちょっと多分無理かと思うので。次回も無理かな。どこかで。

○苦瀬企画官 今日これから説明する資料2の中で、前半はストーリーというか、文章が書いてあって、ときどきデータも引用してあり、その裏では計算がしてありますということですが、この間の検討会で花木先生からご指摘あったような、仮に数値の裏づけが全部について細かく取れていないとしてもストーリーとしては入れておくべきものもあるというご議論もこれまでも出ていたところがありますので、そういったことでよければ、ご指導をいただいて加えるということもあるのかなとは思っております。
 それで、今日は今からちょうど2時間ありますが、その配分の中でもし可能であれば、余り長い時間はちょっと無理かもしれませんけれども、よろしければ。

○安井座長 プレゼンの準備はできていないんですよね。

○苦瀬企画官 そうなんですね。今日はそれは伺っていなかったので、特には。

○湯本検討員 すみませんでした。今まで言っていなかったというのもあって、時系列に文章は書いてきたのですけれども。

○苦瀬企画官 ありがとうございます。では、コピーを。

○安井座長 かなり多いですよね。

○湯原検討員 簡単にいたします。

○安井座長 そのぐらいだったら、むしろ今日やってしまった方がいいかもしれないですね。というのは、次回がかなり、さっき言いましたように、多分、骨が何本か出てくるぐらいの感じなんですよ。それで、それを組み上げて骨格をつくってというところまでやらないといけないのではないかなという気がしますので。
 では、そういうことで、湯原先生には後ほどちょっとお時間の枠を差し上げまして、それでご説明をいただくことにさせていただきたいと思います。では、少し急いでまいりますか。
 ということでございまして、今後の検討の進め方等につきましては、大分外が固まったおかげで、どちらかというとこちらが単純になってしまって、ある意味、楽になったという状況でございます。これまでですと、本当に何点も何点も計算をやるのかななんて思っていましたが、そうでもなくて済むような感じでございます。
 それでは、これで最初の議題を終わらせていただきまして、次でございますが、続きまして「2050の環境・社会像について」ということでございます。
 これにつきましては資料がございますので、また事務局側からご説明をお願いします。

○苦瀬企画官 それでは、私から資料2を使いましてご説明します。
 これは、「超長期ビジョンの検討について」ということで、一括して次の議題の分まで含めての資料になっておりますが、それはビジョンのストーリー的なものと、それを裏づけるモデルでの裏づけの分と。そのモデルの分は次の議題ということで後ほど増井先生からご説明ということになろうかと。次の議題というか、議題として1つにしてあります。2050年の分の中で1つでございますが、定量的な部分については後ほど増井先生からお願いしたいと思いますが、まず、最初に私からご説明をさせていただきたいと思います。
 資料2の表紙のところの目次というのは前回と基本的には変わっていなくて、こんな流れで検討をまとめていくのかなというイメージですけれども今日の資料もそれでつくってございます。
 それで、趣旨や手順は特に変わってございません。社会経済の趨勢とか、持続可能性へのリスクというところは多少整理したり加えたりはしており、今言われた海洋のところとか、もし加えるところがあれば加えたりするのかもしれませんけれども、大体これまで出た主要なことをカバーして整理したつもりでございます。
 一応ざっと見ますと、「社会・経済の趨勢」というのが3ページのところから、人口、経済、ライフスタイル等、それは基本的には既存の政府レベルで予測されているものとかを使いながら、概ねこういう方向になっていくというのが9ページまでに書いてございまして、それから10ページからが「持続可能性へのリスク」ということで、そういう中での持続可能性、環境資源等での持続可能性へのリスクはどんなものが起き得るか、そのまま行くとどんなものが起き得るかということが順次書いてございます。これが16ページまでということです。
 それで、17ページ以下が、これは前回のをベースにして若干変わっているところがございます。特に21ページからの「目指すべき社会像」のところがこの2050年の像についてのメインのところになるということで、もう少しご説明をさせていただきます。
 17ページの「5.目指すべき2050年の日本と世界の環境像」ということですけれども、これは前回以来申しておりますが、大きく3つ、プラスもう1つあるかどうかという話ですが、1つ目は「低炭素社会」、温暖化エネルギー系の話です。
 それから、2つ目は「循環型社会」、これは資源、廃棄物リサイクル、そういう物質資源と廃棄物リサイクル系、それが19ページのところです。
 20ページが「自然共生社会」ということで、生物多様性とか、生態系から受けるサービスとか、あるいは快適な生活空間とかですね。
 これは、いわゆる公害系の話に近いところを(2)で入れるか(3)で入れるかみたいなことがあるのですけれども、汚染の話は19ページの循環型社会のところの中で入れることになりまして、あと、快適な生活空間とか、きれいで快適な空気とか川とかそういうのは一応20ページの(3)の方に位置づけているという格好にしております。
 そういうことが1つありますのと、あと、前回まで(4)でその他何かあるかもしれないということでやったのですが、そこはもう(1)(2)(3)の中に入れていく。例えば快適な生活空間なんていうのは(4)の中に入るかもしれない、もしかしたら、その他として、3つのくくりではないところにというような話もあったのですけれども、そうではなくしておりまして、他の話との整合もとりやすくしようかというふうに考えております。
 それから、もう1つ個別に戻りまして、行ったり来たりしますが17ページ(1)の「低炭素社会」ですけれども、ここは先ほど来も話題に出ております「美しい星50」、あるいは「21世紀環境立国戦略」の中で、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を、現状よりも少なくとも50%削減という趣旨のことがありますので、ここでも、そこはもうそれで行こうということであります。
 さらに、モデルの計算では、日本国内でどうするかということは裏づけをとるということですけれども、それはそれなりの数字を設定して計算をするということになります。後ほどまた増井先生からお話があります。
 それから、19ページの「循環型社会」のところでは、2050年において資源生産性を大幅に向上させるということのほかに、もう少し、例えばこういう式で再生利用のことを反映させるという新たな指標を入れるということも考えているわけなんですけれども、ちょっと今の時点ではまだ詰まっていないところがあるので、そこは簡単な表現にだけしてありますが、これは森口先生のご指摘もありましたし、もうちょっと詳しく書くことになるかもしれませんが。これはまたご相談させていただいてやっていきたいと思います。
 20ページまでの環境像に関してはそんなところでして、あと、6番の21ページからの「目指すべき社会像」、これも前回ちょっと骨格というか、項目だけお示しした感じだったのを少し中身を書いておりますが、「目指すべき社会像」については、21ページの上の最初のところは環境基本計画に書いてある考え方を踏まえておりますけれども、環境・経済・社会の統合的な構造で、将来的にも継承できる、そういう社会をつくらなければいけないし、その目標やイメージを共有していって、いろいろな技術とか、社会システムとか、意思とか、バランスをとってやっていくということなのだろうというようなことを冒頭に書いておりまして、そのために社会像を描いていきますよということで、本章の構成としては、まず、目指すべき社会像に必要な要素を整理した上で、それらをつなぎ合わせて目指すべき社会の姿を描写するというような形にしております。
 22ページの6.1が、これは前回もこの構成図をお示ししたかと思うのですけれども、社会を構成する要素と環境の要素を、これまでの検討会の議論、とりわけ合宿での議論なども踏まえ整理したもので、23ページにそのたくさんの要素とその関係のつながりというのが示してあります。かなり詳しい絵でもあり、実際に考えるともっともっと細かく考えないと出てこないということになりますが、23ページの図が、将来における社会や環境に影響を及ぼす要素及びそれらの関係ということで、24ページに、また目指すべき環境像を実現する社会を実現する方向に各要素が向かった場合の要素を書いているということで示しております。
 6.2が、「目指すべき環境像を実現している2050年の姿」ということで書いております。ちょっと飛ばしながらの説明になりますが、1つ目が「社会・経済的側面」、そのうち[1]が、まず人口ということで、これは厚生労働省の予測とかいろいろな予測あがるわけですけれども、減る傾向であるのは確かなのだけれども、目指すべき環境像を実現している姿としていろいろ成り立ち得るものとしては、ここはちょっと普通の中位のよりも高めであった方がバランスをとりやすいし、それを目指していこうかなという数字になっております。そういう意味で、適正規模に向けて収束化傾向。
 それから、地方と都市のバランスも、限界集落のお話もいただいたりしましたけれども、そういうことが起きてしまう。起きてしまうのですけれども、そこはちょっと要約の中では余り書いてありませんけれども、そういう傾向が起きてしまうということではあるということですね。あとの方でまたゆっくりお話ししますけれども。
 それから、26ページ、「社会経済のルール〜新たなルールの下での競争社会〜」ということで、「地球規模の課題に対して公平な国際ルールが浸透」、国際的な影響がどうも強まっているけれども、それが公平なものになっているべきであるというようなことですね。
 それから、地球環境活動のあり方、環境負荷低減努力が利益に結びつく仕組みの完成。多様な主体の意見が取り入れられる意思決定プロセスが普及。国際環境づくりや国際基準づくりにおける高いプレゼンスを、これは我が国のということになりますけれども、そういった社会ということであります。
 26ページ下の「経済・産業〜環境と経済の好循環〜」ということで、人口の減少に伴って就業者総数は減少しますけれども、生産性の向上に一定の成長率を維持。
 「相対的に」、これはトレンド、程度の差はありますけれども、やはり三次産業は上がるし、一次産業のシェアが増加。日本が開発した先進高度技術が地球環境問題の改善に大きな貢献をしている、そういった社会に進むであろうというか、そうすべきであろうという意味のそういう社会像ということです。
 30ページが4つ目の「ライフスタイル」ということで、ここでも人々の意識そのものが、環境問題の意識が高まるし、その生活のスタイルも適量を長く使うような適量消費型になる。それから、心にゆとりのあるワーク・ライフ・バランスのとれた生活が浸透。それから、地域コミュニティと環境保全の好循環。
 それから、32ページですけれども、(2)の「国土・社会資本的側面」というところですが、「土地利用」、1つは「生まれ変わる都市」、もう1つは「守り続ける生態系」ということで、コンパクトで住みやすい便利な中心市街地の増加。それから、地域ごとに特色ある郊外地域。地域において十分な雇用と生活基盤が確保され、適切な農地・森林管理が浸透というそういう世界を目指す。
 それから、33ページの[2]の「交通」、高齢者・子どもにもやさしく、もちろん効率的で安全な交通ということで、都市規模や都市構造に即した合理的な公共交通システム、それから、トランジットモール等が普及して、徒歩や自転車の利便性が向上。それから、高度な情報通信技術の普及によって、効率的かつ安全な自動車交通が実現している。
 それから、33ページの下の方の「住宅・建築物」、これも、いいものを長く、それから、エネルギーの消費も少ないような住宅が普及ということです。
 それから、34ページ、「防災・セキュリティ」関係ですけれども、そういった面でも、太陽光発電とかそういうのを含めてですけれども、きちんとできている社会ということです。
 35ページからが「環境的側面」というところに入りまして、まず、エネルギーや二酸化炭素の問題、もちろんこれは大幅なエネルギー需要、エネルギー需要も低減させるし、それからエネルギー供給の低炭素化も実現させるし、したがってCO2 排出量の大幅削減ということであります。
 それから、36ページの2番目の「資源消費・循環構造〜アジア内での効率的な資源利用〜」ということで、適量生産・適量消費により、資源循環の速度が大幅に低下。それから、生産地点からそういうリユース、リサイクルまで考慮した商品の浸透。それから、国内での循環システム、さらにそれを補完するアジア全域での効率的な利用が進展するということです。
 それから、37ページ、「自然共生〜快適な空間にて共生するヒトと生き物〜」ということで、このためにはやはり、農山村の管理の強化により生物域の確保と外来種の管理が徹底。それから、農地面積・森林面積の拡大に伴い、食料・木材の自給率向上。
 それから、38ページ、「水・大気・土壌環境」ということで、汚染物質が大幅に低下、すべての河川・湖沼で水質基準クリア、土壌についても土壌汚染が大幅に低減ということで、社会・経済それぞれの項目、それから環境に関する、環境資源やその循環に関するそれぞれの項目についても、そういった社会が望ましい社会であるし、それが現実に成り立ち得る社会であるということを示したいということです。
 現実に成り立ち得るというのは、ここに書いてある文章で定性的に書いてあることは、全部の項目をすべてというわけではないですけれども、基本的なところは、後ほど説明のあるモデルのところで裏づけがなされて成り立ち得るものだということになるということです。
 それから、39ページですが、「分岐シナリオ」ということで、基本的にはそういう社会ということですけれども、合宿等で、あるいはこれまでの検討会の議論でありましたように、そもそもいろいろな場面に想定する複数のシナリオがあるだろうということもあるのだけれども、では、そういったこととして分かれる道ということを考えるのであれば、「グローバル化」と「国家自立」、そういう切り口があるだろうという議論がありましたので、仮にそうした場合、こういった違いのある社会というものも考えられるということをここに記しております。
 ただし、時間的にも早く出した方がいいということもありますし、まずは、38ページまでに書いてあるシナリオでその数値のモデルの計算をしているという状況でございまして、それが後ほど説明をいただくところということになります。
 それから、40ページの7番で、「2050年に向かう道筋の検討」ということですが、環境基本計画でも、その過程も検討するということがこの数値基準の検討に与えられている課題ですけれども、実際に2050年のそういう社会を実現するために、現実的に通り得る経路はどうなのだということを考えなければいけないということで、その経路も考える。
 前回の検討会でも話したように、少なくとも途中の1点で、どういうことかを具体的に分析する必要があるだろうということで、一応2030年の時点での数量的なモデルでの分析もして、そこの経路を出すという考えでそれをやっていくということであります。
 それで、経路はそういうようにやりますけれども、着々とやるのか、最初にスピードアップするのか、あるいは最後だけスピードアップするのかというようなことがありますけれども、少なくとも計画的に着々とやる場合と、最初はゆっくりだけれどもその後どうなんだということ、少なくともその2つぐらいを比べて、どういうのがいいのかというのをある程度裏づけをもって考えておく必要があるだろうということで、そこの経路を2つ示して、数量的な裏づけとともに、着々とやればこうだけれども、最初はゆっくりだとこうだという話をここでも、日本の場合について改めて裏づけをもって検討して示すということです。そこはまだちょっと数字は現時点ではできていないわけですけれども、そういうことで書くということです。
 あと、43ページ以下は参考資料ということになっていますけれども、参考資料1のところは、今の6の社会像を描くときの考え方のもとになっているというところがありますが、主に合宿及びその前後での議論で先生方からいただいたご議論を整理した内容になっています。これは、先ほどの社会像を書くに当たっても参考にして折り込んであるというようなものです。
 私からは、とりあえず以上です。ちょっと長くなりましてすみませんでした。

○増井氏 それでは、引き続きまして定量化につきましてご説明させていただきます。
 前回までは、定量化の話とストーリーの話を分けて別々に資料をつくっていたのですけれども、今回から、今、苦瀬さんが説明されました資料2の中に埋め込んであります。
 まず、最初に資料2の49ページの参考資料IIというところからごらんいただければと思うのですが、そこに定量化のためのモデルの概要が書かれてあります。前回までとほとんど内容は変わっておりませんのでまたごらんいただければと思います。1点だけ、51ページをごらんいただきたいのですが、「モデルの概要」という1枚の図と、「産業部門の定義」というところがあります。先ほど湯原先生から海洋の話について、それを取り込めばどうかというようなご指摘、ご提案がありましたけれども、実はこのモデルの中で、水産業という部門がありますし、また、例えばエネルギーの関係で言いますと洋上風力ですとか、そういう海洋関係の重要な対応策というのが盛り込めるような形にはなっていますので、できる限りそれらを盛り込んで評価していきたいと考えております。
 一応モデルの使い方等につきましては、前までとほとんど変わりはないのですけれども、例えば1ページめくっていただきまして52ページ、そこの真ん中に表がありますけれども、これがいわゆる産業連関表の投入算出係数に相当するものです。
 2050年のその投入算出係数、例えば1単位活動する際に、どれぐらい原材料なり、あるいは資本、労働が必要になってくるのか。また、環境負荷がどれぐらい発生してくるのかというようなことを想定いたしまして、その想定のもとで、どういうような実際の環境負荷、経済発展、経済活動とともに環境負荷がどれぐらい発生してくるのかということを見る、それがこの定量化の役割と考えております。
 どういうような係数を設定するのかというところにつきましては、同じ資料2の初めの方に過去のトレンドがずっと書かれてありますけれども、そういう過去のトレンドを参考にしながら、2050年は恐らくこれぐらいだったら無理なく行くのではないか、また、持続可能な目標が達成できないのであれば、何らかの技術、追加的な対策を加えて、何とか持続可能性を達成していこうという試行錯誤のツールとしてこのモデルを使っていきます。
 今回の参考資料の中にはそういう前提条件の話は余り書いていません。これはまだ試行錯誤のプロセスの途中ですので書いていないという理由なんですけれども、最終的な報告書の中には、今回の計算ではこういうような前提でやりましたという前提条件の明示はきちんとする予定にしております。
 例えば人口、人口はもともと資料として入っておりましたけれども、例えば海外とのやり取りですとか、あるいは技術の状況、さらには人々の嗜好がどう変わるのかということにつきましても随時入れていく予定にしております。
 特筆すべきところといたしましては、59ページに「定量化の枠組み」ということで、どういうことを考えているのかという図を示しております。
 基本的には、2050年、持続可能な社会を達成できるのかという、それのための条件というものを検討していく。それがこの定量化のモデルの役割なんですけれども、左の方にあります流れ、上から下に向かっての流れに従いまして、2050年の社会の前提条件を適宜変えていきまして、2050年に果たしてその持続可能な社会というのが構築されているのか、実現されているのかというのを、実現するまでその前提条件をいろいろ変えていきながら計算をしていきます。
 2050年のビジョンが達成されたというような計算ができましたら、その後2030年についても計算を行っていきます。最終的に、2050年のビジョン達成の社会像と2030年の社会像、これとを見比べてみて、先ほどの資料の7番目のところにあります経路の話、2050年に向かう道筋の検討を行っていくという手順で計算を行っていくということを考えております。
 現時点では、まだ幾つか想定しきれていないところがありまして、完全なものができていないのが現状なんですけれども、次回8月17日までには、その定性的なストーリーの話と対応するような形できちんとご提示することをお約束したいと思っております。
 現時点でも幾つかその結果は出ておりまして、その結果につきましては、例えば35ページの図6.6ですとか図6.7のように、定性的なストーリーの話の中に幾つかグラフがありますけれども、そういうグラフの中に2050年の結果が示されているものがありますが、それは今回の定量的な作業の中で出てきたものであります。
 ただ、今回、技術の中で、CCS等はまだ導入していないというようなことがあって、まださらに検討すべき内容がありますので、まだ若干、例えばCO2 の話で行きますと7割削減というのは少しちょっと足りない状況にあり、目標達成までにはもう少しさらに努力をしないといけないという状況にはあるのですけれども、一応こういう形で2050年の姿を描いています。また後ほど、次の議題のときに、2050年に向かう道筋の検討については紹介したいと思います。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 これ、今お手元で、ご説明いただきました資料2というのは、多分これに何か書き込んだ格好で最終報告書になってしまうのではないかというふうにも思われるものなのですが、何せまだ結果が出ていませんから、実を言いますと、こうはなるのだろうというものの、やはりちょっと書き込みや何かが本当にどうなっていくかというのは難しいところがあります。
 特に、先ほどご説明いただいた7番が1つの、今回どうもこの辺が重要になってくるかなと個人的には思っているのですけれども、40ページからの「2050年に向かう道筋の検討」というところが、ちなみに40ページ側で絵で△と×、図は△になっていますけれども、文中には×になっているのでございますが、この辺の設定、それから記述等がいろいろ問題かなと。
 この辺とか、その辺がもし問題になってくると、例えば住宅・建築物みたいに、寿命が50年、100年あるようなものというものを本当にどういうふうに記述するのだ。車だって、下手をすれば15年ぐらいあるわけですよね。ですから、そういうようなものを一体どうするのかとか、さっきも申しましたようにいろいろなところが抜けている。
 それから、大体、海洋のさっきの話がございましたけれども、そういうものをインフラ整備をやって2050年で間に合わせようとするには一体いつからやるんだみたいな話も、一体どこに書き込むのかとか、そんないろいろな話があって、スポットではやはり議論ができない話がいっぱいあって、そういうものについてどんな記述をしていくのかとか、例えば本当に、建物のところでもそうですし、交通のところでもそうですけれども、何かこのまま読んでいくと、今の車が走っているような気がするのですけれども、多分そんなことはないんですよね。だから、その辺が、もう少し何かイメージを膨らませていかないと無理かなという感じで、先ほどのような発言をさせていただいているのですけれども。
 というわけでございまして、今日ここでごらんいただきましたものが、何となくこれが変わって最終報告書になっていく、今のところどこにもそんなことは書いてないんですけれども、何となくそんな感じかなという気がします。
 そのベースになっていることは間違いなくて、検討の前提条件とか、過去のトレンドとか何とかはこのままで、それで具体的な検討のやり方、それから結果の解釈に関してはこれからやはり書き込んでいくといいのだろうなというところではないかという気がいたしますが。
 いかがでございましょうか、何かご意見等ございますか。それとも、このぐらいでお考えいただきながら、湯原先生に何かご発表いただくのも。この時機ですよね。
 そうしたら、湯原先生、お願いします。

○湯原検討員 お手元に「海洋の開発と利用についての新しい展開−海洋基本法と第三期科学技術基本計画−」、これはフロンティア分野の「海洋分野推進戦略」というのができておりますけれども、それについてであります。
 「海洋技術フォーラム」というのは、東京大学や海洋大学、それに産業界を含めた学協会、全部で19団体が入りまして、第三期科学技術基本計画や海洋基本法に対しての提言をしてきたフォーラムであります。
 そこに、次の下の方に書いてありますように、排他的経済水域ということが主たる問題でありまして、排他的経済水域というのは、「経済」とついておりますとおりこの中で産業活動をやらない限り主権的権利というものはないという国連海洋法の規定でありまして、調査にしても何にしても、要するに産業につながる経済的な探査ということが条件になっております。
 日本は、特に中国や韓国との摩擦を恐れる余り、東シナ海でのいろいろな資源の開発は棚上げにしてまいりましたけれども、何年か前の中国との境界におけるいろいろな問題から、急激に排他的経済水域に対する関心が高まってきたわけです。
 次の2ページでありますけれども、海洋基本法というのが、従来もう何回も出ては引っ込み出ては引っ込みしていたのですが、やっと今回は成立したということであります。下に書いてありますように議員立法によってなされました。どちらかというと各省庁は腰が引けた形でずっと見守っていた形でありますけれども、1年間の海洋基本法研究会というものを、自公民の議員さん10人と学識者13名で作業をいたしまして、骨格をつくったわけであります。
 それを自民党が引き取りまして、さらに考え方をいろいろ入れて決まったのがそこに書いてあるとおりでありまして、基本理念、これはこういう優先順位でとも考えておりますが、1番目は、海洋の開発と利用は我が国経済社会の存立基盤だということを一番初めにうたっております。
 次に、海洋環境が良好に保たれることは人類の存続の基盤であって、この開発と利用と環境というものの調和が重要であるということを理念に掲げているわけです。
 2番目が安全の問題、セキュリティでありますが、軍事的な面も含めての話だと思います。
 3番面が、科学技術も海洋の開発・利用・環境保全のためにやるのだということを明確にうたっております。
 それから、海洋産業というものは経済社会の発展基盤であって、国民生活の安定性向上の基盤であり、健全な発展を図るのだということと、それから、全部、従来は余り言われていなかったことでありますが、開発・利用・保全というのは総合的かつ一体的に行う。それから、国際協調のもとに行うということであります。7月20日以降、海洋大臣が任命されて、内閣府に総合海洋政策会議が設置され、具体的に政策を推進してゆく。キーは、海洋基本法を策定して、海洋基本計画を作り、予算をつけて、一元的一体的に推進していくということであります。
 次のページでありますけれども、海洋基本法には、かなり具体的に「何々すべし」、国が何をしなければいけないかということが12項目、国の責務が書かれておりまして、1番目が海洋の資源、資源は食料も含むわけでありますけれども、化石燃料や資源や海洋エネルギーでありますけれども、その開発及び利用を推進する。
 それから、環境を保全するということと、排他的経済水域における開発を推進する。
 それから、輸送、海運でありますけれども、輸送を確保して、安全を確保する。
 それから、海洋調査、いわゆる産業ポテンシャルマップのようなことでありますけれども、それを推進し、研究開発を推進する。
 それから、海洋産業をやはり国として振興し、国際競争力がつくような形の施策をとる。
 それから、沿岸域の総合的管理を行いというのと、離島の保全であります。人が住んでいる離島や南の沖ノ鳥島のような住んでいないところも含めた離島の保全でありまして、それから国際協力を推進し、それから従来海の教育というのは非常に手薄になっていて、国民が海に対して理解が薄いわけでありますけれども、そういうことを推進するということであります。
 こういうふうに、学協会、大学が中心で海洋技術フォーラムが提言してまいりましたので、それをちょっと、その基盤になったと思いますので、説明させていただきます。
 次のページでありますけれども、「危機とその克服−海洋が果たす役割と重要な開発課題」、初めに海洋ありきということではなくて、日本が将来危機に遭遇する、食料、エネルギー、資源、環境、温暖化、安全と権益という6項目にわたって、将来、原因があって結果があって、危機が想定されるというわけであります。
 そういう危機に対して、「原因」と「結果」と書いてありますけれども、ここまでは何も海洋に関係ないことでありまして、関係あるのもありますけれども、特に海洋ではありませんけれども、こういう日本をめぐる将来の危機に対して、海洋がどういう役割を果たせるのかということが具体的にそこに書いてあります。
 さらに、ではその役割を具体化するためには海洋開発の重要な課題が何なのかということがその一番右のCに書いてありまして、こういうことを基本的な役割と課題として、第三期科学技術基本計画や海洋基本法、基本計画策定への動きに対して提言をしてきているわけです。
 それから、その前に、2005年2月でありますけれども、ではどれだけ投資をしたらどれだけの産業規模になるのかということをその前にやっておりまして、新しい産業の規模と雇用、といいますのは、海洋産業というのはプラザ合意以降、すべて買うということになって、海洋開発、自主開発というものがほとんど放棄されていったわけでありますけれども、ですから、これから立ち上げるということはもう新しい産業をつくるに等しいところがありますし、先ほど申し上げましたように、石油工業連盟に属する会社も鉱業権を申請しても棚上げになっておりましたので、ほとんどもうエンジニアリング技術がなくなっているということを考えた上で、やはり新産業に近い規模ではないかというふうに考えているわけであります。5兆 7,000億、25万人の雇用というようなことを一番初めに考え、その上で危機とその克服ということを考えたわけです。
 それで、ポイントでありますけれども、海洋基本法もこういうポイント、基本的視点を取り上げられた、組み込まれたというふうに私たちは考えておりますけれども、1番目は「海洋立国」ということをよく言いますけれども、それは排他的経済水域における産業活動があって初めて海洋権益がある、これは国際的な常識でありまして、中国は15年間にわたってこつこつとガス田の開発をしてきているわけでありまして、国際的に見れば中国の方に権益があると見られるわけでありますけれども、境界の問題が絡んでいますから必ずしもそうは言えませんが、海洋権益というのは産業活動があってある。ですから、「海洋立国」と言った場合には、やはり「海洋産業立国」というのが中核なのだということで、日本の現状というのは、政策大綱としては「新産業創造立国」に置くのが適切である。
 それから、2番目でありますけれども、先ほど来申し上げているように食料・資源・エネルギー・環境の危機に備えて、自主開発と事業開発を基本に持続可能で国際競争力ある利用技術を確立、これは第三期科学技術基本計画の海洋分野推進戦略にも基本的な考え方として掲げておりますし、第三期科学技術基本計画そのものが、新しい産業技術競争力をつくり出すのだということを基本理念の1つに置いておりますので、それにもならっているわけであります。
 それで、海洋関連予算は拡大して、やはり大規模投資が要るわけであって、個々の技術は非常にぴかぴかでありますけれども、総合的エンジニアリング技術が非常に劣ってきているということで、そこを強調しております。
 それから、3番目は、海洋の予算というのはもうまさにジリ貧でありまして、宇宙2,000億、原子力3,700億に対して、海洋は400億、これは文科省の予算だけでありますが、そういうふうになっているわけでありまして、やはり産業基盤強化ということから、インダストリアルなプロジェクトを先導することが要るのだということを言っております。
 具体的に何かというのはその下でありまして、どういうことかというのは、これも詳しくいろいろな積み上げをしておりますので、機会があればまたお話しできますけれども、7つ掲げられております。
 1番目が海洋産業ポテンシャルマップ、日本の排他的経済水域にどれだけ資源があるのかよくわからないのであります。それで、やはり自分たちがどのぐらいの宝を持っているのかということを、継続的、広汎な資源探査を中長期にわたって展開する。これはどこの国でもやっていることでありますけれども、特に韓国、中国は熱心にやっているわけでありますけれども、こういう海洋資源マップをつくるということが非常に重要である。
 それから、持続可能な海洋生物資源、これは漁業や海洋バイオや食糧生産、沖合養殖でありますけれども、漁獲量の関係から大規模な沖合養殖ということを言っております。
 それから、3番目が、金属資源が軒並みに5倍から10倍になっているわけでありますけれども、銅にしてもコバルトにしても、そういう日本の熱水鉱床、コバルトリッチクラストというのは、海外の会社が鉱業権を現実に申請しているわけでありますけれども、これもまた棚上げにしてしまっていますけれども、非常に豊かな熱水鉱床を持っているということで、現在問題になっているレアアース、レアメタルの鉱物資源の生産事業をやるべきである。
 それから、石油・ガス・メタンハイドレードという化石燃料もやはり自主開発、これは新国家エネルギー戦略では2030年までに石油の自主開発比率を40%にする、石油工鉱業連盟の方から言わせると非常に厳しい要求であると。今は15%でしょうか。しかし、国家エネルギー戦略としてそれを掲げているわけでありますから、メタンハイドレートを含めた排他的経済水域以内での探索と生産事業をやるべきであるとのことです。
 5番目が海洋エネルギーでありまして、特に潮流・海流・波力ということを掲げております。地域の分散エネルギーに使うべきである。
 それから、6番目が洋上生産基地を挙げて、食料生産、エネルギー資源、環境観測、それからCO2 海底貯留、そういうことの基地をつくっていくべきである。
 それから、7番目が海洋情報産業でありまして、これは人工衛星、リモートセンシング、V、ROVを含めた、ほとんど点と点ぐらいの観測しかしておりませんけれども、面から立体にわたる総合的かつ統合的な環境海洋計測をやって、異常気象や防災や安全や、そういうことに対処する情報産業として育成するということであります。
 下に書いてあるのは、以上、先ほど申し上げたとおりであります。
 それで、次のページに、これは絵のようなものでありまして、海洋科学のレベルは高いという評価でありますけれども、やはりそこの産業につなぐところが非常に弱いということであります。
 それから、経済産業省は「地域新産業創造戦略」ということを実施されてきておりますが、海洋も一緒でありまして、特にエネルギー分野や漁業、養殖、深層流や湧昇流、そういうのが2番目に書いてありますし、CO2 海洋隔離事業、それから先ほどお話のあった海藻、藻類でしょうか、森林再生とかそういうのを含めたもの。それから、希少資源、そういうものはやはり地域産業として育成していくということが重要である。そのための知的クラスターを形成する。あるいは、今回基本法にも掲げられておりますけれども、研究開発や教育、人材育成機能をつくっていく。私たちの提案は、シーグラントのような特定のグラント、資金計画が要るのではないかというふうに考えております。
 以上、簡単でありますけれども、こんなことで、海洋基本法が7月20日から施行されまして、現在はどういうふうに基本計画に各省庁が連携して打ち出していくかということを考えたり、環境省もしているのではないかと思いますけれども、経済産業省や国土交通省では学識経験者を集めて基本計画への提言というのを聞いて取りまとめているところです。
 以上です。ありがとうございました。

○安井座長 ありがとうございました。
 さて、どうしますかね。まず、ご質問いただくと同時に、これをどういう形で、計算は多分無理、しかし細かいところは後で継ぎ足せばいいのかもしれませんが、今のお話ですと、2050年にどれが実用になっているかという推測がちょっと今のところ難しくて、結局どれをシナリオに組み込むことがいいかというのがちょっとわかりにくい部分があるということですが。

○湯原検討員 そういう作業は既にしておりまして、第三期科学技術基本計画のときは、2020年までに実現するものという限定で推進戦略を具体的につくらされました。
 私たちの海洋技術フォーラムでは、大体2030年をめどに12テーマを掲げておりまして、それに詳しい積み上げが、まあ、詳しいといっても大ざっぱと言った方がいいかもしれませんけれども、積み上げをしておりますので、もしそれがご参考になるのでしたら、私どもの方に資料がございますのでご参考にしていただければと思います。

○安井座長 それでは、事務局側とまたコンタクトをとっていただいて、そのあたりは情報交換をしていただけたらと思いますが。

○苦瀬企画官 では、またそういった資料なども参考にさせていただいて、MEDMの検討をするということで。

○安井座長 あとは、湯原先生の今のその詳しい資料が来ればよろしいとは思うのでありますが、要するに日本でCCSをやるという話になったときに、国際状況等で、やる、やらないというのは多分外的要因もありますよね。その辺を含めて、何かその状況を少しご説明いただいた方がいいのかなという気もするのですけれども、ノルウェーなんて明らかに今でもやっているわけですから、まあ、やれるのだろうとは思うのですけれどもね。

○湯原検討員 私の理解は、欧米、特にアメリカ、ヨーロッパは陸上隔離で何の苦労もない。特に日本は、もう海洋隔離しかないんだというところが非常に大きな観点だと思います。
 それから、もう1つ、2030年までに、例えば火力がゼロエミッション、CO2 を出さない火力ができるかどうかという見通しでありますけれども、一部分は私は石炭ガス化論や、天然ガスのトリプルサイクルで多分、燃料電池をトップリサイクルすることによってできていくと思うし、2050年にはそういうものが実用化していると思うんですね。ですから、それをどう折り込むかというのが大事ですけれども、しかし全部が全部、CO2 ゼロエミッションの火力になれるとはなかなか踏み切れないのではないかと思います。
 特に、アジアも含めた面、中国、インドまで含めたものを考えると、とてもそんなことは考えられないのではないか。世界で2050年に半減という形か、指針したからそこまで考えたら、やはり海洋隔離をかなり積極的に日本がアジアの中で進めていかない限りだめなのだろうと、そんなふうな考えでおります。

○安井座長 何かこのあたりに情報をお持ちの方がいらっしゃったら、どうぞ。

○原沢検討員 情報というか、質問なんですけれども、海洋汚染防止法でも、海底下、地下貯留をやっていまして、見積りとしては54億トンというような数字が出てきて、比較的いい場所がないという感じがちょっとあって、この技術はつなぎの技術という形での位置づけで、海洋汚染防止法ですから、いわゆる汚染物の特別事例みたいな話があって、その中でも議論があって、要するにCO2 を廃棄物として海中の地層に貯留していいかどうかというような。
 というのは、環境汚染の問題とか、CO2 を輸送する段階でのいろいろな問題点とかがあって、多分その辺は技術的にだんだん改良されて、ある程度コストもエネルギーもうまくいくのだと思うのですけれども、そういった事例というか、ロードマップ的なものがあれば、多分、モデルに入れるかどうかは別として、技術の特定みたいな話には非常に有効な情報になるのではないかと思うので、その辺もちょっといただきたいなという話が1つ。あとメタンハイドレートなんですけれども、これは非常に埋蔵量があるという話があって、どこまで使えるかというのはある意味エネルギー問題の1つの大きなソリューションになっていくと思うのですが、一方では、あるときわっと出てしまうとこれまた大変な話になるという、ここもやはり技術の問題になってくるのではないかと思うのですけれども、その辺の見通しみたいなものがどの辺まで手堅いものとしてあるのかどうかというのをちょっと質問したいのですけれども。

○湯原検討員 そんなに専門ではないので答えられるかどうかわかりませんけれども、メタンハイドレートの崩壊の問題にしても、 ガス化の問題にしても、アイディアが出ている段階、実験室レベルのはできている段階ですけれども、現実にデモンストレーションプラントとしてやったことはないわけでありますから、やっていないといいますか、今のお答えには2030年までにはなかなか難しいのではないかと思いますけれども、少なくとも国の方針は10年後に商業化すると経済産業省が言っているわけなんですけれども、それはなかなか難しいだろうというのが現実的な見方だと思いますけれども、強調したいのは、そうは言ってもデモンストレーションをやらない限り何もわからないので、ラボ的なこととか、探査的なことだけでお茶を濁していくような現在のやり方ではますますだめだろうというように私たちは提言しております。
 いずれにしても、天然ガスというのはどこでも噴き出してくるわけで、噴き出してくる天然ガスがピークアウトというか枯渇というか、そういうのに近づかない限りは、経済社会から見ると、なかなかメタンハイドレートというのはずっと先の話になるのではないかというふうに私は思います。

○安井座長 ほかに、何かございますでしょうか。
 私も余りよくわかっていないのですけれども、先ほどの54億トンというのはトータルなキャパがという話ですか。

○原沢検討員 報告書が、条約の改訂の関連で委員会をつくっていまして、54億トンという数字がちょっと載っていたのはうろ覚えなんですけれども、具体的に大体どの場所にどれぐらい海底下地下貯留で埋められるというような、そういう試算値もあるようです。
 ただ、そんなに、世界全体では2兆トンとかすごく莫大な量がIPCCで報告されているのですけれども、日本の周辺の海域になりますとかなり限定されているのではないかという話が1つと、あとは漁業権ですとか、環境上やはり重要な水域なんかもあったりするので、そういうのを考えると、最大で54億トンぐらいではなかったかと思います。正確な数値は、多分報告書に出ていますので、また。

○安井座長 メタンハイドレートも、いわゆるエネルギー・プロフィットレシオがどのぐらいとれるか、経済性というよりは恐らくはそこですよね。それが3ぐらい行けば、大変実用になるのだろうと思うのですけれどもね。
 さて、そんな状況でございますが、海洋は確かに最後の期待みたいなところがあって、それで本当にどのぐらいシナリオに組み込むかというのは難しいところだなという気がするのですけれども、どうですかね。

○湯原検討員 ただ、やはり東シナ海のガス田でありますとか、EEZの中の、排他的経済水域なんかにおける金属資源、鉱物資源というのはもうやればできるわけですから、それはやはりちゃんとやらなければ、最後の期待などとは言わないで、例えば銅なんか10倍になったわけですから。ウランも10倍、銅も10倍でありますから、やはりやらざるを得ない領域に追い込まれてきているのだと思います。

○安井座長 おっしゃるとおりで、金属資源というのは恐らくはコストさえ合えばやれるんですよね。エネルギー資源は、投入エネルギーで得られるエネルギーのように、さっきも申しましたようにエネルギー・プロフィットレシオがやはり問題で、金が、幾らエネルギー価格が上がってもできないものはできないんですよね、EPRが制限ですから。ですから、その辺、見極めて適当な数字を書き込むんですかね。その辺の少し何か。
 まあ、それは最後の、さっき申しました散文的記述の中でやるしか多分ないのかなという気はしてはおりますが、しかしどうやってその散文的記述を集めるかもまだ決まっていないんですよね。その辺、事務局とこの間、各人に少しずつと。

○苦瀬企画官 もう急いで、これが終わったらまたすぐ文章にしなければいけないところとかも若干あったりしますので。
 あと、最後の方でも申し上げるつもりだったのですけれども、各先生に直接、案をまとめるためのご相談にも伺おうと思っております。で、急いで固めていきたいと思っております。
 今のお話を含めてですけれども、2050年のビジョンの話で、そういったことを聞いていくという意味です。

○安井座長 イメージとしては、先ほど来申しておりますように、これから、実を言うと次にまだ議題がございまして、そこで途中経過あたりをもう一遍、2050年に向かう道筋についてということで若干のご議論をいただこうと。これはどこにその設定をして、どうやってその結果が8月17日に出てくるかにかかわることでございます。
 それは別といたしまして、先ほど来申しておりますように、ここに今お手元にあるものが何となく最終報告書のイメージみたいなことになりますが、こんな形で、何が足らないかとか。
 どうぞ、何かありましたら。

○明日香検討員 ちょっと確認なんですが、ちょっと前の方にかかわるかもしれないのですけれども、クールアース50ですか、2050年に半分というので、そのときにやはり皆さんが疑問に思ったのは、「日本はどうするのか」というのと、「いつから」という話だったと思うのですけれども、多分これからそういう数字が出てくるのかなとは思うのですが、ここでの作業が、ある意味では具体的な数字を示唆する実質的なものになるというふうに理解して、ほかでやりそうなところは多分国環研ぐらいしかやるところがないと思いますので、それでいいのかというのと、では日本はどうするかという数字を出すときに、ここでの話では余り排出量取引とかトレードの話は入っていなかったと思うのですけれども、それを入れるのか、それとも日本だけで、国内だけでやるというような方向で今考えているのか。もちろん、両方入れるというのもあると思うのですけれども、そこら辺は、すみません、どう理解していけばよろしいのでしょうか。

○安井座長 その辺も結局どう書くかですよね、と思っていますが。
 トレードの話も、どうするのかな。その辺どう書くかだと思っていますが。

○小林官房長 すみません、ちょっと今、発注側の総合政策局長がいなくて、地球環境局長の前任官と、それからもう1つは環境立国戦略の官邸ネゴを時々やっていたという立場だけなので、余り責任を持った答弁でもないのですが、まず、いずれにしても日本がどれだけやれるのかということは大変重要な論点で、やはり環境省としては準備をしていかなければいけないと思っておりますし、この場のアウトプットだけがその材料かどうかわかりませんけれども、非常に重要なアウトプットにはなるだろう。インプットというようにして、このアウトプットが私どもにとっての重要なインプットになるだろうというふうに思っております。
 それから、2点目でございますけれども、そういったときにどんな、いわば政策選択肢まで考えるのか。例えば国内でどこまでの削減を担って、また、外国の削減をどれだけ頼りにして、それが日本の削減量としてカウントできることにするのか。そのときに、さっき分岐シナリオみたいなのがありましたけれども、そういうのに対応するようなこともあるのかと思いますが、しかし、それはどういう政策手段を選んでどういう絵を描くか自体がやはり非常に重要なことなので、私の理解では、そういうことを、先ほど座長からのお話がありましたように、それが文章になってしまうのかどうかわかりませんけれども、ここで議論して検討していただくに値する、むしろそれが中心的なテーマではないだろうかというふうに思っております。ですから、それは事務局から「こうしてくれ」というふうに言うよりは、ご検討いただいた方がおもしろいのではないかと個人的には思っております。
 だから、ちょっとその考えでは、蛇足ですが、みんなが関心を持ったこととして、先ほど2つおっしゃられました。
 1つは現状に比べて50%カットというのはいつからなのかということなのですが、それは、一応今回のスピーチの中ではそこは具体的に決めない。90年かもしれないし、IPCCのレポートにあります2000年から2005年のデータかもしれませんし、いろいろある。それは、その数字自体がいろいろ、確実な数字があるわけではありませんから、一体どういうことかというのはわかりませんが、基本的なメッセージは非常にはっきりしていて、排出量と吸収量を一致させなければいけない。
 だけれども、ではそれはその吸収量は幾らなのかよくわからないから、とりあえず今の取り組みとしては、今出している排出量を半分にするぐらいのことを考えないといけない。まず、みんながそういう大きな大局観を持つことによって、では日本はどうするとか、アメリカはどうするとか、どういう計算で削減量を半分にするというルールをつくるのかというようなことは、大枠そういう大局観の認識を共有にした上で詰めていく話ではないだろうか。
 だから、日本がどうするとか、アメリカがどうするとかいうことを先に言い出すと、恐らく何も答えはなくなってしまうので、まずは、そういう大局観を一致させよう。そのときには、それが1990年なのか2005年なのか、それは余り重要ではないでしょうというような感じで、総理は準備をされたというふうに私どもは理解をしております。

○明日香検討員 多分、総理はそうだと思うのですが、我々が、では8月17日までに出すときに、例えば何年からという数字とか、ほかの国との関係とか、ある程度やはりいろいろインプットして、パラメトリーでつくって出していかなければいけないんですよね。そういう作業をやるということでよろしいのですよね。

○苦瀬企画官 試算上は何か数字を置かなければいけないということで、ご関係の方で一番準備しやすい数字が多少、どれになっても参考にはなると思うのですけれども、1つは、考えられるのは70という数字、脱温暖化の検討とか、ミッションボードの検討とかでもやっている数字というのが考えられるかと思います。そういうことですね。かつ、90年ですかね。

○明日香検討員 日本は何パーセントという、日本の数字をある意味で出すということですよね。

○苦瀬企画官 これ、今、増井先生に補足していただいた方がいいかもしれませんけれども、日本の社会のモデルとしてやってもらっていますので、日本の数字ということです。

○安井座長 とりあえず、数値としては今おっしゃっていただいたようなことだけでして、それより緩めはいかようにでもなるから、一応きつめの、90年掛ける0.7、7ではない、7カットですね、0.3というところでとにかくやってみて、それで、国際的な仕組み云々は、とにかく日本国内ではこう出した、だから日本国内の削減ではこうだと。だから、トレードによる削減量は、海外における削減量をこちらが、紙の上だけでもらうわけですから、要するに実際の削減量はそうだという話にするのではないですかね。
 それよりも海外でやればいいとか、いろいろな話が出てくるかどうかは、それはまた別の話かなということかと思いますが。そんなものでいいですか。

○明日香検討員 時間がないので、結構政治的なインプリケーションはあるのかなと思いますので、そこら辺は議論はした方がいいかなとは思うのですけれども。

○安井座長 それは結局、その辺だれがやるかなんですけれども、ここなのかというのが1つ問題ですよね。
 それで、結局我々としては、これはもともとバックキャスティングでやろうという話になっているわけですから、2050年というゴールが、例えばこれで可能かどうかというのが一番の関心事ですよね。
 ですから、要するにフィジカルに日本という地理的な条件で、その中で出てくるCO2 を7割削減。それでもちゃんと経済成長ができるなり、環境もひどくはならない、循環型社会もちゃんとなる、自然もある程度保てるというような形ができるかどうか。そこにどのぐらいコストをかけなければいけないかとか何とかというのが多分次の重要な話になってきて、それで、それを実際の政策にどうやってやるかは、そこから先は、実を言うとここの話ではないと思うんですね。
 それを、日本国内でやるよりも、例えばノルウェーみたいに全部オフセットでやろうなんていう考え方だってあり得るわけですよね。ですから、ノルウェーはもうCO2 排出量を2050年にゼロですからね、あの国は。ですから、ゼロにしたらできっこないので、とにかくどこかでオフセットですよね。
 ですから、オフセットがいいという考え方もあり得るかもしれないのだけれども、それはそれでここの話ではないということだと思いますけれども。

○原沢検討員 直接ここの対象ではないと思うのですけれども、最近、RITEの秋元さんが、CO2 、550ppmで行かないとできないという話がありましてですね。多分、非常に大きな問題になっていると思うので、そういう意味では17ページにある、ここはIPCCの報告書を引いているということである意味数字的にはいいかと思うのですけれども、私どもの研究所でやった数値も大体これの範囲に入っているわけですね。
 そういう意味ではいいのですけれども、ちょっと条件が最近変わってきて、気候感度が2.6から3に上がったりとか、やはりちょっと今そういう意味で見直しをしているところという話が1つ。その辺は、先生がおっしゃるように、しっかりした数値を持った形で詰めておく必要があるのではないかと思います。この場でそういった議論がいいかどうかというの話はちょっとあるかと思いますけれども、大事なことはどうやら。

○安井座長 どうですかね、秋元さんあたりが、それが出てきて、それは結局、できるかという話が、それが議論になればそれはそれでもいいんですよね。
 できれば、結局それはできるといってもいろいろな意味がありますね。結局、例えば経済成長率がどうしたって2%落ちていってできるかと言われると、そうではなくて1.5%でできるかという話が全然違うのと、あとはやはり、今の原沢先生のお話ではないですけれども、やはり2.5度というのはやばいのか、やはり2度なのかとかと、いろいろ話はありますからね。
 ですから、それはそれとして、ここではきつめでとにかくできるかどうかというのをやってみようということでいいのだと私は思っているのですけれども、皆さんのご意見は。はい。

○川島検討員 これからの話になるかと思うのですが、私は今まで聞いていた印象ですと、41ページの二酸化炭素排出量のところで、△と●の話がありますよね。これと、その前になるのですが、39ページのところの表の6.7ですか、2つの分岐のシナリオのところの整合性を恐らくつけていくのが、増井さんのモデルでやるのかということになるのでしょうけれども、恐らく一番注目度が集まるところだと思うんですね。
 実際の社会を考えると、表の6.7というのは非常に極端な例が2つ並んでいて、恐らく実際の中ではこの中がモザイクになったような形で2050年になだれ込んでいくので、そのときに、やはり41ページのところで、■ですか、■を達成するとしたら、例えばどういう技術開発が必要で、それにどのくらいのコストと、逆にそれで食べていける分もありますよね。こういう技術が日本でできて、外が輸入すると。やはりその辺のところが何か具体的に出てきて、なおかつそれがそのモデルで裏づけがされているということがあると、非常にそこが注目点になるのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。その辺、逆に言うと、モデルがそこに追いつくことは、まあ、難しいですよね。

○増井氏 温暖化に関して言いますと、例えば脱温暖化研究でロードマップの作成を既に行っていますので、こういう技術、しかもそういう技術を導入するためにはどれぐらいコストがかかるという点は反映させることができます。
 ただ、難しいのが循環の方でして、循環の方はまだちょっと指標がどういうものが適切なのかという議論も残っていますし、なかなか廃棄物の定義そのものも難しいというところがありますので、明確に「これだ」ということを言うのはちょっとまだ難しくて、少しぼかすような感じで表現することになるのかなとは思っています。ただ、できる範囲ではやるようにはしたいと思っています。

○川島検討員 よろしいですか。例えば6.7のところで、グローバル化傾向先鋭シナリオの方に行きますと、恐らくこの社会というのは結構エネルギーも出しそうだと。いつか、花木先生ですか、ドラエモンのですよね。恐らく自立先鋭シナリオの方がトトロの方ですよね。トトロのシナリオで、恐らくこちらの方がエネルギーのそれは低いのだろうなというようなことですよね。ただ、技術革新の速度というと、明らかにドラエモン型の社会の方が技術革新の速度が早いと考えた方がいいのでしょうね、恐らく。
 そうすると、その辺が、逆に言うと最終的にどちらのシナリオをとった方が、41ページのところでこの半減シナリオの方に行くかというのが、恐らく一番ある意味で関心が集まるところなんですよね。その辺について、何か明確な答えができるのですかね。
 または、ここでしなければ、それは安井先生に対する質問ですけれども、ここはそこのところまでは求められるのでしょうかね、この検討会は。

○安井座長 その辺は大分考え方が違ってきてしまっていて、結局この2つのシナリオというのは、ある意味でマイナーチェンジと言わざるを得なくなったのかなという気がするんですよね。
 ですから、このシナリオをやることによって何かすごく道筋が違うのかなという話を最初はやろうとしていたのだけれども、外的要件から言って、何か物理的に7割で、それで、だからこれが一体どういう形で生かされるかというのが、また先ほど言っていたように、ここは結局散文的にカバーするしかないかなというのが今の実態。ですから、数値的には、結局フォローしきれないのではないか。
 だから、例えばトレードの話なんかにしたって、実を言うといろいろな仕組みがあって、ヨーロッパの言うトレードだけではないわけで、例えば今、川島さんがおっしゃったように、例えば厳しめに行けばその技術が売れるかもしれない。ただ、今のやり方だと、例えばCDMとか何とかで技術を安売りするようなシナリオだと、それはないですよね。
 だから、要するに技術が高く売れるということにならないと、これは多分技術は進歩しない。それはもうインターナショナルな問題であって、だから、その辺をどうするかみたいな話を、結局何か散文的にカバーしていく。だから、こういう行き方だと技術は早くいくけれども、その技術が売れるような仕組みが、こんなことがあるかもしれないけれども、そういうことが国際社会の中に組み込まれないとだめだよみたいな話になっているのではないのかな。
 今のキャップ・アンド・トレードみたいなやり方だけでは多分行かないのではないかという気がしていて、それに対してどんな新しい国際的な仕組み、枠組みというのが考えられるか、そこぐらいもう若干散文的に書くのかなみたいな感じなんだけれどもね、個人的にはね。「キャップ・アンド・トレードも要れられない日本がそんなことを書いていいのかよ」と言われると、それは問題なんだけれどもね、それは。(笑)
 というわけで、ですから今の6.7の分岐シナリオというのは、だから本当に散文的に大所からと。それに関して、だから、まだ何もできていない。さっき言ったみたいに、この辺、何にも肉もついていない、骨格も見えていないというような、こんなところです。

○若林検討員 ちょっと末梢的な点でもあり、確認ですが、今の39ページの2つの分岐シナリオの中に、下のところで「海外移民が比較的多い・少ない」という言葉使いになっているのは、移民となるとかなり定住性を持つ認識が強くなります。外国人労働力、海外からの移民ということだと思いますけれども「移民」という言葉が適当なのかどうか。
 いわゆる定住性、もちろん国際的には家族呼び寄せは権利的に認めざるを得ないことになっていますけれども、「外国人労働力」と言ったほうが抵抗が少ないというか問題がない。「移民」という形の定住制度を、最初からこういう言葉を使っていいかというのはちょっと気になったということが1点。
 それから、もう1つ、25ページのところですけれども、これもまた、昨年のTFR、合計特殊出生率が1.26から1.32に一時的に上がったのをどう見るかですが、「出生率は回復基調にあり」とはっきり言ってしまっている。これは、非専門家の方はいろいろにぎやかに論議されますけれども、人口学の世界では、これはかなり一時的な人口学的要因でこうなるのは前からわかっていた。この1.32については、後で問題にならないようにもう少し抵抗のない言葉でやんわりしておいた方がいいのではないかと思います。

○苦瀬企画官 ありがとうございます。
 今の2点の後者の方は、ここは2050年の姿としてはどうなっているといいだろうということなので、現状の分析として書いたのではないということです。
 あと、39ページのは、ご指摘の点を踏まえて、「海外移民」ではない方が多分適切なのかと思うので、またご相談させていただいて、今のようなところで変えたいと思います。

○若林検討員 50年のことで回復基調にあって、安定規模ですね。
 いずれにしろ、再生産能力がきちっとある状態というのが適度人口だというふうに私は思っていますので、今、やはり2050年限界集落を書いていただいたのは非常にうれしいのですけれども、まさにこの辺のところが、もう再生産能力を失った地域がもっとひどくなるというか、その辺のところ、そこで、適度人口論云々という言葉とも関係するのだというふうに認識しています。
 以上です。

○安井座長 本来は休憩が入るという、いつでもそうなのですけれども、一度もとれたことがないという歴史的事実がありまして、今日も無理なんですけれども、そんなことでございまして、あと何か、後でも結構なんですけれども。実を言いますとあと決めなければいけないのは、恐らく2030年、中間地点の話は余りちゃんと議論していないのかもしれない。それで、それに関しましてはちょっと時間を取らせていただいて、その辺がまさにこれからの計算というか作業にかかわりますので、その辺を合意していただきたいという気がするのですが。
 先ほどちょっと、半分ぐらいもうご説明いただいているのですけれども、どんな感じにすればいいのかな。増井さん、何かもう少し、その辺だけにちょっと焦点を当てて。

○増井氏 わかりました。では、簡単に資料2の40ページからなんですけれども、2030年につきましては、2030年のビジョンを描くというよりは、あくまで、どういうような経路をたどっていくと実行可能なのか、あるいは2030年までサボりすぎていると2050年の持続可能な社会は実現不可能だよということを示すのが、2030年の分析の役割であると認識をしております。
 冒頭、安井先生からご説明がありましたように、どういうような経路で行くか、繰り返しになりますけれども、2050年まである程度軟着陸で行くのか、あるいは2030年非常に急降下で行くのかというようなところを示すことで、どっちの経路を選びますかということを国民の皆さんに示すというのが、この2030年の分析の役割と思っております。
 そういう意味で、今温暖化の話をメインに作業をし始めているところではあるのですけれども、例えば41ページの図7.2のCO2 の排出量について、2050年が一番右端の■で示されているところで、2030年、いろいろな計算の前提条件の想定の仕方、置き方があるのですけれども、2050年を見据えて、2030年もある程度うまいことやろうというのが2030年のところの■で、比較的現状を追認するといいますか、現状のトレンドを引っ張ったもの、それが△で示されています。
 CO2 の排出量の場合、もし仮に2030年になって慌てて対策をするということになりますと、△から■の方に20年間の間で非常に大幅な削減をしないといけないことになります。
 また、同じように、その削減の中身なんですけれども、ここではその例として42ページのところでエネルギー強度しか示しておりませんけれども、仮にある程度将来を見据えて対策をやっていくという場合には■で示されていますし、それが2030年以降に急にやるということになりますと、△から■に移っていく。
 そのときに、△から■に移るに当たって、果たして本当に実現可能なのかどうかが重要となります。例えばエネルギー強度なんかの場合、オイルショック後10年、15年ぐらいの間に、ものすごいエネルギー効率の改善が起こっていますけれども、それに匹敵するようなものを将来、2030年から2050年にしないといけない。
 そういうときに、たまたまオイルショックみたいなものがあれば大幅な効率改善の可能性もあるのでしょうけれども、そういう社会的な条件がない場合に、どういうふうにしてそういう非常に厳しい、あるいは急激な変化というふうなものを実現していかなければいけないのか。その点は技術の話と制度の話と、それらが組み合わさって議論していくべきところなのではありましょうけれども、非常に大変なことをしないといけないんですよという、そういうメッセージになると思っています。
 このように2030年、なりゆきで行くのか、あるいは2050年を見据えて行くのか、そういう経路を幾つか示すことで、2050年を目標年とした話ではあるのですけれども、その途中の経路、今からどういうことをしていかないといけないのでしょうかということを喚起する、そういう資料になると思っております。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 ということでございまして、一応今のそこの△あたりと、■あたりを2個、2030年あたりにやって、あと、だからそれのインタープリテーションなんかはやはり今おっしゃっていただいたような格好で、これまた散文的にやるしかないのですけれどもね。そんなような状況かなということでございますが、いかがでございましょうか。

○湯原検討員 ちょっと今のエネルギーで可能かということですけれども、私は見通せるような気がするんですね。2030年に実用化できていないものは2050年に普及しないわけだから、例えば皆さんご承知のように、2000年に入って、2000年の前ぐらいでは、日本の火力発電というのは大体40%が熱電効率である。
 新聞を見てご承知のように、今東京電力さんの作っているもの、LNG火力はもう59%にきていますから、もうその間で20%きているわけで、これは、もっともっと普及していくだろうと思うんですね。これから普及していって、2030年にはかなり普及するだろうと思う。
 同じ観点で、2030年に石炭ガス化論、あるいはゼロエミッションの石炭というのは、これはもう2030年には実用可能と見るべきだと思うんですね。そうすると、2050年にはそれは普及するという形だから、そんなふうに考えて積み上げれば、化石燃料への依存率が80%強から50%以下に落とすことができて、そうすると、2030年の段階で半減ぐらいは見えてくると思うんですね。説得力を持ってですね。
 それは、日本がそういうことを実現するということが、2050年に世界で普及ということを考えれば、連続性を持って、だから日本で達成できていることが、やはり2030年で、普及はしなくても技術的に達成できていることをつかまえて、それが日本で実現できていれば、2050年には普及して、世界全体で削減ができるという、そんなことで、お手本を示すという考えが一番いいと思うんですね。

○安井座長 ありがとうございました。
 いろいろお考えがあると思うのですけれども、実際になかなか、しかしながら一体何がドライビング・フォースでそれが行われるかということを考えるとなかなか難しくて、だから東京電力さんが、今の話で五十何パーセントに上げたとして、一体それで、その技術を開発したことによる価値がどこにあるか。
 バレル幾らで、しかもCO2 の排出量の罰金といいますか課徴金というか、何でもいいのですけれども、その排出に対してどのぐらい費用がかかってこないとそれが結局合わないかというようなことが大きいと思うんですよね。
 というのは、先ほどの42ページに示していただいているエネルギー強度ですけれども、この1970年〜1980年でこれだけ落ちているといっても、たかが3分の2になっているにすぎないんですよね。だから、3分の2ということは30%落っこちているにすぎない。30%落っこちた原因は、結局等価的にはエネルギーの価格が少なくとも10倍に上がっている、エネルギー価格が10倍に上がって30%しか落ちないという、そういうことですからね。
 ですから、エネルギー価格が今から10倍に上がっても30%しか落ちないのではないかと私は思っているのですけれども、それがどうなのかなというところが大きいのではないかと思うのですけれどもね。その辺は、湯原先生はどのようにお考えでしょうか。

○湯原検討員 やはり化石燃料が逼迫して高くなっているという事実、やはりそれがドライビング・フォースだと思うんですね。それが再生可能エネルギーの経済性を高めていくし、いつも言うように蓄電、蓄熱というものがさらに再生可能エネルギーの割合を高めていくし、原子力はそんなに無理しなくても、7,000万キロとか8,000万キロをやれば4分の1は担えるわけだから、やはり化石燃料はもうそんなに安くならないし、ピークアウトということをみんなが考えている以上は、これ以上は安くならないだろう。それがドライビング・フォースで行くと考えていいのではないかと思うんですね。
 ただ、10倍と言われるとですね。(笑)ちょっとそれは答えが出ない。

○安井座長 これ結局、2050年で組み込んでいるエネルギー価格の値段が、たしかバレル80ドルぐらいだよね。だから、全然上がっていないんですよ。だから、それが、そんなのでいいのかという話になっていて、まあ、100ドルを超すことはないような気がするし、大体すべての国が化石燃料の使用効率を上げてしまうと、また化石燃料はもってしまうし。だから、それを対策をとればとるほど化石燃料は値上がりしなくなってしまう。どこかで大々的な国際紛争でも起きれば別ですけれどもね。
 というようなところがやはり問題で、秋元理論はどうなっているか知らないけれども、何かそういうところが入り込んでいるのではないかなという気がするんですけれどもね。

○明日香検討員 ちょっと関係ないかもしれないのですけれども、△よりも■のバッチの方がいいという議論をするときに、合意即答みたいなことをやらなければいけないというのが、△はよくないというような話になるとは思うのですけれども、もう1つ、さっきもちょっと技術の開発とか普及の話が出たと思うのですけれども、技術が急にあらわれてそれが100%すぐ普及するということは多分実際にはなくて、やはりゆっくりちょっとずつ普及していって開発されていってという、そういう技術の普及パターンみたいなのが、もう非常に滑らかにソフトランディングでないと実際にはあり得ないという議論も、ただ単にオイルショックみたいなことをやらなければいけない、だから■しかないのだというのではなくて、それプラス、技術の普及なり、そういう議論も散文的に入れられるといいのではないのかなと思いました。

○安井座長 例えば効率を上げて、その分にかかる技術のお値段ですよね。導入の値段がどうなるかですよね。だから、それが十分に見合えば入れるし、見合わなければ入れないという話ですよね。
 その辺は本当に難しいところで、今鉄鋼業界が自主目標を持って、べつに、オーバーしたって何も怒られるわけでもないのに努力している。あれだけ金をかけているという方がむしろキャップ・アンド・トレードよりいいのかもしれないんですよね。だから、要するに自分たちの義務感というか、ある意味の自己責任みたいな方がよほど値段が高いのかもしれないですよ、トレードよりも。

○明日香検討員 結構買っていますけれどもね。

○安井座長 だから、結局、買っているというのは、要するに全然買う理由がないではないですか。キャップ・アンド・トレード、ないのだから。自主行動計画ゆえにむだな金を使っているわけですよね。自分たちの責任を果たすためということで、だから、責任を果たすという仕組みの方が結局高いのかもしれない。カーボン価格が高いのかもしれない。

○明日香検討員 オーストラリアはそういうふうに言われています。

○安井座長 そんな状況もあって、だから本当の話、何をもってして国際的な枠組みとするのか。ただ、ヨーロッパにしてもアメリカにしても、そんなメンタリティはないから、だからやはりどうしてもトレードになってしまうのかな。というような感じもあって。
 だから、本当の話、「フィージブルだよ」と言いながら、しかしそれを、「ドライビング・フォースは何よ」と言われた瞬間にかなり苦しいなと前から思っているのだけれども、それがちょっと辛いところですね。本当に、CO2 が1トン当たり50ドルでも100ドルでも多分ドライビング・フォースにはならないね。

○明日香検討員 100ドルでもだめですか。

○安井座長 だって、100ドルでも、リッター30円ぐらいだ。

○明日香検討員 ガソリンは余り変わらないのですけれども、石炭の価格はピークに達している。

○安井座長 まあ、石炭はわかりますね。
 その辺がちょっと辛いかなと。でも、いずれにしても、技術の開発のスピードが間に合わない。だから、やはり危機感でやるしかないのかな。その2.5度だと、やはり地球はガタガタになるよというシナリオでやるしかないのかな。余りよくないな。
 いかがですかね。どうぞ。

○山本検討員 森林とか自然とかいう観点からちょっと、今度の目指すべき姿の表現のことで申し上げたいのですが、37から38あたりにかけての[3]の世界のことなんですけれども、ここで森林とかいうのは面積でこれは議論されているのですけれども、日本全体の森林がこの間に増える減るというのは余り考えられないと思うんですね。
 ただ、考えるべきことは、この同じ森林の中で、やはり自然の状態をなるべく残した森林と、生産性の高い森林のバランスをどのように持っていくかというのが1つの議論になるのではないか、そのように思うのです。
 森林全体で行くと、CO2 とかそういう観点からすると、ストックがどれだけふえるのか、量ですね。単位で言えば立方メーターとかそういうところで議論をする必要があるのではないかと思いますし、同時に、そこから生産される木材の資源、それがフローとしてどれぐらいの量が出てくるかというのがここでの尺度になってくるのではないか、そのように思います。それは、後の50ページに出てくるモデルの中でも、どういう単位を使ったらいいのかというところでお考えいただきたいと思うんですね。
 それから、現状の問題点のところで、ここでは森林の齢級構成の問題を取り上げられているのですが、それと同時に、私、プレゼンのときに1つ申し上げのは、これは野性生物をどう管理するか。これは定量的に表現するのはなかなか厳しいところではあるのですけれども、これからの森林資源、50年ぐらい先のところを見ていくときに、今の森林の野性生物の問題を無視して語るのはなかなか厳しいなという印象を持っております。
 今日のシナリオについて、感想は以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 しかし、そのあたりはどうするのかな、やはり数値的には難しいですからね。何かやはり散文的に書いていただく。
 どうぞ。

○増井氏 今の山本先生のコメントは非常に参考になりました。確かに森林面積の方は、単に面積的なものだけではなくてもう少しボリューム的なものも取り上げた方がいいということ、これは確かにそうだなと思われますので、その点はできるだけ反映させたいなというふうに思っています。
 あと、野性生物の方にしても、その辺はむしろ「こういう指標があるよ」ということで教えていただければ、それを可能な限り取り込んでいきたいなと思いますので、もし何かあればお知恵を拝借したいと思っています。よろしくお願いします。

○安井座長 さて、あとは何を決めればいいんだろう。
 ですから、こんな形で、多分ありそうなシナリオとしては、8月17日は午後になると思いますけれども、少し長めに時間を取らせていただいて、それで数値モデルでこんな感じに一応行けましたみたいな話になる。それに対して、皆様から、この報告書を膨らませるというか、前半の方は前提条件だからいいのですけれども、その数値が出てきた段階で、だからそれをどういう形に膨らませて肉づけまでやるかみたいなことを、どうするのだろうな、どうやってお願いするのだろうな。
 なかなか、多分本文の中でやるのは難しいかな。付録ですかね、苦瀬さん、各先生方にいろいろとやっていただくのは。組み込めるものもあるけれども。

○苦瀬企画官 今の話はまさに本文になるのですが、本文を完成させるために、まず伺うべきところがあれば伺う。伺うところがまだありますし、とは思うのですけれども、それ以上の、いろいろ先生方から何か書いていただくというようなことをおっしゃったのでしたか、今は。

○安井座長 皆さんからご意見を伺いながら、最終報告書の本文の中に書き込んでいく形だけで終わるのか、そうでなく、場合によると何かご自分のご専門のところに関してもう少しクリアなイメージを文章にして出していただいて、それから組み込むか、場合によっては組み込まない。それは、組み込んだ部分は組み込んだ部分、組み込めないで、各委員からのご意見を何か載せるか。そのあたりがどうなるか、ちょっと見えないんですね。
 いずれにしても、8月17日からお願いすることになるんでしょうね。9月の末ぐらいまでに本文はできる。

○苦瀬企画官 一応、なるべく完成に近い素案というものを8月17日にとは思っているので、7月のうちにそれぞれの先生方の意向というふうに今は考えております。
 それで、そうすることで、今日は海洋のお話もいただきましたけれども、ちょっとこれまで、最初の1日を除いては個別にお話しする機会が余りなかったので、例えば森林の話も今いただいて、そういうところを盛り込むとかそういうこともあるので、それは7月の日程で、あと、そのほかにそれぞれから加えるという形をどうというのはちょっと今は十分に整理できていないのですが、今までの過去のほかの例で言うと、報告書そのものはそういう、それぞれの先生のお考えなんかをもとにして報告書を完成させた上で、それぞれの先生方の名義でのものをつけているというのは、例えば『日本21世紀ビジョン』とかはそういうことをやっていましたし、あと、『環境ビジネスウイメン』というのは、正式の懇談会の報告書をさらに本にまとめたときにそういうものを付けたとか、そういう例はありますけれどもね。ちょっとまだ、こういうふうにやると方針を決めているという状態ではないのですけれども。

○安井座長 というようなことで、まだちょっとどういう形で皆様にお願いをするかまだ決まっていないという状況です。ですから、最悪、ひょっとするとノルマで何か書いてねという話になるかもしれないですし、そうならないかもしれませんので、そこはぜひよろしくお願いします。

○苦瀬企画官 ぜひ、いろいろお願いしたいと思いますが、特にやはり、まずは本体に入れるべきところで、多分もう少し個別にお話を伺う中でまずはあるかなとは思っているのですけれども。それはちょっと修正という範囲でのもの、それだけのところかもしれないですけれども。

○安井座長 そういったところで、一応お認めいただいたことで、8月17日に向けて国環研チーム、増井さんと日比野さんはかなり頑張っておやりになっていくということになって、次回8月17日にちゃんとした何か結果が出てくる。
 それに関しましていろいろなご意見をいただいて、それに基づいて骨格を組み立てて、肉づけして、特に中間地点と着陸地点の話何かはまだ余りちゃんと議論していないので、その辺をもう一ぺん骨格をつけて、肉づけして最終報告書に持っていく。
 今の苦瀬さんの話だと、それ以前にこのレベルでもまだ足さなければいけない話があるかもしれないけれども、それはだから、湯原先生に1回お話を伺う件は、7月にやるとすると、まだ数値データは出ていないんだね。

○苦瀬企画官 なるべく早くということだと、今出ている範囲のものをベースに、それから書いていただくということにもなるのかなと思いますけれども。

○安井座長 とにかく、増井さんがいつ出してくれるかによるんですよね。それから、それを見ながらインタビューができるかできないかもまさにそれによるので、皆さんでお願いをしておきましょう。
 ということでございまして、一応とりあえず進む道筋といいますか、これからの作業は何となく見えてきたかなという気はいたしますが、実際にどういうふうに進捗するか、まだ見えていないという状況ですね。
 あと、ちょっと秋元さんのシナリオって、私は全然知らないのだけれども、もうどこかに出ていますか。

○原沢検討員 いや、シナリオというよりか、やはりさっきの脱温暖化の2050年半減のときの基本的な考え方のところで、いろいろな意見がありますよということですから、だから特にシナリオということではないんです。
 ですから、そういうことでもやはり温暖化関係については、どういうところの考え方でやっているというところをしっかり理論武装してということで、いろいろな意見の人がいて、例えばもう少し550ppmという緩い基準で行かないとできないよという、コスト面の話なんですよね。「そのときは4度上がってしまうだろう。いいのか」というような、そういう議論にもなってくるので、そこはやはりこの議論の中でも出てきた話ですので、しっかり、IPCCの報告も読み込んだ上で、基本的な考え方はということが大事だと。

○安井座長 本当にコスト面の話はやはりシビアですからね。ですから、そこで来られると、今おっしゃっていただいたように4度になるかどうかは知りませんけれども、共感度が高ければそうなってしまうのですけれども、そういうことでいいのか。
 そうなってくると、先進国は、「1度ぐらいからアンデスでは被害が出るよ」何ていう話に対してどう責任を取るのだという議論で戦えるか戦えないかを詰めるというかね。大きいのはね。アンデスの農業がぶっつぶれる何ていう話になるのかな。その辺は非常に大きな問題になると思います。
 ですから、はっきり言って、ホワイトボードの右上のあそこで、あれで多分、来年の洞爺湖サミットでしゃべる根本的なところは決まるのだろうと思うのですけれども、そこに対してどういうインプットができるかだな、という気がいたします。
 ということで、これで終わってしまおうという魂胆なんですけれども。

○苦瀬企画官 今の洞爺湖サミットに向けた話で言うと、それもきっとこの秋には議論をしていくのだろうと思いますので、そういう意味でも、先ほど、遅くとも11月と言ったかと思いますけれども、8月には何がしかの素案を固めてというふうに思っているというのは繰り返しになりますけれども、今日この中で、先ほどのように海洋に足りないというお話をいただいたり、森林なりの指標なり数字の書き方はこういうというご意見もいただきましたけれども、そういったことがもう余りなければこれで進めまして、あればまたすぐに検討していこうかと思いますので、1週間以内にというのはありますが、いつものようにこの後、紙でも出してください。来月、ちょっと来週すぐにというよりは少し準備をしてからになるのかと思いますけれども、早いうちにお話を伺いに行って、これを詰めて、その素案がなるべくもうそのまま使えるぐらいの状態に、8月17日に出せるように7月中に個別にご相談をさせていただくこともあるかと思っておりますので、その際はまたよろしくお願いしたいと思います。

○安井座長 どうぞ。

○石野官房審議官 大体の流れは、先ほど安井先生に整理していただいたとおりで、右上にというか、低炭素社会のミニマムというのでどう出すかというのが年末までの大きい勝負というふうに多分なると思うので、実は来年1月のダボスの会議には、できれば総理に行っていただいて、そこで日本としての大きい、今回例の「クールアース50」があったのをさらにもっときちっと肉づけして、世界の中でどうやってやっていくのだということを大きく打ち出したいというのが実は官邸のご意向としてもあって、我々もそれを頭に置きながらどういうふうにやるかというのでですね。
 だから、これから夏、秋に向けて、地球局、地球環境部会、例の環境省と一緒になった見直しの議論と、それからポスト京都議定書の戦略づくりというのは同時並行でかなり詰めた議論になっていって、そこはさっき原沢先生がおっしゃったみたいに、秋元さんがおっしゃったような150でしかできないというふうな話も多分出てくる。
 それに対して、環境省側としてはできればやはり相当きつめの案をしっかり持っていかないと議論はうまく転がらない。そのための基礎づくりというのかな、数字の面も含めて、この場でぜひお願いしたい。
 だから、我々はある意味でこれは指南所と言いますか、勝負していく、あるいは議論をしていくときのベースとしてぜひ確保したい。その足元を固めた上で、しかし多分最終的には政治の場でいろいろなものが決まっていきます。2050年に50%削減というのも、ある意味ではもう「えいやあ」と官邸で決まってしまったところがあるわけですね。それは、モデルがあるかというと、必ずしもないのですが、これは公理だと。ある意味で「IPCCが出したものなのだからやるのだ」と言って進んでいっている。
 それをさらに今度は中国をどう取り込むかというところで、今実は日本の外交戦略の中で少し大きい位置を占めつつあって、日本がどうするかよりも、中国をうまく引っ張り込むことによって、アメリカも乗っけて、世界全体の削減の合意づくりにだんだん向けていこうという、そういう話をしているということがありますから、それも、そうするとやはり我々は頭に置いて、ではどうやっていくか。
 この場の議論は、とにかくまず国内をどうするかということがあるんですね。数字も含めてモデルをつくるということはそれは重要なので、それをやりますが、もう少し先を見ると、今度は超長期ビジョンのバージョン2がどこかでまた出てくるのかもしれません。
 あるいは、さらに国際取引も含めた世界全体の超長期ビジョンという。そうすると、バージョン3かバージョン4になるのかもしれませんが、それにつながるようなものをぜひ固められればいいのではないか。
 タイムスケジュールとしては、恐らく秋口、11月ぐらいには何がしか官邸に持っていく玉を込めなければいけない。それは「21世紀戦略」の次のステップなんですが、それをこちらで少し支えつつ、今度は関係局で、地球局とか、あるいは自然局とかの入り分も含めた全体の詰まる中で話をまとめていくというふうにしないと、日本の外交戦略、環境を軸とした安倍外交のベースがうまくできていかないというふうに思っています。
 実は、11月に東アジアサミットというのがシンガポールで開かれるんですね。これも、実はASEAN諸国が、ポスト京都議定書も含めてどうするかという議論をするというふうに聞いていまして、実は週末から私、シンガポールに行って、ダボスのアジア版会議に出てきたのです。やはりそこでもそういう雰囲気がかなり出ていまして、その場では中国の発言が余り聞こえなくて、全然聞かれなかったのですけれども、ASEAN諸国としては、非難も受けますし、やはり対策も何かしかやらないという認識が、少なくともビジネスリーダーたちの認識としてはかなり出てきていて、ではそれをどうやって国際法に結びつけていくか。
 例えば来年の頭にダボス会議に行って総理がやるというのは、ある意味でそういう試し撃ちと言いますかね、政策の試し撃ちというのですか、何かそういうのをやって、それでそれを7月の洞爺湖サミットにつなぐというふうな場の設定もあるのですけれども、そんな流れの中で、ここの場の少し、より説得力のある裏づけをしていきたい。
 そのためには、今日湯原先生からお話があったようなそういう個々のパーツというのですか、個々の政策的な玉を考えるときの重要なキー、何がキーになるか。例えばドライビング・フォースは何かということで、我々としてちゃんと自信を持って言うような裏づけをさらに強化していただけるとすごくありがたいなということもありまして、引き続きまたお知恵をお借りしたいという、そんなことでございます。

○湯原検討員 ちょっといいですかね。だから、環境立国に必要な基幹技術がこれだけのあれだったんですけれどもね。例えば今の話で言うと、私の話もそうだったけれども、余り石炭のことを言っていないんですよね。ところが、中国、インドを考えたら、もう石炭ですよね。
 それから、中国政府も、中国の要人たちも言っていることは、日本の石炭ガス化技術がのどから手が出るほど欲しいんですよね。日本の石炭ガス化のみが、中国の石炭をガス化できるんですよね。そういうことをちゃんと安倍さんにわかってもらって、それから、天然ガス・コンバインドだとか、原子力に比べたら、余りにも石炭というのは予算的に手当されていないわけですね。
 だから、そういうことや、私は石炭関係者ではないから平気で言えますけれども、やはりそういう凸凹になっているところを埋めてやることがすごく効果があるところを、ちゃんとしてやるべきだと思うんですね。
 経済産業省は経済産業省の今までの政策があるから、なかなかそこまでは言い切れないと思うんですね。環境省はそこを堂々と言えるのではないかと私は思います。

○明日香検討員 バージョン1、バージョン2、バージョン3というお話だったと思うのですけれども、多分トレードをすればただコストが安くなるだけだと、多分余りよい、美しい話ではないので、そのバージョン1、バージョン2、バージョン3の整合的な哲学というのでしょうかね、どうしてバージョン1、どうしてバージョン2なりバージョン3があって、ただ単にコストの話だけではなくて、やはりそういう外交なり技術戦略なり、そういうのを含めて全体像をなるべく早くつくっていただいて、とりあえずバージョン1を出すというふうにしていただいた方が、多分、バージョン1を出して、その数字がひとり歩きする可能性もありますし、いろいろ、そんなのは無理だというような批判も出るかもしれませんし、そこら辺はうまく将来を見据えて議論なり、考えていただければなとは思います。

○安井座長 というわけでございまして、なかなか周囲の状況が読み切れないので、とりあえず、先ほどの話でございましたけれども、研究、それからテクニカルというスタンスでもって、先ほどのドライビング・フォースの話、費用の話、そういうのはとりあえず置いておいて、とにかくそこがその気になれば――その気になるというのが難しいところですが、その気になれば成立する社会であるということをとにかく書く。
 しかし、それをテクニカルにやるには時間がかかりますから、研究開発、技術開発といったようなものをいつぐらいから始めなければいけないかというようなことに主眼を置いて、それのドライビング・フォースはどこかにあるという形でとりあえずは書くのかなというところだと思うんですね。
 さっき言いましたように、ドライビング・フォースの話をし始めるとなかなか難しくて、これは別のところにお預けかなという感じですよね。
 国際社会が本当に、例えば「2度だ」と言ったら、それが結局ドライビング・フォースになるわけですからね。そうでなければ、結局、1トンのCO2 、50ドルというとそれはドライビング・フォースにならないのですけれども、まあ、そういう話かなという気がいたします。
 ということで、本日はこんなところにさせていただきまして、次回、8月17日、午後になると思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 では、本日はありがとうございました。

午後0時25分 閉会